端午の節句の食べ物は？柏餅・ちまきなど代表例を意味・由来とともに紹介！

長崎県や佐賀県には男の子の初節句のお祝い返しに、練り切りを使って作る鯉生菓子を贈るという風習があります。鱗など細部までこだわって作られた鯉生菓子は本物そっくりの見た目で、初めて見る人は驚くでしょう。鯉は出世のシンボルとされていて、鯉のぼりと同様子どもの健やかな成長への願いが込められています。

端午の節句に食べられる物の一つに、宮崎県の佐土原町に伝わる鯨ようかんがあります。米粉で作った餅を餡で挟んだ優しい甘さの蒸し菓子で、日持ちがせず地元でしか手に入らないという貴重なお菓子です。鯨のように大きく力強い男の子に育ってほしいという母の思いが込められた、端午の節句のお祝いにぴったりの一品です。

鹿児島県では端午の節句にあくまきやかからん団子、さねん団子といったお菓子を食べる風習があります。あくまきは灰汁に浸したもち米を笹の葉で巻き、灰汁で数時間煮込んで作られる古くからの保存食です。灰汁で煮込むことでもち米は独特のべっ甲色へと変化し、独特の香りと食感になります。きなこや砂糖などをかけて食べるのが一般的です。

かからん団子はよもぎ等を混ぜた団子をサルトリイバラの葉で包み蒸したものです。サルトリイバラを鹿児島の方言でかからんと呼ぶことから、かからん団子と名前が付きました。さねん団子は月桃の葉で包んだ餅菓子で、月桃のことをさねんと呼ぶためさねん団子と呼ばれるようになりました。鹿児島には似たような餅菓子が多くあり、包む葉っぱで名前が変わります。

沖縄では端午の節句に子どもの無病息災を願い、ちんびんやぽーぽーという食べ物が食べられています。ちんびんは黒糖入りの甘い生地をクレープのように薄く焼き、クルクルと巻いて作る素朴なお菓子です。古くからある沖縄の郷土料理で、作る人によって味わいや食感が様々です。

一方のぽーぽーは甘味のない白い生地を薄く焼き、油みそを巻いて作る食べ物を指します。油みそは沖縄ではポピュラーなおかず味噌で、豚の油や魚などが入った甘い味噌です。ちんびんとぽーぽーにはこのような違いがありますが、沖縄ではあまり区別されておらず黒糖入りのものを黒糖ぽーぽーとも呼ぶ人も多くいます。

男の子の初節句としてこどもの日に、家族そろってお祝いをする人も多いのではないでしょうか。端午の節句の食べ物には決まりはないので、子どもの好きなものや成長を願う縁起のいいものを並べると良いでしょう。端午の節句のおもてなしにおすすめの献立を2つ紹介します。