ピオーネは皮ごと食べられる?栄養豊富?むき方や食べ方・レシピも紹介!
【野菜ソムリエ監修】ピオーネは皮ごと食べれるかどうか知っていますか?今回は、ピオーネに含まれる栄養や、効果・効能に加えて、農薬の心配についても紹介します。ピオーネの皮のむき方や、皮ごとの食べ方のコツ・レシピなども紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
ピオーネの皮にはポリフェノールが多く含まれる
ピオーネの皮の濃い紫色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンという栄養成分によるものです。ほかにも、同じくポリフェノールの一種であるカテキンも皮に含まれており、その量は巨峰の皮の約5倍、マスカットの皮の約2倍と言われています。
実は、ぶどうは果肉よりも皮の色素にこそ健康に良い栄養が詰まっていて、より紫色が濃いものほどポリフェノールの成分が多く含まれていることがわかっています。ポリフェノールは様々な健康効果を持っていますが、ここからは皮に含まれる栄養素の健康効果について詳しく紹介しましょう。
堀崎至代
野菜ソムリエ
皮が厚くて食べづらいようなら、剥いた皮をはちみつと一緒に煮詰めると色鮮やかなぶどうソースになります。栄養がたっぷりですので捨てずに活用をおすすめします。
効果①目の疲れを取る
ポリフェノールの一種であるアントシアニンの効果で一番有名なのが、目の疲れを取る効果です。紫色のぶどうに多く含まれるアントシアニンには、目の網膜にあるロドプシンという色素の再合成を促して視神経の働きを助ける効果があります。
長時間目を使うとこのロドプシンは徐々に減少していくため、視界がかすんで見えにくいと感じる場合などは、ぶどうを食べることで目の疲れを改善して視力を向上させることができます。さらに、この改善効果には即効性があり、摂取後4時間で効果を発揮し24時間で消失するそうです。
効果②抗酸化作用
アントシアニンには、体に有害な活性酸素を除去する抗酸化作用も期待できます。活性酸素は体内で大量に発生すると、ガン・脳卒中・動脈硬化などを引き起こす可能性があるといわれています。
活性酸素は紫外線を多く浴びたときや、ストレスを強く感じる時に発生しやすくなるので、そのような時にはぶどうを食べてアントシアニンを摂取すると良いでしょう。また、抗酸化作用を持つ栄養素としてはビタミンCも有名ですが、ピオーネに含まれるアントシアニンはビタミンCより安定した抗酸化作用を発揮すると言われています。
効果③血流を改善する
アントシアニンは、同じくポリフェノールの一種であるフラボノイドに似た働きをすることもわかっています。フラボノイドは毛細血管を保護して強化する働きがあるほか、血流をさらさらにする効果も持っています。アントシアニンを摂取することで、動脈硬化などの生活習慣病の予防効果も期待できるでしょう。
また、アントシアニンには血圧を上昇させる酵素の働きを抑制する効果があることから、高血圧を抑制する効能も期待できることが最近の研究で判明しています。
効果④潰瘍や炎症を予防・改善する
アントシアニンには前述したとおり血流を改善する効果がありますが、この働きによって潰瘍などの粘膜の損傷を治癒させる抗潰瘍作用も期待できるといわれています。他にもアントシアニンには抗炎症効果もあるとされ、この効果によっても胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防・改善に役立ちます。
(*ぶどうの栄養素と効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
ピオーネの皮ごと食べるのに向いている種類は?
ピオーネは皮が固いことは前述しましたが、同じピオーネの中でも品種によって皮ごと食べやすいものと食べにくいものがあります。次は皮ごと食べるのに向いているピオーネの種類について紹介します。
①種無しの種類
ピオーネを皮ごと食べる場合は、種無しの種類を選ぶのがおすすめです。種無しのピオーネとして有名なのはニューピオーネと呼ばれる品種で、岡山県ではほぼすべてのぶどう農家が種無しの加工をしたニューピオーネを栽培しているそうです。そのため、岡山ではニューピオーネとピオーネをあえて区別せず、ニューピオーネでもピオーネと表示している場合があります。
種が入っていないので、子どもや高齢者でも安心して皮ごと食べやすいでしょう。
②皮の薄い種類
ピオーネを皮ごと食べるのであれば、なるべく皮の薄い種類を選ぶのもおすすめです。前述のニューピオーネも皮が薄い部類に入るので、皮ごと食べるには適していると言えるでしょう。ただし、ピオーネは皮が薄い種類のものでも他のぶどうに比べると皮が厚い傾向にあります。気になる場合は無理に食べずにむいて食べてください。