乳糖とは?アレルギー「乳糖不耐症」の症状や対処法は?含まれる食品も一覧で紹介!
【管理栄養士監修】乳糖とは何か知っていますか?今回は、乳糖の成分・効果や、アレルギーと言われる「乳糖不耐症」の症状やその対処法についても詳しく解説します。乳糖が含まれる食品一覧も紹介するので、気になる方は食品選びの参考にしてみてくださいね。
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乳糖(ラクトース)とは?
別名ラクトースとも言われる乳糖は、その名前から糖分であることは予測できますが、一体どのような成分なのでしょうか。ここでは乳糖がどのような食材に含まれる物質なのかや、その詳しい成分や効果・味など解説します。
乳糖は牛乳など乳製品に含まれる糖質
乳糖は牛乳や母乳など、哺乳類の乳に含まれる糖質で、牛乳に含まれている糖質の99%はこの乳糖と呼ばれる糖質でできています。別名ラクトースと呼ばれており、ブドウ糖、果糖、でんぷんなどエネルギー源になる糖質の成分の一種です。
糖質であることから甘いイメージがあるかもしれませんが、砂糖のように甘いわけではなく、乳糖の甘みは砂糖と比べると5分の1程度に感じられます。(※1)
乳糖の成分と効果
乳糖はグルコースとガラクトースが結合した二糖類と呼ばれる糖質です。小腸でラクターゼと呼ばれる消化酵素により分解・吸収されエネルギー源として利用されたり、分解されずに腸内細菌の餌となったります。また、腸内細菌の働きにより乳糖から酢酸や乳酸が作られ腸内が適度な酸性の環境になることで、有害な細菌の繁殖が抑えられお腹の調子が整います。
なお、よく牛乳はカルシウムの吸収が良いと言われるのは、乳糖にカルシウムやマグネシウム、鉄の吸収を高める働きがあるからです。
笹野美緒
管理栄養士
牛乳コップ1杯に約200mgのカルシウムが含まれていることに加え、乳糖やたんぱく質の働きにより牛乳のカルシウム吸収率は約40%といわれています。野菜類のカルシウム吸収率は約20%、小魚類で約30%ですので、牛乳はカルシウムの効率良い補給に適しています。
乳糖によるアレルギー症状とは?
牛乳を飲むとお腹が痛くなる、緩くなってしまうという方もいるのではないでしょうか。乳アレルギーの場合と症状が似ていますが、アレルギーではなく乳糖により引き起こされる場合もあります。ここでは、乳糖不耐症と呼ばれる症状について解説します。
乳糖不耐症について
乳糖不耐症は、乳糖を分解する消化酵素であるラクターゼの分泌不足や働きが弱い場合、小腸で分解されなかった乳糖が大腸まで達して腸を刺激することで起こります。乳アレルギーの症状である腹痛・下痢などと共通点があり勘違いされることもあります。
ただし、乳糖不耐症は免疫系の問題ではなく酵素の量や働き問題であるため、厳密にはアレルギーではありません。また、乳製品の中でも乳糖があらかじめ分解されている場合は症状が見られないといった、乳アレルギーとの違いもあります。(※2)
乳糖不耐症の症状と対処法
乳糖不耐症の主な症状としては、消化不良や腹痛、下痢などの症状がでますが、個人差があるので少量では症状が出ない場合もあります。また、大人になるにつれてラクターゼの分泌が減少することが多いため、子どもの時は平気でも大人になってから症状が出る場合があるのも特徴の1つです。
対処法としては、ゆっくり少しずつ飲む・温めて飲む・他の食品と一緒に取る・乳糖が分解してある飲料を飲むといった方法があります。一度にたくさん飲むと下痢などの症状が出やすく、少しなら平気な場合はラクターゼの分泌が間に合っていない可能性が高いため、少しずつ飲むと症状が出にくいでしょう。
また、温かい牛乳であれば症状が出にくい人もいます。これは、体温に近い方がラクターゼの働きが活発になることや、胃腸への刺激が少ないためと考えられています。
笹野美緒
管理栄養士
カルシウムの補給に牛乳を利用したい場合は、飲用だけでなく料理やお菓子作りの材料としての活用もおすすめです。牛乳以外のカルシウムの多い食品と組み合わせて摂ることで、牛乳中のたんぱく質が他の食品に含まれるカルシウムの吸収を高めるといわれています。
乳アレルギーの人は乳糖の摂取も避けるべき?
乳アレルギーは、主に牛乳に含まれるたんぱく質が引き金になることが多いアレルギーです。乳糖は牛乳などに含まれる糖質ですが、乳糖にも乳由来のたんぱく質が微量に含まれるため、乳アレルギーの人は避けるようにしましょう。