貝毒を持つ貝の見分け方は?食べられない貝の画像や潮干狩りの注意点も紹介!
貝毒を持つ貝の見分け方を知っていますか?潮干狩りなどで採れた〈あさり・牡蠣〉は全て食べられるのでしょうか?今回は、貝毒を持つ貝は熱処理・冷凍後に死滅するかや、食べるとうつるのか紹介します。貝毒を持つ貝を避ける〈画像・時期・発生状況〉などのポイントも紹介するので参考にしてみてくださいね。
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貝毒を持つ貝の見分け方は?
潮干狩りや磯遊びで採れた、新鮮なあさりや香り豊かな牡蠣に、貝毒と呼ばれる危険が潜んでいる場合があります。今回は、貝毒の見分け方について詳しく解説するので、潮干狩りなどに行くときなどの参考にしてください。
貝毒を持つ貝の見分け方はない
貝毒とは特定の貝類に蓄積された毒素で、食中毒を引き起こす可能性がありますが、貝毒の有無を目視で判断することは困難です。貝毒は、プランクトンと呼ばれる微小な藻類を餌とする二枚貝類が、プランクトンが持つ毒素を体内に蓄積することで発生します。あさりや磯で獲れるムラサキイガイ、牡蠣など、多くの食用貝がこの毒の影響を受ける可能性があります。
貝毒を持っている貝は、見た目も味も通常の貝と変わりません。経験豊富な漁師や専門家でも、貝毒の有無を確実に判断する見分け方はないようです。
貝毒を持つ貝は熱処理・冷凍後に食べても大丈夫?食べたら?
食品に付着する毒の中には、加熱調理や冷凍すると食べられるものもありますが、貝毒はどうなのかといった疑問について解説するので参考にしてください。
貝毒を持つ貝は熱処理・冷凍しても食べるのはNG
貝毒は熱処理や冷凍で分解されないため、調理しても安全に食べることはできません。貝毒は貝類が餌にするプランクトンが持つ毒素であり、非常に安定した構造をしているため、熱や冷凍によって分解されることがないからです。貝毒以外に貝類が持つ危険の一つに、ノロウイルスがありますが、こちらは貝毒とは違い加熱調理することで感染を防げます。
貝毒に感染した場合周囲の人にうつすことはありませんが、ウイルス性のノロウイルスはうつる可能性があります。
貝毒を持つ貝は食べると場合によっては死亡する可能性がある
貝毒を持つ貝を食べてしまうと以下のような症状が出る場合があります。
・吐き気
・下痢
・腹痛
・嘔吐
・頭痛
・めまい
・しびれ
上記のような症状が悪化し、最悪の場合は死に至る場合もあります。貝毒は非常に強い毒性を持っているため、少量の貝毒でも重篤な症状を引き起こす可能性を持っています。子供や高齢者、体力の弱い人は貝毒の影響を受けやすいので、特に注意が必要です。
貝毒を持つ食べられない貝を避ける方法は?潮干狩りする場合は?
貝毒を持つ貝を誤って食べてしまうと、下痢・嘔吐・腹痛などの症状を引き起こし、死に至る場合もあるため十分な注意が必要です。ここでは、貝毒を持つ貝の見分け方と、潮干狩りする場合の注意点について詳しく解説します。
①食べられない貝の種類を把握する
食べられない貝の種類を以下に紹介します。
・イモガイ
・タガヤサンミナシガイ
・アンボンクロザメガイ
上記に挙げた貝は、貝自体が毒を持っており、貝が持つ針で刺される危険があります。これらは二枚貝ではなく、円錐形の形をしています。潮干狩りでよく見かける二枚貝とは違い、身近な貝ではないものの、万が一見つけた場合は触れたり食べたりすることがないよう注意してください。
②死んだ貝は食べない
死んだ貝の見分け方を紹介します。
・口が開いて中身が出ている
・刺激を与えても口を閉じない
・加熱しても口が開かない
・水に入れると浮く
・異臭がする
死んだ貝を食べると食中毒になる可能性があるため、絶対に食べないようにしてください。潮潮干狩りで採れた貝のほか、購入したものでも、死んでいる貝には雑菌が繁殖している可能性があります。腐敗して異臭があるものは、料理全体が臭くなる場合もあるので、必ず取り除いてください。
③貝毒が発生しやすい時期は貝を採らない
3~5月は貝毒が発生しやすい時期になるため、なるべくこの時期に貝を採らないようにするとよいでしょう。この時期は、プランクトンの増殖する時期に重なり、必然的に貝毒の発生するリスクも高まります。最も発生しやすいのは春ですが、9~11月の時期も同じように注意が必要です。
④有毒微細藻類や貝毒の発生状況を調べておく
厚生労働省や地方自治体のホームページでは、有毒微細藻類の発生状況や貝毒の発生状況が公開されています。いくつかの地点で定期的にプランクトンを採取し、貝毒の出現状況を調査しているようです。潮干狩りに行く前に、これらの情報を調べておくことで、リスクを避けることができます。
食べられない貝の種類は?
ここでは、食べられない貝の種類について、貝の画像も交えて紹介します。磯遊びや潮干狩りをする際に、食べられる貝と食べられない貝との見分け方の参考にしてください。
①イモガイ
イモガイは、熱帯のサンゴ礁域を中心に世界に500種以上生息する巻貝で、日本では八丈島以南に生息しています。フグの毒と同じ神経毒を持ち、少量でも強い痺れや麻痺を引き起こし、場合によっては死に至ることもあります。イモガイは見た目が美しい貝ですが、素手で触ったり、貝殻を割ったりしないようにしてください。
②アンボイナガイ
アンボイナガイは、インド太平洋のサンゴ礁域に広く分布する巻貝で、日本では沖縄や小笠原諸島などの浅瀬に生息しています。前述したイモガイと同じ種類で、フグと同じ毒を持ち、非常に毒性の高い貝です。アンボイナガイを採集する場合は、厚手のゴム手袋をするなど対策をして、十分に注意してください。
③タガヤサンミナシガイ
タガヤサンミナシガイはイモガイ科に属する巻貝で、インド洋や太平洋、日本を含む温帯から熱帯の海域に生息しています。夜行性のため、潮干狩りなど明るい時間帯には、ほとんど見られません。タガヤサンミナシガイの毒は神経毒で、特に毒性が強いため、素手で触らないようにしてください。
④アンボンクロザメガイ
アンボンクロザメガイはイモガイ科に属し、毒性の強い貝として知られ、アインド太平洋地域に広く分布します。アンボンクロザメガイのは毒性が非常に強く、刺されてしまうと、数分から1時間ほどで痺れや麻痺などの症状が現れます。食用として認められていないため、食べるのは避けてください。
⑤ナンヨウクロミナシガイ
ナンヨウクロミナシガイは、インド太平洋地域の熱帯・亜熱帯域に広く生息し、日本でも沖縄や小笠原諸島などで見られます。貝が持つ模様の美しさによりコレクターが多く、インテリアや装飾品として人気があります。フグと同じとても強い神経毒を持つため、素手では決して触らないようにしてください。
⑥キンシバイ
キンシバイはインド洋・太平洋に広く分布している巻貝で、フグと同様の強い神経毒を持っています。この貝を食べたことで、食中毒を起こした事例が過去にあります。見かけても素手では決して触らず、食べるのも避けてください。
貝毒の見分け方をマスターしよう
貝毒を持つ二枚貝の確実な見分け方はないですが、食べられない貝や、貝毒が発生しやすい時期を把握することで貝毒を避けられることができます。食中毒の可能性がある、死んでいる貝の見分け方なども参考にして、美味しく貝を味わってください。