「おたんこなす」の意味・語源は?使い方を例文で!野菜を使った比喩表現も紹介!

おたんこなすの意味を知っていますか?方言でしょうか?そこで今回は、おたんこなすの意味・語源や、使い方を例文で紹介します。そのほかにも、おたんこなす以外に「どてかぼちゃ」など野菜の比喩表現を紹介するので参考にしてみてくださいね。

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目次

  1. おたんこなすの意味・語源は?方言?
  2. おたんこなすは「間抜けな人」を意味する言葉
  3. おたんこなすの語源
  4. おたんこなすの類語
  5. おたんこなすの使い方・例文
  6. ①頼まれていた仕事ができていない場合
  7. ②大事なものを忘れてきてしまった場合
  8. ③冗談で言い合いしている場合
  9. おたんこなすの他に野菜を使った比喩表現は?
  10. ①どてかぼちゃ
  11. ②大根足
  12. おたんこなすは比喩表現だった

おたんこなすの意味・語源は?方言?

漫画やアニメなどで出てくることがあるおたんこなすという言葉ですが、本来の意味を知っている人はあまりいないかもしれません。ここでは、おたんこなすの意味や語源のほか方言との関係性や、おたんこなすの類語などを解説します。

おたんこなすは「間抜けな人」を意味する言葉

おたんこなすは「間抜けな人」や「鈍感な人」を罵る言葉です。おたんこで「出来損ない」、なすはそのまま「ナス」といった意味を持ち、2つを合わせて「出来損ないのナス」という意味にもなります。

どの地域が発祥の言葉なのかは判明していませんが、埼玉か千葉の方言ではないかと言われています。ちなみに、関西地方ではあまり使わない言葉であるおたんこなすですが、同じ意味を持つ「なす」という言葉を使うときがあるようです。

おたんこなすの語源

おたんこなすは「おたんちん」という言葉が語源となっています。おたんちんは江戸時代に遊郭街であった新吉原で生まれた言葉で、短い様子を表す「御短」と生殖器のことを指す「ちん」を合わせてできた言葉です。おたんちんは、吉原で働く遊女が嫌な客を意味する言葉として使っていたとされています。

また、当時の炭鉱近辺ではナスが栽培されていましたが、発育環境が悪く販売できないような出来損ないのナスばかりでした。そこで出来損ないのナスを「御炭鉱茄子」と表現するようになり、これがおたんこなすの語源となったとも言われていますが、この他にも由来については諸説あるようです。

おたんこなすの類語

おたんこなすは相手を悪く言う言葉ですが、同じような意味を持つ類語も多数存在し、以下のようなものが代表的です。

・あんぽんたん
・あほ
・のろま


あんぽんたんは「馬鹿」「愚者を罵る」といった意味を持ちます。悪く言う言葉の中でも、相手の知性に対して馬鹿にする言葉として使用されることが多いです。「あほだら」という薬から派生した説や、フランス語が語源となっていると言われているなど諸説ある言葉です。

あほは「愚かなこと、愚かな人」を表す言葉で、同じような意味を持つ類語にばかがあります。のろまは「動作が鈍い様子、そのような人」という意味で、江戸時代に存在した人形遣いの野呂松勘兵衛が演じる間狂言である「野呂間人形」が由来となっています。

おたんこなすの使い方・例文

おたんこなすは、実際にはどのような場面で使われる言葉なのでしょうか。例文を参考におたんこなすの使い方を見ていきましょう。

①頼まれていた仕事ができていない場合

まだ締切まで仕事ができてないのか、おたんこなすが!

この使い方は類語であるのろまと同じような使い方となっています。間抜けな人や鈍感な人というよりは、出来損ないを意味する使い方と言えるでしょう。

②大事なものを忘れてきてしまった場合

頼んだものを丸ごと忘れてくるなんて、お前はおたんこなすだよな

これはおたんこなすの持つ意味の中でも、間抜けな人を意味する使い方をしている例文です。うっかりとしたミスを繰り返すような人をおたんこなすと表現する場合があるようです。

③冗談で言い合いしている場合

本当にお前はおたんこなすだなぁ

おたんこなすは決して相手を褒める言葉ではなく、やや見下したような言い方になりますが、冗談を含んだ意味で相手をおたんこなすと称する場合もあります。特に冗談が通じる友達や兄弟・姉妹など近い関係性の相手に対して、仕方がないと言った意味合いを込めておたんこなすを使う場合もあるでしょう。

おたんこなすの他に野菜を使った比喩表現は?

おたんこなすはナスを比喩に使った表現ですが、ナスの他に比喩表現として使われる野菜はあるのでしょうか。ここではナス以外の野菜を使った比喩表現をいくつか紹介します。

①どてかぼちゃ

土手で育ち食用に向かないところから生まれた言葉である「どてかぼちゃ」の例文は以下の通りです。

・手が空いているのに自分から動こうとしないなんて、まるでどてかぼちゃだな

土手という肥料もなく日光がほとんど当たらない環境で育ったかぼちゃは、味は十分ではないものが出来上がります。このことから「役立たず」「半端もの」といった悪口の比喩表現としてどてかぼちゃという表現が使われるようになりました。

また、土手といった整地がされていない土地でところかまわず自生する様子から「どこにでもいる」といった意味も含まれています。

(*「どてかぼちゃ」の意味や語源について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)

「どてかぼちゃ」の意味・語源は?使い方を例文で!野菜を使った比喩表現も紹介!

②大根足

大根も「大根足」という比喩に用いられる野菜で、以下のような使われ方をします。

・あの人は大根足なのに、自信満々に太ももまで露出しているよ

大根脚は、不格好で太い足を比喩した言葉として認識されていますが、実は平安時代には色白の美脚という誉め言葉として使用されていました。しかし、品種改良により大根が段々と太くなっていったのをきっかけに、江戸時代以降からは現在と同じような意味として使われるようになったようです。

おたんこなすは比喩表現だった

おたんこなすは鈍感な人や間が抜けている人を表すナスの比喩表現だと分かりました。文字や響きからはやや可愛らしさも感じる言葉ですが、人を罵っている言葉であることに変わりはありません。冗談めかして使う場合もあるかもしれませんが、使うシーンには気をつけしょう。

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