食品添加物「酸味料」とは?危険性のある種類を一覧で紹介!
【管理栄養士監修】酸味料とはどんな食品添加物か知っていますか?今回は、酸味料の使用目的・用途例にくわえ、危険性が疑われる理由「一括表示」についても紹介します。酸味料で安全・避けた方がいい種類についても紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
酸味料の中でも代表的なものとして知られているのが、クエン酸です。柑橘類であるレモンやみかん、キウイフルーツ、ライムなどに含まれていることで知られますが、食品添加物として使用されているものは人工的に製造されたものです。
クエン酸に分類されるものにクエン酸カリウムやクエン酸ナトリウムがあり、いずれも食品の味を調えるほか、ph調整剤として使われています。クエン酸が使われている食品として、清涼飲料水やジャム、果物の缶詰、キャンディーなどがあげられます。
②乳酸
乳酸は、ヨーグルトやチーズなどの発酵させた乳製品に含まれているほか、体内で糖を代謝する時に生成される物質でもあります。乳酸のうち、酸味料として使われるものはアルデヒド類から人工的につくられたものです。乳酸は酸味の中にもわずかな渋みを感じ、やわらかなコクがある特徴を持ち、清涼飲料水だけでなくアイスクリームや漬物に用いられています。
③酒石酸
酒石酸とは、ワインの製造過程で副産物として得られる有機化合物のことです。酒石酸はカリウムやナトリウムと結合することで、酒石酸水素カリウムや酒石酸ナトリウムに変化します。酒石酸の酸味の中には渋みもあり、すっきりした味わいです。
食品にはクエン酸やリンゴ酸と共に使用されることが多く、清涼飲料水やゼリー、キャンディーに用いられています。
酸味料の避けた方が良い種類とは?
23種類ある酸味料の中には、人体や健康に対する危険性が懸念されることから避けた方がよい種類もあります。ここでは避けた方がよい酸味料の種類について、具体的に説明します。
①リン酸
リン酸は、ミネラル成分であるリンから抽出された酸味料であり、酸っぱさの中に渋みが感じられる味わいです。酸味料としてだけでなく、食品の保存性を高めるph調整剤として、加工食品に多用されています。しかしリンを過剰摂取すると、カルシウムの吸収を阻害することで知られています。
またリン酸は様々な加工食品に使用されていることから、過剰摂取になりやすいため注意が必要です。(※2)
②アジピン酸
アジピン酸は砂糖の原料でもあるてんさい糖に含まれている成分ですが、酸味料として用いられているものは化学合成されています。酸味料の中ではさわやかな味わいで、ph調整剤として用いられる機会が多く、水に溶けにくいので食品に使われる量は制限されています。しかし、人工的に製造されているので、健康への安全性が確立していると断言はできません。
③グルコン酸
グルコン酸は果物やワインにも含まれている成分ですが、これも化学合成されたものが酸味料として使用されています。酸味の中にもまろやかさが感じられる味わいで、食品の変質を防ぐ働きも担います。しかし、グルコン酸を与えたハムスターやラットに急性毒性が見られたとの報告があり、健康被害が懸念されているようです。
④コハク酸
コハク酸とはあさりなどに含まれていることで知られる旨味成分ですが、酸味料として用いられているものは、食品添加物であるマレイン酸と合成してつくられたものです。その味の特性から味噌や醤油、合成酒に使用され、その味を引き立てています。
コハク酸は他の酸味料と比べると独特の味がするため、大量に添加されるケースは少ないです。しかし化学合成されていることから、人体に安全とは言いきれません。
⑤酢酸
酢の食品表示でよく見かけるのが酢酸で、強い刺激臭と酸味を併せ持っています。醸造酢にも多くの酢酸が含まれているのですが、酢はその発酵段階で他の成分を取り除くことができないことから、酸味料として用いられる酢酸は化学合成されたものが一般的です。
また、化学合成された酢酸を水酸化ナトリウムで中和し、酢酸ナトリウムとして使用されることも珍しくありません。これは酢酸ナトリウムの方が、酸味がまろやかになるからです。毒性検査はクリアしているものの、化学合成している点に不安が残ると言われています。
⑥リンゴ酸
リンゴ酸はその名の通り、リンゴをはじめとする果物に含まれる成分で、正式名称をL-リンゴ酸といいます。しかし日本では、L-リンゴ酸を食品添加物として使用することを認めていません。酸味料として使われているリンゴ酸は、マレイン酸を化学合成したもので、DL-リンゴ酸と呼ばれるものです。
DL-リンゴ酸は、リンゴの加工食品の他、清涼飲料水やアイスクリームの酸味づけに使用されていますが、その安全性が担保されているわけではありません。