じゃがいもが苦い原因は?舌のしびれは危険?食べた時の対処法や見分け方も解説!
【野菜ソムリエ監修】じゃがいもが苦い原因を知っていますか?知らずに食べると食中毒を起こす可能性があります。今回は、じゃがいもの苦い原因や見分け方のほか、食べてしまった場合の症状例を紹介します。緑化・発芽した場合の対処方法や正しい保存方法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
苦いじゃがいもを食べた時の症状
じゃがいもに含まれる毒素を大量に摂取した場合には、以下のような食中毒の症状が表れることがあります。
・吐き気
・嘔吐
・腹痛
・下痢
・脱力感
・眠気
上記のような食中毒の症状は、苦いじゃがいもを食べてから20分程度経過した後に表れることが多いと言われています。眠気などの症状は食中毒だと気づかない場合もありますが、最悪の場合は死亡する可能性もあるので注意が必要です。
じゃがいもを食べた後にこのような症状があらわれた時は、軽度の症状であれば自然に治ることが多いですが、症状が重い場合には医療機関の受診も検討しましょう。
子供は特に注意が必要
ポテトアルカロイドは、大人の場合には200~400mg摂取することで食中毒を引き起こすと言われています。一方、身体の小さな子供は大人の1/10程度の量のポテトアルカロイドでも食中毒になると言われており、注意が必要です。過去には小学校の調理実習でじゃがいもの皮を剥かずに食べたことで集団食中毒を引き起こした事例があります。
大人では全く症状が出ない量のポテトアルカロイドでも、子供が摂取すると最悪の場合は死亡するケースもあるので、子供がいる家庭ではじゃがいもの取り扱いに気をつけましょう。
老沼裕也
野菜ソムリエ
特に学校や家庭で栽培した馬鈴薯が、このようなケースに発展することはあるようです。収穫の際は、気をつけてみてくださいね!
苦いじゃがいもの見分け方は?苦味は取れる?
苦いじゃがいもは、特に子供にとっては危険な食材のため、できることなら購入時に見分けておきたいものです。苦いじゃがいもには特徴があるため、覚えていれば簡単に見分けることができます。ここでは、苦いじゃがいもの見分け方や苦味の取り方を解説します。
①皮の表面の傷の部分
出典: @akapapo315
じゃがいもには元から少量のポテトアルカロイドが含まれていますが、食中毒を引き起こすほどの量ではありません。しかし、このポテトアルカロイドはじゃがいもの皮の表面に傷がつくことで量が増加し、苦味が増えるだけでなく、食べると健康を害する場合があります。
ただし、傷の周辺を避けて食べれば苦みや食中毒の心配も無くなるので、調理する際には傷がついている部分を取り除いてください。なお、傷の周辺にも毒素が含まれている可能性があるため、取り除く範囲は広めにしましょう。
②日が当たって皮が緑化している部分
出典: @3939_gold
じゃがいもは、表面が緑色に変色している部分も、毒素により苦くなっているため注意してください。通常のじゃがいもは茶色ですが、じゃがいもが日光や蛍光灯の光が当たると、毒素の含有量が増加して緑色に変色すると言われます。
じゃがいもが、緑色になってしまった場合は、食べる際には緑色の部分を厚く剥くことで、毒素も取り除くことができます。ただし、皮を剥いたときに中身まで緑色に変色している場合は、身にも毒素が含まれているため食べるのを控えてください。
(*緑化したじゃがいもの皮の危険性について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
③芽や発芽している部分
じゃがいもの下処理で芽を取ることはよく知られていますが、この下処理はじゃがいもの芽に毒素が含まれていることが理由で行うものです。つまり、この芽の部分があるじゃがいもは、毒素が多い影響で苦い可能性が高いと言えます。さらに、じゃがいもの芽だけはなくその周辺にも毒素が含まれていることがあるため注意が必要です。
(*じゃがいもの芽の毒性について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
老沼裕也
野菜ソムリエ
基本的に、栽培している産地側の管理がしっかりしているので、市販の馬鈴薯は問題ありません。ただし、1ミリの厚さほどの皮の部分は、ソラニンなどが多く含まれているので、しっかりと皮剥きをしましょう。中心部分には、ソラニンなどの有害成分はほとんど含まれていないようです。