お銚子と徳利の違いとは?同じ意味で使うのは誤用って知ってた?
お銚子と徳利の違いを知っていますか?同じ意味で使われるイメージですが、違う物です。今回は、お銚子と徳利の〈歴史・形・量〉など特徴を比較して紹介します。お銚子と徳利が間違って使われるようになった理由も紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
お銚子と徳利って違いあるの?
日本では時代が変わっても長く人々に愛されてきた日本酒ですが、酒の場を演出してくれるのが酒器です。お銚子や徳利も、日本酒を嗜む酒器として知られていますが、違いを知っている方は少ないでしょう。現代では同じ意味で使われることが多いこの2つですが、元々は全く違うもののようです。ここではお銚子と徳利の違いを紹介します。
お銚子とは?
日本酒の入れ物といえば、お銚子を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、徳利とも混同されがちです。まずは、お銚子とは何か、その歴史や形状から紹介します。
お銚子の歴史・由来
お銚子の歴史は古く、平安時代には貴族たちの宴会の場で使われていました。雛人形の三人官女が手にしている酒器がまさしくお銚子であり、結婚式の三三九度などで使用されます。これからも分かるように、お銚子とは元来格式の高い方や神道で使われる酒器だったのです。
現代、お銚子は神前結婚式など特別なシーンで使用されることが多く、普段の生活ではあまり見ることが出来ません。また、現在使用されるお銚子の容量も1.5〜4合(270〜720ml)程まで、用途に合わせて様々です。
お銚子の形など特徴
元来、お銚子の形状は蓋なしのやかんのような形をした提子(ひさげ)と呼ばれる酒を入れる容器に、持ち手として長い柄がついた物のことを指しました。提子には、注ぎ口が1つ、もしくは2つあり、それぞれ「片口」、「両口」と呼びます。また、酒を受ける器はお猪口ではなく、丸皿の盃を用いるのが正式です。
現在でも、高級料理店などでは提子とお猪口で日本酒を提供することもあります。
徳利とは?
徳利もまた、日本酒を嗜む方には馴染みのある言葉ですが、今と昔では使われる用途や容量のサイズも全く違いました。ここでは、徳利についての歴史や形状を紹介します。
徳利の歴史・由来
徳利が誕生したのは室町時代後半といわれ、神棚にお酒を供えるための「瓶子(へいし)」が進化したものと言われています。元々はお酒だけではなく醤油や酢なども入れられ、運搬や貯蔵が目的の容器として使用されており、容量も約1~3升(1800ml~5400ml)も入る大きなものでした。
徳利の語源にはいくつかの説がありますが、お酒を注ぐ時の擬音語「トクリトクリ」が訛った言葉とする説や、ハングル語で酒壺を意味する「トックール」から来ているとする説があります。
徳利の形など特徴
徳利はガラスや陶器でできた首の部分がくびれた容器を指す言葉で、その中に約1合分(180ml)の量の日本酒を入れるのが一般的です。この注ぎ口のくびれが酒の香りや温度を逃しにくくするため、熱燗用の酒器に最適です。
お銚子と徳利が間違われる理由とは?
どうして徳利がお銚子と間違えられるようになったのでしょう。これには江戸時代に流行ったあるブームが関係していました。ここでは、お銚子と徳利が間違われるようになった理由を紹介します。