山のフカヒレ「ムキタケ」とは?味・時期や美味しい食べ方・レシピも紹介!
山のフカヒレ「ムキタケ」というきのこを知っていますか?今回は、ムキタケの〈味・食感・旬の時期〉など特徴や、毒きのこ「ツキヨタケ」との違い・見分け方を紹介します。ムキタケの美味しい食べ方・人気レシピを、下処理の仕方や保存法とともに紹介するので参考にしてみてくださいね。
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山のフカヒレ「ムキタケ」とは?どんなきのこ?
秋はきのこが美味しい時期ですが、スーパーに出回っているしいたけやえのき以外にも美味しいきのこがあります。ここでは、山のフカヒレという別名も持つおいしいムキタケについて、その生態やアクの抜き方、おすすめのレシピなどを紹介します。
ムキタケの見た目・生態の特徴
ムキタケは山のフカヒレという別名も持つきのこで、扇形の傘の表面に、つるつるしたつやのあるゼラチン層があります。このゼラチン層は水分を含むと分泌されるもので、食べるときフカヒレのような食感を生み出します。また、傘の表面がはがれやすくなっているので、簡単に皮がむけるところが特徴です。
ムキタケの名前は、傘の表面にゼラチン層があるので皮がむきやすいところに由来するようです。ブナやミズナラ林でよく収穫されるきのこで、倒木に重なるように生えることもあります。傘の部分は約10cm程度で、片葉で黄色い色をしています。
緑がかったムキタケもあり、こちらは生えるのがやや遅いことからオソムキタケと呼ばれていますが、味わいや生態などにあまり違いはありません。もともとは区別もされていなかったようですが、今はそれぞれに学名もつけられ区別されています。
ムキタケの味わい・食感
ムキタケはゼラチン質のフカヒレによく似た食感が特徴です。だしがよく出るので、煮物や味噌汁、鍋の具材にもよく使われます。独特の食感が美味しく、ほたてに似た食感と表現されることもあります。味わいにくせはなく、ほのかに苦みが感じられますが、どんな味付けにもよく合う美味しいきのこです。香りはあまりなく、保存食にしても味わいは変わりません。
Twitterの口コミ
佐賀県のマイナー特産品「ムキタケ」
元々は武雄市から始まった特産品
プルッコリっとした食感で味は茸特有の旨味にちょっとした苦味がアクセントとなり他の食材をより引き立ててくれてとても美味しい
出汁もよく出るし焼きや煮物でも美味しい万能キノコ(写真は豚茸鍋)
#ゾンビランドサガグルメ部
ムキタケの旬の時期と名産地
ムキタケは秋も深まった晩秋のころに生えてくるきのこで、皮の裏が白くなっていれば旬の食べ頃です。主な生息地は、北半球の温帯以北に当たる地域です。日本では、本州のブナやミズナラ林によく生えていて、山形県や福島県、秋田県などが名産地です。昭和50年代から、販売用の人工栽培なども行われていて、現在ではネット通販でも購入できます。
ムキタケを食べる際は「ツキヨタケ」との間違えに注意!
ムキタケはフカヒレのような食感で、大変美味しいと人気のきのこですが、ツキヨタケと間違えられることも多いです。ツキヨタケはムキタケと違い、毒があるので、キノコ狩りの際に注意が必要です。ここでは、ツキヨタケとの違いを詳しく紹介します。
ムキタケとツキヨタケの見分け方・違い
ムキタケとツキヨタケの見分け方や違いは、以下の通りです。
・ひだが発光している
・縦に裂いてみると、根元に紫色のシミがある
ムキタケとツキヨタケの見た目の違いは、ひだや傘の裏側の色味です。ムキタケは傘の裏側が美しい白色をしているのに対して、ツキヨタケは暗闇で少し発光します。また、根元の部分が紫色になっているのがツキヨタケで、ムキタケは紫色の部分は見当たりません。わかりにくければ、きのこを縦に裂いて中を確認すると紫色の部分があるかどうかの見分けがつきます。
また、ツキヨタケはムキタケが生えてくるよりも先に最盛期を迎えます。一般的にツキヨタケとムキタケの収穫時期が重なることはありませんが、天候によってツキヨタケの最盛期が遅れる場合もあるので注意も必要です。ムキタケは、皮がむきやすいところが特徴なので、傘の表面が簡単にむけるか試してみるのもよい見分け方です。
ツキヨタケは強い毒を盛ったきのこで、これまでに死亡例もあります。ツキヨタケに含まれている有毒成分はイルジンSと呼ばれ、食べてから30分程度で嘔吐などの症状が出始めるようです。激しい下痢や腹痛に襲われ、幻覚症状を起こす場合もあります。ひどい場合は、脱水症状やアナフィラキシーショックなどを起こし、死亡することもあるので、注意してください。
ムキタケの美味しい食べ方は?下処理は必要?
ムキタケを手に入れたら、どのように料理すればよいのでしょうか。ここでは、ムキタケの美味しい食べ方や基本的な下処理の方法について紹介するので、ムキタケが手に入った時の参考にしてください。
ムキタケの下処理・皮のむき方
ムキタケが手に入ったら、以下の手順で下処理をしてから料理してください。
1.薄めの塩水に半日から約1日漬けて、表面についた枯葉や汚れを落とす
2.塩水につけたムキタケの表面を手で剥く
3.皮を剥いたムキタケを、沸騰したお湯で5分程度ゆでる
4.ざるにあげて冷ます
ムキタケは調理する前に、塩水につけて表面の汚れをよく落とす必要があります。虫も好むきのこなので、しっかり塩水につけて汚れなどを落としてから、皮の下のゼラチン層の表面をむきます。このとき、塩分濃度が高くなりすぎると、皮がむきにくくなるので注意してください。
手で簡単にむけることが多いですが、むきにくい時は表面の皮を軽く包丁でこするとむきやすいです。皮をむいたムキタケは、沸騰したお湯で数分程度湯がいて火を通し、ざるにあげて冷ましてから調理します。
ムキタケの皮には苦味があるので、下処理のときに皮をむかないでおくと仕上がりの味わいが悪くなります。また、下処理をしたムキタケは水気をよく拭いて冷凍保存することも可能です。