着色料「アナトー色素」とは?毒性・危険性はない?妊婦は避けた方がいいの?

【管理栄養士監修】アナトー色素とは何か知っていますか?ベニノキを原料とした天然の着色料です。今回は、アナトー色素の特徴や使用基準について、チーズなど使用されている商品例とともに紹介します。アナトー色素に毒性・危険性はないのかも紹介するので参考にしてみてくださいね。

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専門家監修 |管理栄養士・栄養士 川目ゆか
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管理栄養士/鉄ミネラルアドバイザー/DNAダイエットプランナー/腸内ケアフードアドバイザー。 介護老人保健施設・特定保健指導に従事してきました。一人一人に寄り添う健康法で遺伝子検査を用いたアドバイス・栄養講座を開講しています。また栄養と環境に興味をもち、管理栄養士の私にできることは沢山あるのかもしれないと思い、鉄ミネラルおはなし会・酵素料理教室を開講しています。たくさんの人の心と身体を大切にするお手伝いがしたいと思っています。宜しくお願い致します。

目次

  1. アナトー色素とは?
  2. アナトー色素はベニノキの種子が原料の天然着色料
  3. アナトー色素の食品表示について
  4. アナトー色素の使用基準
  5. 厚生労働省によって使用基準が定められている
  6. チーズなどアナトー色素が使用されている商品の例
  7. アナトー色素の危険性は?毒性はない?
  8. アナトー色素に水銀が含まれている事件が過去にあった
  9. アナトー色素自体は健康に害を及ぼさないとされている
  10. アナトー色素について知っておこう

アナトー色素とは?

食品に添加される着色料の中に、アナトー色素があります。あまり聞きなれない名前ですがどのようなものでしょうか。ここではアナトー色素について、詳しく見ていきます。まずはアナトー色素が何から採れるものかなど、基本的な事柄について紹介します。

アナトー色素はベニノキの種子が原料の天然着色料

アナトー色素は食品添加物として食品に表示されている天然着色料のことで、常緑低木であるベニノキの種子から採集されます。主に黄色やオレンジ色の着色料として使用され、たんぱく質に結合すると赤く変わるのが特徴で、さまざまな食品に幅広く使用されています。

ベニノキは南米やアフリカで採集され、化粧やボディペインティングなどに古くから使用されてきました。また、フィリピンでは高価なサフランの代わりとして着色料や香辛料として使われることもあり、世界中で広く活用されています。

川目ゆか

管理栄養士

主成分はカロテノイドでビキシンまたはノルビキシンです。熱に対する安定性が高く加熱により黄みが強い色調に変化します。

アナトー色素の食品表示について

アナトー色素の食品表示はアナトー色素と表示されることはあまりなく、アナトー、カロチノイド、カロテノイドなどの表示をされることが多いようです。アナトー色素は水に溶けにくく脂に溶けやすいという性質を持っています。

ヘキサンやプロピレングリコールを使用して抽出し、高温のアルカリ性水溶液で加水分解して中和させて作られますが、これらはすべてアナトー色素として扱われます。

アナトー色素の使用基準

ベニノキから採れる天然着色料であるアナトー色素ですが、普段食べている食品にはアナトー色素の味などは感じられません。アナトー色素の使用基準は、日本ではどうなっているでしょうか。

厚生労働省によって使用基準が定められている

日本でアナトー色素を用いて食品を作るときは、厚生労働省の定める食品添加物の使用基準を守って作らなくてはいけません。天然着色料ではあっても、化学着色料を除いた他の着色料と同じ扱いとなり、お茶、海藻、肉、魚、豆類、野菜には使用してはいけないことになっています。

なぜこれらの食品に使用制限があるかというと、新鮮さを見分ける必要があり着色料を使うことで鮮度を消費者が見分けられないことから使用制限がかけられているのです。ただし、それ以外の食品については最大限度や使用基準は特になく、各企業が必要とする必要最低量を使用して良いことになっています。

チーズなどアナトー色素が使用されている商品の例

アナトー色素は肉や魚などの生鮮食品には使用制限が設けられていますが、加工したものであれば特に制限はなく、さまざまな食品に使用されています。いくつかアナトー色素が使用されている食品を挙げてみます。

・ハムやソーセージなどの食肉加工品
・マーガリン
・チーズ
・煮だこ
・エビ
・煎餅などの焼き菓子
・アイス
・焼肉のタレ
・パン粉
・キムチ


アナトー色素はタンパク質と結合すると赤く変化するため、エビを使用した煎餅などに多く使われています。特に使用制限にあたらない食品は、アナトー色素のような食品添加物を多く入れられることになるので、味や価格を変えずに色をつけられ企業としてはコストダウンを狙えます。

また、アナトー色素を加えることで発色が鮮やかになり見栄えが良くなるため、売り上げの向上には使いやすい食品添加物でしょう。例えば抹茶アイスなどは専門店で抹茶をふんだんに使用したアイスは高額です。しかしスーパーで販売されている抹茶アイスは、アナトー色素を初めさまざまな食品添加物を加えているため美味しそうに見え、安く購入できます。

しかし、アイスに食品添加物や着色料を加えるのには突然変異原性の危険性があるため多くの疑問が挙がっており、健康への影響が懸念されています。

アナトー色素の危険性は?毒性はない?

アナトー色素には国が決める使用基準があるものの、使用制限のないものは最大料の制限がありません。天然着色料とはいえ、毒性はないのでしょうか。アナトー色素の毒性や健康への影響について詳しく見てみましょう。

アナトー色素に水銀が含まれている事件が過去にあった

アナトー色素を始め、食品添加物に関しては安全面で昔からさまざまな心配や議論がなされてきました。2009年にはアナトー色素に水銀が含まれているという報道がなされ、大きく注目されています。原因は南米などのベニノキが栽培されている地域が経済の開発によって汚染され、ベニノキも水銀によって汚染されたことでした。

実際に東京の研究所が検査を行ったところ、1製品から水銀が0.04ug/g検出され、その後からは安全性を確認しながら使用しているのが現状です。水銀は脂溶性で毒性があり、神経細胞に障害を及ぼします。特に妊婦の体に入ると胎児に影響を及ぼすので、心配ならアナトー色素以外にも食品添加物を含んでいない食品を食べた方が無難でしょう。

このことから、アナトー色素に限らず、天然着色料は自然の物だから安心ということはないといえます。(※1)

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