綿実油の特徴とは?成分の健康効果・効能は?危険性についても紹介!
綿実油(めんじつゆ)とはどんな油か知っていますか?サラダ油と違いあるのでしょうか?今回は、綿実油の製造法別の種類や、製品などへの使われ方・用途のほか、成分の健康への効果・効能も紹介します。綿実油を取り入れる上での危険性も紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
綿実油(めんじつゆ)の特徴とは?サラダ油と違いある?

スーパーに行くと店頭に様々な種類の食用油が販売されていますが、綿実油もその一つです。綿実油の読み方はめんじつゆですが、サラダ油とは違うのでしょうか。ここでは綿実油の特徴と、サラダ油との違いについて説明します。
綿実油はサラダ油の種類の1つ
綿実油はサラダ油の一種です。実はサラダ油は原料によって名称が異なり、以下のような種類があります。
・菜種油
・大豆油
・コーン油
・ひまわり油
・綿実油
菜種油や大豆油、コーン油、ひまわり油などは原料を精製した後も独特な風味が残るため、他の油と混ぜたうえでサラダ油として販売することも珍しくありません。しかし綿実油は無味無臭なので、単独でサラダ油として販売されることが多いです。
綿実油も製造法で4種類に分かれる
綿実油は精製方法によって、以下のように4つに分類されます。
・圧搾綿実油
・抽出綿実油
・遺伝子組み換え綿実油
・原油
圧搾綿実油とは前処理をした木綿の種を圧縮し、油を取り出した後で脱臭処理などを行ったものです。抽出綿実油はヘキサンなど油を抽出する働きのある溶剤を使い、木綿の種から油を化学的に精製ものを指します。
遺伝子組み換え綿実油は、遺伝子を組み換えた木綿の種から油を精製しています。原油は木綿の種から取り出された精製していない油のことで、有害物質が含まれていることから食用ではなく工業用に使われるのが一般的です。
綿実油の使われ方
綿実油はサラダ油として使われるだけでなく、マーガリンやショートニングの材料としても活用されています。またツナ缶に使われている油も綿実油です。ほか、日本では主流とはいえませんが、アジアでは流通しているサラダ油の大半が綿実油です。
また、綿実油は食用としてではなく石けんや化粧品に使うことで、滑らかな使い心地を実現しています。さらに除光液の原料としても使われていますが、これは綿実油が他の油と比較すると綿実油は酸化に強いことが理由で、長期保存しやすい性質を利用しているためです。
綿実油の成分と健康効果・効能は?
綿実油の原油には有害物質が含まれていると前述しましたが、健康を損ねる可能性があるのではないかと心配になる人もいそうです。ここでは、綿実油に含まれる成分とその健康効果について詳述します。
①ビタミンE
綿実油には脂溶性ビタミンである、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは強い抗酸化作用をもち、免疫力の向上や体内に侵入した細菌並びにウイルスの撃退などに役立ちます。
また血管の拡張をサポートするうえ、体内の活性酸素によって細胞が受けるダメージを軽減する働きがあるため、アンチエイジング効果があるのです。さらに生活習慣病の予防や、血行促進による冷えや肩こりの改善効果も期待できます。(※1)
②オメガ脂肪酸
綿実油にはオメガ脂肪酸が含まれていますが、これも健康を維持するうえで必要なものです。オメガ脂肪酸は体のすべての細胞膜の生成に関わっていますが、人間が体内で生成することができない成分なので食品から摂取するしかありません。
綿実油に含まれるオメガ脂肪酸はオメガ6脂肪酸に分類されますが、摂取することで白血球を活性化し、体内に侵入したウイルスや細菌と戦う働きを担います。ただし、オメガ6脂肪酸は過剰摂取すると、血栓ができやすくなるので摂取量に注意が必要です。
③リノール酸
綿実油にはオメガ脂肪酸が含まれていることは前述しましたが、その中の一つにリノール酸があります。このリノール酸は、コレステロールや中性脂肪を低下させる働きを持っています。ほかにもリノール酸は、体内でy-リノレン酸とアラキドン酸に変化し、血糖値や血圧を下げる働きやアトピー性皮膚炎のかゆみを抑制する効果も持つ大切な成分です。
綿実油の危険性はある?

オメガ6脂肪酸は健康への悪い影響について取り上げられることが多いので、オメガ6脂肪酸が豊富な綿実油を摂取することに対して不安を覚える人もいそうです。ここでは、綿実油の危険性について説明します。
①リノール酸の過剰摂取
綿実油に含まれるオメガ6脂肪酸の一種であるリノール酸は、適量であれば健康によいですが、過剰摂取することで危険性が高まる側面をもちます。前述した通り、リノール酸にはコレステロールを低下させる働きがありますが、過剰摂取するとHDLコレステロールも減少させてしまうのです。
HDLコレステロールとは体内で増えすぎたコレステロールを回収したり、血管壁に蓄積されたコレステロールを取り除いたりしてから、肝臓に戻す働きを担っています。体内にHDLコレステロールが増えすぎることで、体内で炎症やがんを発症させる原因になる可能性が高まります。
②トランス脂肪酸の過剰摂取
綿実油は製品化の過程で加熱して脱臭していますが、その際に含まれているリノール酸がトランス脂肪酸に変化します。トランス脂肪酸は自然界に存在しない成分なので、摂取しても体内で代謝しにくいです。そのため血管内に付着する、あるいは内臓脂肪として蓄積されることが多いのです。
また、トランス脂肪酸を過剰摂取することで全身の細胞の細胞膜の働きが悪くなり、糖尿病や認知症、がん、血栓、動脈硬化などを引き起こすリスクが高まります。また、統合失調症やうつ病に代表される精神疾患を引き起こす原因となる可能性があります。
③ゴシポールによる健康への害はない
未精製の綿実油には、ゴシポールと呼ばれる色素が含まれています。ゴシポールには抗菌と殺虫の作用があり、人間に対しても毒性があります。またゴシポールは環境ホルモンでもあり、摂取を続けると精巣毒になる可能性が高まり、蓄積されることで男性不妊の原因になりかねないのです。
ただし、食用の綿実油は精製されているの、ゴシポールによる健康被害を心配する必要はありません。
(*サラダ油は体に悪いかについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
綿実油は取り過ぎに注意!
今回は、綿実油の製造法別の種類や製品などへの使われ方並びに用途のほか、成分の健康への効果と効能も紹介しました。綿実油は無味無臭なので調理に便利ですが、摂り過ぎると健康への影響が懸念されることに注意が必要です。綿実油を普段の料理に使う場合などには、適量を使うよう心掛けましょう。