じゃがいもの芽の毒性は?どこまで取る?取り方のコツや発芽を防ぐ保存法を紹介!
【野菜ソムリエ監修】じゃがいもの芽には「ソラニン・チャコニン」といった毒性があり、食べると食中毒の症状がでるのを知っていますか?今回は、じゃがいもの芽の取り方や、皮が緑色の場合の対処法なども紹介します。「じゃがいもの芽が出るのを防ぐ保存法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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じゃがいもの芽の毒性は?
じゃがいもの芽には毒があるというのは周知のことですが、何が含まれ、どのくらい危険なのでしょうか。じゃがいもの芽の毒性についてみてみましょう。
毒性「ソラニン・チャコニン」が含まれる
じゃがいもにはソラニンやチャコニンといった食中毒の症状を起こす原因のグリコアルカロイドが100g中0.0075g含まれ、そのうちの3割から8割が皮の周辺、特に芽の部分に集まっています。光が当たり緑色になったり傷つくことでソラニンやチャコニンの量がさらに増えるのです。
じゃがいものソラニンやチャコニンはファイトケミカルのように動物や昆虫など外敵から身を守るために植物が作り出す物質と考えられています。同じじゃがいもでも専門の生産者がつくるじゃがいもより、家庭菜園などで作られるじゃがいもの方がソラニンやチャコニンの量が多いとの報告があり、注意が必要です。
専門家は黒マルチなどで根元を覆いながらじゃがいもを作るのに対して、家庭菜園ではじゃがいもを作るのに黒マルチまで使うことが少なく、じゃがいもの上にかける土が薄く日が当たりやすいのが原因の一つと考えられます。
ふじかわなおこ
野菜ソムリエ
子供の場合、20mg程度で食中毒を起こしてしまう可能性があるので、皮つきのじゃがいもを子供に与える場合は特に気をつけてください。
ソラニンの致死量は?
じゃがいものソラニンやチャコニンを食べてしまった場合、食中毒を起こしますが摂取した分が致死量を越せば死亡することもあります。記録されているデータでは体重1㎏あたり1㎎摂取すると中毒症状を起こす可能性があり、3~6㎎摂ると死亡する可能性がある致死量との事です。
つまり50㎏のヒトなら50㎎で食中毒の可能性があり、致死量は150~300㎎が想定され、死に至る可能性があるというのです。もっともデータの数字だけでは実際に亡くなった人の体質やその時の状態は分かりませんので参考程度にとどめておいてくださいね。ドイツの研究機関では過去100年の間でソラニンが原因と思われる死亡者は1名だそうです。
(*芽が出たじゃがいもは食べられるかについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
じゃがいもの芽を食べた場合の症状は?
じゃがいもは身近な野菜なのでずいぶん物騒な毒性があることが分かりました。では誤って食べてしまった時の食中毒の症状はどのようなものなのでしょう。
食中毒の症状が見られる
じゃがいもの中毒症状としては以下のようなものです。
軽い場合
・嘔吐
・下痢
・腹痛
・めまい
重症な場合
・動悸
・耳鳴り
・意識障害
・痙攣
・呼吸困難
・眠気
・無気力
・錯乱
・衰弱
じゃがいものソラニンやチャコニンによる食中毒の症状として多いのは、吐き気、腹痛、喉の傷みなどです。食後30分から半日のうちに症状が出るようですが、軽ければ一般的な食中毒の症状とほぼ同じです。重症になると痙攣や眠気、錯乱など神経症状や視覚障害などが見られることもあります。
最悪死亡することも
じゃがいもの食中毒症状は軽度であれば医師の診察を受けて胃の洗浄などで回復しますが、抵抗力の弱い病気の人や幼児、お年寄りなどは症状が重くなったり、悪化すれば死に至る可能性もあります。
致死量の想定値はありますが、じゃがいもごとにソラニン・チャコニンの含有量は違いますし、絶対に安全では無いのです。口に入れたときに味などで異常を感じたら食べないのが一番でしょう。身近な食材だけに、じゃがいもの含む毒素の危険性をきちんと認識する必要があります。