刺身の常温放置は何時間後から危険?30分?加熱すれば食べれるは嘘?
刺身は常温で放置した場合は何時間後まで食べれるのでしょうか?食中毒の危険はあるのでしょうか?今回は、刺身(切り身)を常温で放置した場合に〈30分・1時間・2時間〉など食べれる時間の目安を、〈夏・冬〉など季節・魚の種類での違いや加熱すれば食べられるのかとともに紹介します。放置した刺身が腐ってる時の見分け方を、長持ちさせる保存方法・持ち帰り時のポイントとともに紹介するので参考にしてみてくださいね。
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- 刺身(切り身)を常温で放置してた…食べれる?むしろおいしい?
- 常温で放置した刺身は腐敗よりノロウイルスなど菌の増殖に注意が必要
- 刺身を常温で放置は何時間まで食べれる?季節・種類でも変わる?
- 常温で放置した刺身がいつまで食べれるかに明確な基準はないが2時間以上は危険
- 刺身は夏の方が冬に比べて傷むのが早い
- 刺身が日持ちしない魚の種類にも注意
- 常温で長時間放置した刺身を食べたらどうなる?加熱すれば大丈夫?
- 長時間放置した刺身は加熱しても食べられない
- 長時間放置した刺身を食べて食中毒になった時の症状
- 刺身を放置して腐るとどうなるの?見分け方は?
- ①見た目
- ②臭い
- ③味わい・食感
- 刺身の鮮度を長持ちさせるには?保存方法や持ち帰りする時も重要?
- ①購入後は冷蔵庫に入れてなるべく早く消費する
- ②長期保存する場合は冷凍保存する
- ③夏など暑い季節に刺身を購入する場合は保冷バッグを持っていく
- 刺身を常温で放置するのは避けよう
刺身(切り身)を常温で放置してた…食べれる?むしろおいしい?
様々な魚の盛り合わせも含めて、切り身になった刺身を購入する機会は多いでしょう。買い物から帰った際に冷蔵庫に入れるのを忘れて、刺身を常温の場所に放置することもあるかもしれません。ここでは、常温の放置した刺身が食べられるかを説明します。
常温で放置した刺身は腐敗よりノロウイルスなど菌の増殖に注意が必要
常温で放置した刺身は腐敗より、以下のようにノロウイルスをはじめとする菌の増殖に注意が必要です。
・ノロウイルス
・ヒスタミン産生菌
・腸炎ビブリオ
・サルモネラ菌
・ブドウ球菌
・腸管出血性大腸菌
・ウェルシュ菌
刺身を常温に放置すると上記のような食中毒菌が増殖しますが色や匂いに変化が見られず、食べてしまうケースもあります。さらに常温で放置したことで、腐っている場合も注意が必要です。刺身は必ず温度が低く保たれる冷蔵庫で保存し、食べる直前に取り出すようにしましょう。
寿司店に行くと人肌くらいの温度で食べてもおいしいネタがありますが、これは常温に放置しているわけではありません。寿司職人が食べる直前にネタケースから出し、握る直前に常温に戻しています。その場合は食中毒菌が繁殖するリスクが低いので、そのまま食べても問題ありません。(※1、2、3)
刺身を常温で放置は何時間まで食べれる?季節・種類でも変わる?
刺身は冷蔵庫での保存が基本ですが、短時間であれば鮮度が変わらないのではと疑問に思う人もいそうです。ここでは刺身を常温で放置した季節や魚の種類も考慮しながら、食べられる時間の目安について説明します。
常温で放置した刺身がいつまで食べれるかに明確な基準はないが2時間以上は危険
時間の経過によって刺身に増殖する菌の数の目安を、9分で1回分裂する腸炎ビブリオが刺身1切れに2,000個ついていたと想定し、計算した結果は以下の通りです。
・30分/16,000個
・1時間/128,000個
・1時間30分/2,048,000個
・2時間/16,384,000個
上記は腸炎ビブリオが最も繁殖する温度といわれる、37~42℃の場所に放置した場合の数値です。しかし常温で刺身を放置すると時間の経過とともに食中毒菌が増殖していくため、明確な基準はないものの2時間以上たったものは危険です。同じ温度でもサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌の増殖速度は腸炎ビブリオほどではないものの、注意は必要といえます。
実際には常温に放置した刺身が食べられるか否かは室内の温度だけでなく、鮮度や保存状態によっても変わります。切り身なのか柵なのか、内臓がついた生魚なのかでも常温で安全な時間は違うので、2時間以内だからといって過信は禁物です。(※4、5、6)
刺身は夏の方が冬に比べて傷むのが早い
刺身に限らず食材は全般的に、夏の方が冬に比べると傷むのが早いのは事実です。室温が高ければ高いほど菌の増殖だけでなく、鮮度が落ちて腐敗するスピードも速くなります。春や秋でも温度が上がりやすい車内に放置すると傷むので、十分に注意しましょう。
刺身が日持ちしない魚の種類にも注意
以下のように刺身にすると日持ちしない魚もあるので、覚えておきましょう。
・サンマ
・サバ
・イワシ
・アジ
・カツオ
青魚と呼ばれる種類の刺身は、冷蔵庫で保存しても日持ちするのは当日中です。そのため旬の季節でも、刺身として販売される機会が少なくなっています。青魚は他の魚と比べると常温で放置すると鮮度が下がるだけでなく、食中毒菌が増殖する可能性が高いので必ず冷蔵庫で保存し食べる直前に食卓に並べましょう。
また赤身魚や白身魚の日持ちする期間も、1~2日のものが多いです。柵より切り身の方が鮮度が落ちやすいので、食べる日に購入する方が安心です。
常温で長時間放置した刺身を食べたらどうなる?加熱すれば大丈夫?
誤って常温に放置した刺身をそのまま食べるのは心配なので、加熱調理しようと考える人もいるかもしれません。刺身ではなく加熱してから食べれば問題がないのかが、気になるところです。ここでは長時間、常温で放置した魚を食べたらどうなるのかを説明します。
長時間放置した刺身は加熱しても食べられない
常温に長時間放置した刺身は、加熱しても食べることはできません。中でもマグロやブリなどの赤身魚にはヒスチジンと呼ばれるアミノ酸が豊富で、ヒスタミン産生菌の働きによってヒスタミンが生成されます。ヒスタミンは熱に強く、一度生成されると除去はできません。同様にウェルシュ菌も加熱では死滅しないので、食べずに処分することをおすすめします。