ディルはどんなハーブ?味わいや効能は?使い方・レシピのおすすめも紹介!
ディルとは何か知っていますか?どんな味わい・香りのハーブでしょうか?今回は、ディルの〈効能・保存法・代用品〉などや、似たハーブ「フェンネル」と違いを比較して紹介します。ディルの使い方・活用レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
ディルはどんなハーブ?味わいは?

ハーブの一種であるディルは、レシピなどでも目にすることがありますが、具体的な使い方や保存方法はあまり知られていません。今回は、ディルの特徴やおすすめの使い方、代用品などを紹介します。ディルの使い方を知って、普段の料理にも活用してみてください。
ディルについて
ディルはイラン周辺の西アジアが原産のハーブで、古くからヨーロッパを中心に活用され、北アフリカからアジアにも広く普及してきました。セリ科のハーブで、日本には江戸時代ごろに伝来しヒメウイキョウの別名でも知られています。高さは60~100cm程度に及び、スイートフェンネルとよく似た形です。
ディルの名前の由来は、古代スカンジナビア語の「鎮める」という単語に当たる「dilla」です。これは、ディルにしゃっくりを止める効能があるからだと考えられています。聖書にも登場し、中世では黒魔術の魔除けとしても活用され、「魔女の箒」という別名も持つハーブです。
ディルの味わい・香り
ディルはやや辛みのあるさわやかな香りが特徴的なハーブです。すっきりした香りは魚料理によく合い、魚の臭みを取ってうまみを引き出します。さっぱりした味わいに向いているので、マリネやサラダに活用されるほか、カレーやピクルスに利用されることも多いです。
噛むと、ほんのり甘みも感じられる味わいでハーブが苦手な人でも食べやすく、苦みは少ないでしょう。ディルハーブと呼ばれるさわやかな香りの葉に対して、ディルシードとも呼ばれる種の部分は辛みが強く、よりスパイシーな味わいが特徴です。
以前TLで見かけて気になっていた「そら豆のごはん」。イランのお料理で「バガリ(そら豆)・ポロ(米)」というらしい。ハーブのディルを沢山入れるので、その香りが鼻に抜けて繊細な味わい。
— olive (@chocolatetabby) June 24, 2020
骨つき鶏もも肉のプルーン&白ワイン煮と合わせてみた。味のついたごはんに目がなく、ごはんが主役。 pic.twitter.com/HCuPhw2T7K
賄い『カレーライス』
— かりん亭 (@karin_1985) May 9, 2020
美味しくピクルスが漬かったのでカレーライスに。
この前植えたディルを加えて香りに奥行きを。
ハーブのディルとフェンネルは見た目がとても似てるので植える際は離して植えないと交雑種になってしまい個々の香りが損なわれるそうです* pic.twitter.com/J8fl6ScLWu
ディルとフェンネルの違い
ディルとよく似たハーブにはフェンネルが有名です。どちらも見た目はよく似ていますが、フェンネルはウイキョウ属なのに対して、ディルはイノンド属に分類されます。また、フェンネルは多年草で、毎年花が咲き大きく育ちます。一方、ディルは一年草で、上手に育ててもフェンネルほど大きくなることはありません。
ディルもフェンネルも、香りは爽やかで魚料理なサラダ、マリネに使われます。しかし、フェンネルのほうが甘みと酸味のある味わいで葉や茎も固いところが特徴で、香りや味もフェンネルのほうが強く感じられるでしょう。
また、フェンネルは根元の白い部分もよく料理に使われます。セロリによく似た味わいで、すっきりした香りとシャキシャキした食感がおいしく食べられます。
(*フェンネルについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
ディルの効果・効能は?

ディルは古くから人々に利用されてきたハーブで、日本でも漢方の生薬として活用されてきた歴史がありますが、ここでは具体的にディルの効能を見てみましょう。ディルの持つ効果や効能を知って、よりよい生活や健康管理に役立ててみてください。
①リラックス効果
ディルは古くからリラックス効果や鎮静効果があるハーブとして知られてきました。子供の夜泣きを落ち着かせたり、リラックスさせて母乳の出をよくしたりするために使われてきたレシピもあります。ディルの香りはイライラを沈め、心を落ち着かせてくれるので不眠の予防にもおすすめです。
また、心身の緊張をほどくので胃腸の働きもよくなることから、便秘の改善や食欲増進などにもよいでしょう。
②口臭予防
ディルの香りは爽やかで、口臭予防の効能もあります。イライラを沈め、胃腸の働きも改善するため、ストレスが原因となっている口臭の改善にも効果的です。胃腸の不調による口臭を改善するには、ディルのハーブティーやディルの葉や種子を直接噛む方法がよいでしょう。
③利尿作用
ディルには体内の余分な水分を排泄する利尿作用もあるので、むくみの改善にも役立つでしょう。特に普段からむくみがちな人は、食事にディルを取り入れるのがおすすめです。むくみが続くと血行やリンパの流れを滞らせて太りやすい体質になってしまうので、ディルは間接的にダイエットにも役立ちます。
④アンチエイジング
ディルにはオイゲノールと呼ばれるポリフェノールの一種が含まれています。オイゲノールは抗酸化力が強く、アンチエイジングに効果的な物質で、老化を促進させる活性酸素の働きを弱めて若々しい体作りをサポートするのが特徴です。ほかにも、ディルには高い抗酸化力や美肌効果で知られるビタミンCも豊富に含まれています。
ディルの保存方法は?

ディルは白菜などの葉野菜のように一度にたくさん食べる野菜ではありません。そのため、一度購入しても使いきれず保存に困ってしまうケースも多いでしょう。ここではディルを無駄なく使いきるためにおすすめの、ディルの保存方法を紹介します。
ディルは冷蔵・冷凍での保存がおすすめ
生のディルを購入したときは、冷蔵保存か冷凍保存がおすすめです。冷蔵保存する場合は、葉が乾燥しないように軽く濡らしたキッチンペーパーで軽く包んで保存します。キッチンペーパーで葉を巻いたら、冷蔵庫の中で乾燥しないようジッパーつきの保存袋に入れるとよいでしょう。冷蔵庫の野菜室に入れれば、最長で一週間程度日持ちします。
冷凍保存するときは、ディルの葉をシート状にしてラップに包み冷凍するか、製氷皿にディルの葉を細かくちぎって水を入れて氷にして保存できます。この状態で保存すれば、約半年間は風味を損なわずに保存できるでしょう。
なお、ディルシードの場合は乾燥させて保存するのがおすすめで、しっかり乾燥させたら密閉容器に入れて保存します。
ディルの使い方は?

ディルのおすすめの使い方を紹介します。ディルによく合う料理や、ディルが手元にないときの便利な代用品も見てみましょう。
ディルハーブに合う料理と使い方
葉の部分に当たるディルハーブは以下のような料理に合います。
・サーモンのマリネ
・魚の香草焼き
・ハーブサラダ
ディルは魚のためのハーブといわれるほど、魚料理とよく合います。特に北欧ではサーモンと合わせて食べられる料理が多く、サーモンとの相性は抜群です。スモークサーモンとディルを使って、酸味のきいたマリネにしたものはワインのおつまみや前菜にもぴったりです。
また、ディルの葉をサーモンなどの魚と一緒にオーブンで焼く香草焼きにするのも良いでしょう。ディルの葉のさわやかな香りが魚の臭みを消し、食欲をそそるおいしい料理に仕上げてくれます。さらに、ディルの葉はちぎってサラダに使っても良く、普段のサラダに混ぜるだけでさわやかな香りが引き立つハーブサラダが作れます。
ディルシードに合う料理と使い方
ディルシードはディルハーブとは少し違う以下のような料理に合います。
・ピクルス
・カレー
・フォカッチャ
ディルシードは葉っぱとは違ったやや辛みのある風味が特徴で、スパイシーな料理によく合います。おすすめの使い方はカレーやピクルスで、ほかにもキャラウェイシードのようにパンに入れて焼くとフォカッチャのようなパンが作れます。
ディルの代用品は?
ディルが手元にないときは、ほかのハーブで代用することも可能です。すでに紹介したように、ディルはフェンネルとよく似ているため、フェンネルを代用品に使うのもおすすめです。ほかにも、コリアンダーはディルと同じセリ科で、よく似た風味を持っています。
また、ディルシードの代わりであれば、コリアンダーシードを使うのもよいでしょう。ほか、魚料理の臭み消しが目的の場合にはタイムもおすすめです。タイムも魚と相性が良く、リラックスさせる効能もあるので、魚料理やハーブティーを作るときの代用に向いています。
ディルの活用レシピのおすすめ
ここからは、ディルを使ったおすすめのレシピを紹介します。ディルの爽やかな香りを楽しめる料理ばかりなので、ぜひ作ってみてください。
①サーモンマリネのオープンサンド
ディルのさわやかな香りとサーモンの甘みが引き立つ、スウェーデンではスモーゴスと呼ばれるオープンサンドのレシピです。見た目もきれいなのでパーティーの前菜にもよいでしょう。
②スパイシーなポテトサラダ
ディルシードとマスタードを使ったポテトサラダです。一般的なポテトサラダよりもスパイシーな香りで、お酒のおつまみにも向いています。マヨネーズは少なめでもハーブの香りが引き立つので満足感があり、低カロリーに仕上がります。
③ディルが香るトマトスープ
ディルの風味がたっぷり味わえるトマトとセロリのスープです。このスープにウインナーやエビなどを加えれば、よりボリュームのある一品に仕上がります。
ディルはどこで買える?
ディルはスーパーや産直市場などで購入できますが、インターネット通販でも購入可能です。自分で育てて楽しむのもおすすめですが、身近にディルを販売しているスーパーがないときはインターネットも確認してみましょう。
ディル フレッシュハーブ(384円)
こちらのサイトでは、冷蔵で新鮮なディルが購入できます。日本農業賞大賞を受賞したハーブとなっており、香りと生命力が違うと高い評判を得ています。他のハーブとも同梱可能なので、是非チェックしてみてください。
ディルを使ってみよう
ディルは日本ではあまり馴染みのないハーブなので、使い方が分からない人も多いかもしれません。しかし、実際は使いやすく癖もないので身近なレシピでも活用できます。ディルが手に入ったら是非いろいろな料理に使ってみてください。