いちじくの漢字は「無花果」と「映日果」!語源・由来や豆知識など紹介!
いちじくは漢字でどう書くか知っていますか?今回は、いちじくの漢字<無花果・映日果>の由来や、「いちじく」の名前の語源について紹介します。いちじくのが「不老不死の果物」と言われる理由なども紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
いちじくは漢字でどう書く?

気温が少しずつ高くなり汗ばむ季節が近づいてくると、どこからともなくいちじくの甘い香りが漂ってくることがあります。いちじくはひと昔前まではよく家庭の庭先に植えられていて、日本人にとっては馴染みのある果物でした。では、このいちじくは漢字ではどう書くのでしょうか。
いちじくの漢字①無花果

一般的に、いちじくは漢字で「無花果」と書きます。漢字をそのまま読んでもいちじくにはなりませんが、一体この漢字にはどんな由来があるのでしょうか。ここではいちじくを無花果と書く由来について解説します。
いちじくの漢字「無花果」の由来は?花がないの?
いちじくは、漢字で「無花果」と書くことから花が咲かない果実と解釈されることがありますが、実は果実の中に花を咲かせる珍しい植物です。実際には花は咲かせているものの、一般的に「花」と呼ばれるようなものを咲かせずに実をつけるように見えることから、無花果という漢字が使われるようになりました。
いちじくは、皮の内側の白い果肉の部分と中央に向かって赤くなっている部分を果実として食べますが、これらを花嚢と呼びます。6月頃になると花嚢の中で無数の白い小花が咲き、その花が熟すと粒々の種子になります。
いちじくの漢字②映日果

いちじくは、漢字で「映日果」と書く書き方もありますが、無花果と同様に漢字を見ただけではいちじくとは読めません。ここでは、いちじくを映日果と書く由来について解説します。
いちじくの漢字「映日果」の由来
いちじくを「映日果」と書くのは、13世紀ごろにイランから中国にいちじくが伝わった際に、イランでいちじくを意味する「アンジール」という言葉が中国で「映日」と記されたことが由来です。これに果という文字を加えて映日果になりました。中国では映日果をインジークオと発音します。
日本には江戸時代の初期に中国経由でいちじくが伝わりましたが、インジークオという呼び方ではなく、いちじくという呼び方で定着していきました。この「いちじく」の名前の由来については後述するので参考にしてください。
(*他の果物の漢字について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
いちじくの豆知識

実の中に花が咲く不思議な植物であるいちじくは、やさしい甘みと香りが魅力的な果物です。ここではいちじくの名前の由来や、いちじくに含まれる栄養素など、いちじくの豆知識について紹介します。
「いちじく」の名前の由来は「一熟」
いちじくという名前は「一熟」という漢字の読みがなまったものと考えられています。これは、一本の木でいちじくが毎日ひとつしか実らないため一熟になったという説と、いちじくの果実ができてひと月経って熟すことから一熟になったといった説があります。
いちじくが「不老不死の果物」と言われる理由
いちじくは古代ローマでは「不老不死の果実」と呼ばれて大切に栽培されてきましたが、これはいちじくの栄養価と薬効が高いことが理由です。中でも水溶性の食物繊維であるペクチンを多く含むため、便秘や下痢に効果があります。また、丈夫な骨や血を作るカルシウムや鉄などのミネラルもバランスよく含んでいます。
さらに、いちじく特有の栄養素としてフィシンというタンパク質分解酵素を含んでおり、消化を促進させて二日酔いや胃もたれを防ぐ働きがあるのが特徴です。これ以外にも高血圧を予防したり炎症を抑える働きがあるなど、いちじくは果物として美味しさを楽しめるだけでなく、健康に良い効果ももたらします。
(*いちじくの栄養価と効能について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
いちじくの毒性について
栄養価が高く美容や健康に良い影響があるいちじくですが、食べ方には注意が必要です。いちじくの乳白色の液体にはタンパク質分解酵素のフィシンが含まれますが、この物質に反応してかゆみが出ることがあるため、食物アレルギーがある場合は気をつけましょう。
また食べ過ぎると消化不良を起こして下痢や腹痛などの症状が出ることもあるので、生食の場合は一日4〜5個、ドライいちじくの場合は2〜3個までにしておくことをおすすめします。
(*いちじくの食べ過ぎについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
いちじくの漢字は2種類
いちじくの漢字には「無花果」「映日果」の2種類があり、いちじくという呼び方の由来は「一熟」であることを紹介しました。いちじくは不老不死の果物とも呼ばれるほど栄養価が高く、日本でもたくさん栽培されているので、美容と健康のためにぜひ食べてみてください。