「足がはやい」が「腐りやすい」を意味する理由・語源は?食べ物の例も紹介!
「足がはやい」になぜ「腐りやすい」という意味があるか知っていますか?今回は、慣用句「足がはやい」の食べ物に使う場合の意味・語源とそれ以外での意味を紹介します。〈魚・野菜〉で足がはやい食材の例も紹介するので参考にしてみてくださいね。
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食べ物の「足がはやい」とは?方言?
普段の会話の中で「これは足がはやいから早めに食べた方が良い」といった表現を耳にすることがあります。なぜ足がないはずの食べ物に対して「足がはやい」という表現を使うのでしょうか。ここではまず「足がはやい」の意味について紹介します。
食べ物の「足がはやい」は「腐りやすい」という意味の慣用句
食べ物の「足がはやい」は「腐りやすい」という意味の慣用句で、以下のような使い方をします。
・イワシは足がはやい魚だ
・このお土産は足がはやいので、今晩中に食べないといけない
「足がはやい」という言葉は、食べ物の鮮度が落ちやすく早めに食べた方が良いことを意味します。比較的日持ちしない食べ物に対して、消費期限の短さを表す言葉と考えておくと分かりやすいでしょう。
「足がはやい」の「腐る」以外の意味2つ
「足がはやい」には「腐る」以外の意味も2つあります。
意味1:走るスピードが速い
例文:彼は本当に足が早い
意味2:商品の売れ行きが早いこと
例文:今度の新商品は足が早い
食べ物を表す慣用句でない場合は、実際に体のパーツである足の能力を表す場合や、商品の売れ行きを表す慣用句として使われます。商品の売れ行きを表す「足が早い」は、商品にも足があるわけではないので、食べ物を表す慣用句と似たようなニュアンスを持っていると言えるでしょう。
「足がはやい」の語源とは?なぜ「足」?
食べ物には通常足が生えていませんが、なぜ「足がはやい」という慣用句を使うようになったのでしょうか。食品に対して「足がはやい」という慣用句を用いるようになった由来について、いくつかの説を紹介します。
①漁師の用語説
昔から漁師たちの間では足が強い船また足が弱い船など、船の能力を足に例えて表現することがあるそうです。漁師の仕事は船をつかって魚をとることですが、漁師たちが魚の鮮度に関しても「足」に例えた表現をしたことが、「足がはやい」という表現が使われるようになった由来とされています。
②飛脚説
飛脚とは中世の日本で手紙や荷物を運ぶ仕事をしていた人で、現代の宅配便に当たる仕事といえます。飛脚は走りのプロなので俊足であったと考えられますが、それでも長い距離を移動すると食品の鮮度が落ちてしまうことも度々ありました。
足がはやい飛脚よりもさらにはやい速度で食べ物が鮮度を落としてしまうその様子から、食べ物に対して「足がはやい」と表現されるようになったとする説もあります。
ちなみに「足がはやい」食材とは?
「足がはやい」の意味についてここまで説明してきましたが、実際にはどのような食べ物が「足がはやい」食べ物に当たるのでしょうか。ここでは足がはやい代表的な食べ物を紹介します。
①青魚
青魚は足がはやい食べ物として良く知られており、次のような種類が青魚に当たります。
・サバ
・イワシ
・アジ
豚肉や牛肉などの肉類に比べて魚は早い速度で鮮度を落としていきます。その理由の一つとしてあげられるのが、自己消化酵素の働きが大きいことです。特にサバやイワシのような青魚はこの作用が他の魚よりも強力で、通常の魚よりもさらに早い速度で鮮度を失っていきます。