果物「ムベ」とは?アケビと違いは?味わいや実・皮の食べ方をレシピとともに紹介!
【三常農園監修】ムベ(郁子)という果物を知っていますか?昔、不老長寿の果物とされていた過去があります。今回は、ムベの〈味わい・栄養価・効能〉など特徴を、アケビとの違いとともに紹介します。ムベの実・皮の食べ方や人気レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
アケビの葉は木の成長とともに葉が増えてゆく掌状複葉で、葉は5枚までしかつかず秋から冬になると葉が落ちる性質があります。ムベもアケビと同じ掌状複葉ですが、アケビとは違って葉が7枚までに増えるのが特徴で、幹や枝に年中葉がつく常緑性のため一年中緑の葉を見ることができます。
また、アケビは白や紫色をしたドーム状の花をつけますが、ムベの花は白と淡黄色をしており下向きに咲くのが特徴です。
朝日晃
三常農園
ムベの葉は、3枚→5枚→7枚と成長に伴い葉が増えていくため、七五三の縁起木として知られています。栄養豊富で縁起物なので、天智天皇の頃から皇室に献上されていた事実も納得ですね。
ムベの栄養価と効果・効能は?
自然の甘みが楽しめるムベは栄養価が高い果実で、果肉をはじめ木や葉には以下のような栄養素が含まれています。
・βシトステロール
・アミリン
・スタントニン
・ムベニン
ムベの果実に豊富に含まれるβシトステロールとアミリンは、血中コレステロールを下げたり食べ過ぎを予防したりする効果があります。また、ムベの葉や木には配糖体の一種であるスタントニンやムベニンが含まれています。
昔からムベは、民間療法として葉や蔓を煎じて服用されてきました。ムベには強心作用や利尿作用のほか、腎臓炎や膀胱炎、浮腫などにも効果があると言われています。ムベには毒性はなく薬として服用した場合の副作用もありません。しかし、体に良い効果があるムベも食べ過ぎると消化不良を起こす恐れがあるため、注意が必要です。
ムベの食べ方は?皮はどうする?
ムベの果実は熟してもアケビのように果肉が出ないため、食べ方が分からない人も多いようです。ここでは、ムベの旬や食べ方のほか皮はどうしたらよいのかも紹介するので、ムベを食べる際の参考にしてください。
ムベの食べ頃は10〜12月頃
ムベの食べ頃は地域によっても多少異なりますが、一般的には10月~12月頃と言われています。ムベの果実は未熟な状態のものは緑色をしていますが、熟すると実の色が赤色や紫色に変化します。食べ頃になると楕円形で7~9cmほどの大きさになるため、ムベの実の大きさや色から食べ頃を判断するとよいでしょう。
ムベの実の食べ方
熟したムベの実を食べる際は、果皮に入った裂け目の筋から手で裂き、中身の果肉を取り出します。ムベの果肉には、透明感のある果汁と黒色の種が詰まっています。果肉から種を取り出すのは難しいため、種ごと口に含んで種だけを口から出す食べ方がおすすめです。また、ムベの果肉を覆っている皮は生で食べることはできないので、注意が必要です。
ムベは皮も調理して食べられる
ムベの皮は、加熱調理をすれば皮ごと食べることができます。ムベの皮はアケビの皮のような苦味がないため、子供も食べやすいでしょう。皮の内側の白い部分に火を通すと、梨のような歯ごたえのある食感が楽しめます。アケビは灰汁が強いため切った後はすぐに変色しますが、ムベの皮は灰汁が少なく切っても変色しにくいため、調理しても彩よく仕上がります。
朝日晃
三常農園
梨の中心部分のような歯ごたえが苦手な方は、果肉と皮の境目のざらざらした部分を少しはぎ取ってから調理することをおすすめします。果皮の表面部分は茄子のようにふっくらと柔らかい食感です。
ムベの美味しい食べ方・レシピのおすすめ
ムベは、実だけでなく皮や茎も全て美味しく食べることができる果実です。しかし、ムベの美味しい食べ方を知らない人もいるでしょう。ここでは、ムベの美味しい食べ方やレシピを紹介します。