栗は果物、野菜、木の実…のどれ?正しい分類を農林水産省の定義を元に解説!
【野菜ソムリエ監修】栗は<果物・木の実・野菜>のどれに分類されるか知っていますか?そこで今回は、栗の分類を<果物・野菜・木の実>の定義とともに紹介します。ほかにも、普段食べている部分や似ている食材の分類も紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
栗は果物?木の実?野菜?
栗ごはんに栗きんとんなど秋の味覚を代表する栗ですが、栗が果物なのかナッツなのか、または野菜に分類されるのか知らない方も多いでしょう。ここからは、果物・野菜・木の実の定義などを踏まえながら、栗が何に分類されるかを解説します。
そもそも果物・野菜・木の実の違いとは?
栗に限らず、食材の分類は難解な物も多くあります。ここではまず、果物・野菜・木の実のそれぞれの定義を紹介します。これらから、栗が何に分類されるかを予測してみて下さい。
①果物の定義
果物は、元来「木(く)の物」を意味し、果樹に実る食用の果実のことを指していました。農林水産省では果樹を以下のように定義しています。
農林水産省では、園芸作物の生産振興を効果的に推進するため、概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。
従って、一般的にはくだものとは呼ばれていないと思われる栗や梅などを果樹としている一方で、くだものと呼ばれることのあるメロンやイチゴ、スイカ(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。
一般的に果樹と聞くと果物売り場に売っているみかんやりんごなどを思い浮かべるかもしれませんが、栗も収穫までに2年以上を要するため、果樹の定義に当てはまっています。
②野菜の定義
一方で農林水産省は、野菜に関しては以下のように定義しています。
農林水産省によると、苗を植えて1年で収穫する草本植物は「野菜」として取り扱っています。
さらに野菜の定義としては「実の他に葉や根などを食用とする草本植物を食用として食べられること」ともあります。上記の点を踏まえると栗は栽培上の野菜の定義とは異なりますが、さつまいもと同じような使い方をされることから、一般的には野菜に近い扱いをされている食材と言えるかもしれません。
③木の実の定義
木の実と一言で言っても、トマトもリンゴも木に実っている実のため、木の実と言うことができるでしょう。栗も木に実るため、木の実が一番当てはまっているようにも思えるかもしれません。一般的に私たちが木の実としてイメージするアーモンドなどのナッツ類は「種実類」と呼ばれます。なお、文部科学省による種実類の定義は以下の通りです。
5)種実類
種実類の全般に通じる主な事項は、次のとおりである。
1) この食品群に属する食品は、「らっかせい」を除いて、穀類あるいは豆類以外の種子及びその製品で、植物学的には必ずしも近縁ではない。主にナッツ、種あるいは実として市販されている。「らっかせい」は、豆類であるが、脂質含量が高いため、この食品群に分類した。
種実類は「かたい皮や殻に包まれた果実や種子のこと」と定義され、殻や皮を持つ栗もこれに当てはまります。ただし、定義にもある通り果実も種実類の中に含まれているため、どちらであるともいえるでしょう。
(*野菜と果物の違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)