江戸前寿司の「シンコ(新子)」はどんな魚?旬の時期・味わいや食べ方のおすすめまで紹介!
シンコ(新子)という魚を知っていますか?コハダの稚魚で高級魚として有名です。今回は、シンコの〈旬の時期・産地・味わい〉など特徴や、値段が高い理由についても紹介します。寿司など、シンコの食べ方のおすすめや、捌き方も紹介するので参考にしてみてくださいね。
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シンコ(新子)とは?どんな魚?
シンコという魚の名前を知っていますか?見たことや聞いたことがない、という人も多い魚の一種です。東京の寿司屋に初夏の旬の短い期間だけおいてある珍しいネタなのですが、ではそのシンコとはいったいどのような魚なのかを紹介しましょう。
シンコ(新子)は出世魚「コハダ」の稚魚
シンコは出世魚として知られていて、成長と共に下記のように呼び名が変わっていきます。
・4~6cm シンコ
・7~10cm コハダ
・15cm ナカズミ
・15cm以上 コノシロ
シンコはコハダやコノシロの稚魚として知られ、成長と共に名前が変わる出世魚で生まれてから4ヵ月程のものです。シンコは漢字では新子と表し、新しい子ども新しい小さな魚という意味で様々な魚に用いられています。関東地方ではコハダの稚魚を指しますが、関西地方で新子といえば玉筋魚(いかなご)の幼魚を指すように地域によって異なるのです。
(*出世魚であるコハダの呼び名の変化について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
シンコの産地・旬の時期
ここ数年間は静岡県浜名湖近くの舞阪産の初漁ものが、その年の初ものとして異常な高値のもと競り落とされています。その後に主な産地である、瀬戸内周辺・伊勢湾・有明海・三河湾・駿河湾・東京湾などの出荷が始まるのです。時期により産地が異なり、近年は有明海産の漁獲量が最も多くなっていて、空輸便で出荷されるようになりました。
シンコは7~8月の初夏の時期に旬を迎えますが、この旬の時期でも特に早い時期に食べるほど美味しいとされています。高知県民にとってのシンコというのはめじかのシンコを表し、めじかとは高知でのソウダガツオの呼び方で、生まれて1年未満の幼魚のことをシンコと呼びます。8月~9月下旬の短い期間しか水揚げされない幻のグルメとして愛されている逸品です。
シンコが高級魚の理由
シンコは初夏の旬のうち3週間ほどしか食べることが出来ない貴重なネタで、江戸っ子はシンコを食べないと夏が来ないとまで言うほどです。夏場の限られた時期にしか市場に出回らないので、走りの時期にはとても高い値段で取引がされています。シンコは江戸前の寿司屋にとっては最もこだわりを持って、大切に扱う高級魚なのです。
(*江戸前寿司について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
シンコの味わい・食べ方
旬が短い貴重品かつ高級品であるシンコとはいったいどのような味わいで、どのような食べ方があるのでしょうか?その味わいや食感を紹介します。
シンコの味わい・食感の特徴
シンコは身と皮がとてもやわらかく繊細で噛めば淡雪のように溶けてなくなりそうな食感で、味わいはしっとりした甘味と旨みを兼ね備えています。更にほのかな苦みと爽やかな潮の香りが後に残り最高品として評価をされている魚です。
シンコの食べ方は寿司がおすすめ!
シンコの食べ方としてはそのまま生で刺身でたべても身が柔らかく美味しいのですが、酢締めが最高です。江戸前の寿司屋での最高のネタですが大きさもとても小さく調理も難しいので、職人技が必要なのでどの寿司屋でも味わえるものではありません。塩加減や酢加減も難しい繊細な魚なので、仕事をした寿司江戸前の腕を楽しむ醍醐味があります。