柿は青いうちに収穫しても良い?正しい収穫時期・追熟方法も紹介!

【サカヤ農園監修】柿は青いうちに収穫しても大丈夫か知っていますか?今回は、柿は青いうちに収穫しても大丈夫かや、柿の美味しい収穫時期・特徴を紹介します。簡単にできる収穫した柿の追熟方法や、保存方法・期間も紹介するので参考にしてみてくださいね。

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専門家監修 |その他の専門家 狩野尚希
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サカヤ農園園主。100年の歴史を持つ幻のブランド柿「天野柿」のほか、イチジク、カンキツ類およびトウモロコシを栽培している。...
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サカヤ農園園主。100年の歴史を持つ幻のブランド柿「天野柿」のほか、イチジク、カンキツ類およびトウモロコシを栽培している。柿のネット通販では毎年予約開始から半日で主力商品が完売する。記事を通じて皆様に柿の魅力をお伝えしたい。

目次

  1. 柿は青いうちに収穫しても大丈夫?
  2. 柿は青いうちに収穫できるがおすすめしない
  3. 柿の収穫時期の目安は?特徴は?
  4. 柿の収穫時期の目安は9~12月
  5. 柿の収穫時期の特徴は種類によって異なる
  6. 収穫して美味しい柿の特徴を種類別に比較!
  7. ①果皮の張りと色
  8. ②重量感
  9. ③ヘタの状態
  10. ④断面
  11. 収穫した柿をより美味しくする追熟方法は?
  12. ①りんごと一緒に袋に入れる
  13. ②新聞紙に包む
  14. ③米ぬかを使用する
  15. ④常温で放置する
  16. 収穫した柿の保存方法・期間は?
  17. ①常温での保存方法・期間
  18. ②冷蔵での保存方法・期間
  19. ③冷凍での保存方法・期間
  20. 柿は青いうちに収穫しても大丈夫か知ろう

柿は青いうちに収穫しても大丈夫?

柿の栽培において、果実を青いうちに収穫することは可能ですが、実際にはどのような影響があるのでしょうか。ここでは、柿を青いうちに収穫することをおすすめしない理由について紹介します。

柿は青いうちに収穫できるがおすすめしない

柿を青いうちに収穫することはできますが、早めに収穫した果実は熟成が不十分で味が劣る可能性があります。最適な収穫時期は、品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には果実が完熟になり色づき始めた時が適切です。ヘタの状態や果実の硬さも、柿の収穫のタイミングを判断する重要な指標となります。

柿の収穫時期の目安は?特徴は?

柿の収穫を決定する際には、ただ時期を見るだけでなく、果実の色、ヘタの状態、果実の硬さといった複数のポイントを考慮する必要があります。ここでは、柿の栽培における収穫目安や収穫時期が来た柿の特徴について紹介します。

柿の収穫時期の目安は9~12月

用途 収穫時期の目安
加工用 9月~10月
生食用 10月~12月

加工用の柿は、一般的に早い時期に青いままの状態で収穫され、干し柿などの加工品に利用されます。一方、生食用の柿の栽培は色づきが始まり、糖度が高まる10月から12月ごろに収穫時期を迎えるのが特徴です。見た目の色や果実の張りなどの完熟のサインを見極めることで、より美味しい柿を楽しむことができます。

柿の収穫時期の特徴は種類によって異なる

柿の品種によって、収穫時期の特徴は大きく異なります。加工用に適した柿は青いうちに収穫されることが多く、生食用の品種の柿は熟成を待ってから収穫されます。柿の用途に応じた最適な収穫時期を選定し、柿本来の味わいを引き出しましょう。

(*柿の品種について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでください。)

柿の種類や人気品種の一覧!旬・味・形など特徴や甘柿と渋柿の見分け方についても紹介!

狩野尚希

サカヤ農園

甘柿は熟すと自然に渋みが抜け、そのまま食べることができる柿のことです。じつは甘柿でも未熟なうちは渋みがあります。そのため、甘柿を食べる場合は基本的に熟したものを選んでください。

収穫して美味しい柿の特徴を種類別に比較!

柿の収穫時期やそれに伴う特徴について知ることは、品質の高い果実を栽培するために不可欠です。ここでは、完全甘柿、不完全甘柿、渋柿といった柿の品種別に収穫に適した完熟のサインについて詳しく紹介します。

①果皮の張りと色

各品種ごとの収穫に適した果皮の張りと色は、以下の通りです。

【完全甘柿】
・果皮は滑らかで光沢があり、鮮やかなオレンジ色になる
・完熟すると果皮の張りが柔らかくなる
・成熟に伴い色の深みが増す
【不完全甘柿】
・果皮にはやや張りがあり、完全甘柿ほどの滑らかさはない
・色はオレンジがかった黄色で、完全甘柿に比べると色合いが薄い
・成熟しても硬さが残ることが特徴
【渋柿】
・果皮は非常に張りがあり、厚みが感じられる
・色は深い赤や茶色がかったオレンジで、他の柿と区別しやすい
・成熟しても果皮の硬さはあまり変わらず、渋みが特徴的


果皮の色や張りは、柿の種類と成熟度を示す重要な指標です。どの品種でも、果皮に張りがでてきて、オレンジ色が濃くなると収穫に適していることを示します。成熟が進むと完全甘柿は果皮が柔らかくなりますが、不完全甘柿と渋柿は硬さが残るのが特徴です。

②重量感

収穫時期に見られる各品種ごとの柿の重量感は、以下のようになっています。

【完全甘柿】
・成熟すると果実は重く、ジューシーな果肉が特徴
・糖度が高まると、果実の全体的な重量感が増す
・果実の大きさにもよるが、手に取ったときにずっしりとした重さを感じる
【不完全甘柿】
・果実は完全甘柿に比べてやや軽め
・熟しても完全甘柿ほどの重さは感じられないことが多い
・種の有無によっても重量感に違いが出ることがある
【渋柿】
・果実の重量感はある
・果皮の厚みと果肉の密度が高い
・重さと共に張りが感じられる


完全甘柿は熟成の進行と共に柔らかさを増しますが、これは単に触感だけでなく、果実の内部糖度の増加とも関連しています。不完全甘柿では、熟してもある程度の硬さが保持されるため、食感に独特の違いをもたらします。渋柿の果皮の硬さと厚みは、果実が長期保存に適していることを示しており、特に干し柿などの加工品を製造する際に重要です。

③ヘタの状態

柿の収穫時期のヘタの特徴は、以下の通りです。

【完全甘柿】
・ヘタ周辺がしっとりとしており、少し緩んでいる
・成熟するとヘタの色が深くなり、乾燥してくる
・完熟してくると、ヘタが簡単に取れることがある
【不完全甘柿】
・ヘタの周辺は比較的乾燥しており、固いままの状態
・成熟してもヘタの色の変化は少ない
・ヘタがしっかりと果実に付いており、取れにくい
【渋柿】
・ヘタは非常に硬く、乾燥している
・ヘタの基部には渋み成分が残っていることが多い


ヘタの状態は、柿の成熟度を判断する上で重要な手がかりになります。完全甘柿はヘタ周辺の変化が顕著で、緩んだり色が変わったりすることが一般的です。不完全甘柿と渋柿は、収穫時のヘタの特徴が似ており、乾燥していて硬くなります。収穫時にはこれらの特徴を確認することで、最適なタイミングを見極めることができます。

④断面

完熟した柿には、以下の特徴的な断面が見られます。

【完全甘柿】
・断面はジューシーで、果肉は柔らかく滑らか
・糖度が高いため、切断面からは甘い香りが漂う
・種が少ない品種では、断面がクリアで綺麗なことが多い
【不完全甘柿】
・断面はやや密で、果肉はしっかりしている
・糖度は高いが、完全甘柿に比べると甘さは控えめ
・種の有無によって断面の見た目が異なることがある
【渋柿】
・断面は密で、果肉は固め
・渋み成分が含まれている
・干し柿などの加工用に適しており、断面からは独特の香りがする


柿の断面は、その種類や成熟度、そして味わいを理解する上で大切なポイントです。完全甘柿は滑らかでみずみずしい断面が特徴で、不完全甘柿は少し固めの果肉が見られます。渋柿は断面が密で硬く、渋み成分を含んでいるため、生食よりも加工用に適しています。

収穫した柿をより美味しくする追熟方法は?

柿を収穫した後、さらに美味しくするための追熟方法には、さまざまな方法があります。適切な追熟プロセスを行うことで、柿の甘みを増し、食感を改善することが可能です。ここでは、効果的な追熟方法をいくつか紹介し、それぞれのポイントやコツについて詳しく紹介します。

①りんごと一緒に袋に入れる

りんごを使った追熟方法は、以下の通りです。

①柿とりんご数個をビニール袋に入れる
②袋の口をしっかりと閉じてエチレンガスを閉じ込める
③常温で数日間放置する


この方法のコツは、エチレンガスを利用して柿を追熟させることです。りんごは自然にエチレンガスを放出し、このガスが柿の追熟を促進します。袋を密閉することでガスが逃げず、効率的に追熟できます。追熟の進行具合は定期的にチェックし、柿が柔らかくなりすぎないよう注意しましょう。

②新聞紙に包む

新聞紙を使った追熟方法は、以下の手順で行ってください。

①柿を1個ずつ新聞紙で包む
②包んだ柿を段ボール箱やカゴに入れる
③常温で保管し、数日間で追熟を待つ


新聞紙に包む方法は、柿が放出するエチレンガスを利用してゆっくりと追熟させます。新聞紙がガスを適度に保持しつつ、過度の乾燥を防ぎます。追熟中は定期的に柿の硬さや香りを確認し、適切な追熟度を見極めましょう。

③米ぬかを使用する

米ぬかを柿の追熟に使用する場合、以下のように行いましょう。

①柿を米ぬかの中に埋める
②柿が完全に米ぬかに覆われるようにする
③数日間常温で放置し、追熟を待つ


米ぬかの中で、ゆっくりと柿を追熟させる伝統的な方法です。米ぬかは柿から出る水分を吸収し、適度な湿度を保ちながら追熟を促進します。追熟の様子を見ながら、柿が適切な柔らかさになるまで待ってください。

④常温で放置する

常温で放置し、柿を追熟させる方法は以下の通りです。

①柿を通気性の良い場所に置く
②他の果物とは離して配置する
③数日間常温で追熟を待つ


柿を常温で放置することは、最もシンプルな追熟方法です。柿を空気が循環する場所に置くことで、自然な追熟を促します。他の果物と離して置くことで、エチレンガスの影響を受けにくくすることができます。柿の状態を日々チェックし、適切な食べ頃を見極めましょう。

収穫した柿の保存方法・期間は?

柿の収穫から美味しさを引き出すためには、適切な保存方法が重要です。ここでは、栽培した柿の収穫後に最適な保存方法と期間を常温、冷蔵、冷凍と3パターン紹介するので、柿を長く楽しんでください。

①常温での保存方法・期間

収穫した柿を常温で保存する方法は、以下の通りです。

①新聞紙で柿を一つずつ包む
②直射日光を避ける涼しい場所に保管する
③通気性の良いカゴに入れておく


常温保存は、主に未熟な柿や短期間で消費する柿に適しています。新聞紙で包むことで、適度な湿度を保ちつつ、柿が発するエチレンガスで自然に熟成させます。この方法では約1週間程度の保存が可能ですが、環境によって変わるため、定期的に柿の状態を確認しましょう。

②冷蔵での保存方法・期間

栽培した柿を冷蔵で保存する際は、以下の手順で行ってください。

①柿のヘタに湿らせたキッチンペーパーを置く
②柿をラップで個別に包み、密閉性の高い袋に入れる
③冷蔵庫の野菜室で保存する

この方法は、冷蔵保存は熟した柿や柿の食感を長持ちさせたい場合に適しています。湿らせたキッチンペーパーとラップを使用することで、柿の乾燥を防ぎつつ、過度の熟成を抑えることが可能です。冷蔵での保存は約2~3週間が目安ですが、柿の種類や熟度によって異なります。

③冷凍での保存方法・期間

栽培した柿を収穫後、冷凍で保存する場合、以下の手順で行いましょう。

①柿を水で洗い、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取る
②ヘタは取らずに、柿を密閉袋に入れる
③冷凍庫で保存する


冷凍保存は、完熟した柿や長期間保存したい場合に最適です。柿をそのまま冷凍することで、約1~2ヶ月の保存が可能になります。冷凍した柿は、解凍せずに凍ったままスライスしてデザートとして楽しむこともできます。ただし、解凍後は柔らかくなりすぎるため、生食用としては適していません。

(*柿の保存方法について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでください。)

柿の保存方法・期間は?冷蔵・冷凍で日持ちのコツや常温で追熟させるコツも紹介!

柿は青いうちに収穫しても大丈夫か知ろう

今回は、栽培している柿を青いうちに収穫しても問題がないかについて紹介しました。柿を青いうちに収穫することはおすすめできませんが、品種ごとに収穫の時期や目安を知ることが大切です。それぞれの品種に応じた完熟の特徴をよく把握し、美味しい柿を楽しみましょう。

狩野尚希

サカヤ農園

青くても美味しい柿の品種が一つだけあるので、紹介します。太秋(たいしゅう)は渋みが抜けやすく、ヘタの周囲がまだ青い状態でも生食することができます。サクサクとした食感が人気のようです。

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