高級魚シマアジとは?アジとの違いは?値段・産地や刺身など食べ方のおすすめも紹介!
シマアジを知っていますか?アジとの違いは何でしょうか?今回は、<旬・産地・値段・価格>などシマアジの特徴に加え、寄生虫の存在や駆除方法を紹介します。シマアジの捌き方・食べ方や通販商品も紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
シマアジは北は青森県から南は九州・沖縄地方まで広く分布しており、比較的暖かい海水域を好みます。日本海側よりも温かい太平洋側でよく漁獲される魚で、水深200メートルほどの浅い水域に群れで生息しています。湾内や汽水域にも回遊することがあり、磯や砂地や防波堤など釣り場の種類も豊富です。
日本で多く天然のシマアジが漁獲される産地は伊豆諸島や三浦半島沖、鹿児島県や高知県など太平洋側の地域です。シマアジは一年中釣り上げることができる魚ですが、資源の保護を目的に釣れる時期を限定している場合もあるので注意しましょう。養殖ものも美味しいですが、自分で釣った天然のシマアジの味は格別なので、ぜひシマアジ釣りに挑戦してみてください。
愛媛県ではシマアジの養殖が盛んで、2019年には全体の44%程度を占めた名産地です。また、シマアジは日本以外でも台湾など亜熱帯地域の海域に生息していますが、アフリカなどの熱帯地域では見られません。
シマアジの旬は夏〜秋口
シマアジは年中とれる魚ですが、一番美味しい旬の時期は夏から秋口にかけてです。シマアジは秋から冬にかけて産卵する魚なので、産卵前の夏ごろから秋口は脂がのり味わいもよくなります。生まれたシマアジの稚魚は、約4年ほどで中型の30~50cmまで成長するようです。
特に美味しいとされているのはこの中型のシマアジで、旬の季節に楽しむなら刺身にして食べるのがおすすめです。旬を外れたシマアジは小型のほうが味わいがよいとされているので、30cm以下のものを選ぶようにしましょう。
また旬を迎えた天然のシマアジは上品で淡白な身の味わいと脂のバランスが絶妙なので、養殖ものと食べ比べを楽しむのもおすすめです。
(*シマアジの旬の時期について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
シマアジの寄生虫は?駆除の仕方は?
シマアジは値段の相場が高いため自分で釣ってきて味わうのも人気の魚ですが、食べるときには寄生虫に注意が必要です。ここでは、シマアジに見られる寄生虫の種類や特徴・駆除の仕方などを紹介するので、釣り上げた時の参考にしてください。
①カリグス
カリグスはいろいろな魚の体表に寄生する寄生虫で、以下のような特徴があります。
・魚の血や粘液、皮を食べる
・3~5mm程度の魚類寄生性甲殻類の一種
・寄生された魚は炎症などの症状を起こす
カリグスは魚の体表面に寄生して皮を食べる寄生虫なので、シマアジの皮がただれたような炎症を起こしているときは注意して観察してください。シマアジのほか、ぶりやハマチなどに寄生することも多いので、養殖場で被害が出ることも多い寄生虫です。
人間には寄生しないため食べても問題はありませんが、刺身などの料理の見た目の美しさは損なわれます。カリグスは海水でしか生息出来ないので、発見した時や心配な場合は真水に1分ほどつけておきよく洗い流してから調理しましょう。
②アニサキス
アニサキスの特徴は以下の通りです。
・線のように細い体をしている線虫類の寄生虫
・半透明で体長は2〜3cm
・通常内臓に寄生しているが、宿主が死亡すると筋肉へ移動する
・食べると腹痛などのアニサキス症を起こす
アニサキスはシマアジのほか、アジや鮭にも住みついていることが多い寄生虫です。宿主が生きている間は内臓にいるので、生きたシマアジを捌く際には手早く下処理を行うようにしましょう。アニサキスが身の部分に寄生した際には目視でも確認できますが、色が透明なので見落とすことも少なくありません。
アニサキスが寄生した刺身などを食べてしまうと、人によっては激痛を伴う腹痛に見舞われることもあります。アニサキスを食べたときに伴う症状には個人差がありますが、腹痛や悪心などが見られる場合は必ず病院に行きましょう。
このようなアニサキス症を防ぐためには、加熱調理をして死滅させるのも一つの方法です。アニサキスは低温にも弱いため、-20℃以下で24時間以上冷凍保存することがアニサキス対策につながります。家庭用の冷凍庫は業務用に比べ温度が高いので、48時間以上冷凍してから調理するのがおすすめです。
(*アニサキスについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
シマアジの捌き方・下ごしらえ方は?
シマアジを丸ごと手に入れたときは、自分で捌いて調理したいと思う人も多いでしょう。ここでは、シマアジの捌き方を動画とともに紹介します。
1.鱗を取り、ゼイゴを取り除く
2.胸びれと腹びれを頭ごと落とす
3.尾の方から包丁を入れ、内臓を取り除く
4.血合いをよく洗い流し、しっかり水気を切る
5.尾の方から腹部分を中骨にそって捌く
6.尾の手前に切り込みを入れ、背中から中骨に沿って包丁を入れる
7.関節部分を切り落とし、片身を剥がす
8.同様に、腹、背中から中骨に沿って包丁を入れ3枚におろす
9.腹骨をすきとり、柵取をし、残った中骨と血合いを落とす
シマアジは中型から大きいサイズのほうが捌きやすいので、慣れていない人は大きめのものを選ぶとよいでしょう。まずはじめに鱗とゼイゴを取り頭とヒレを落としたら、内臓を取ってよく洗い流します。お腹の部分に血合いが残っていると臭みの原因になるので、よく洗い流しましょう。
シマアジは大きいので、一度におろすのではなく、腹側と背中側からそれぞれ包丁を入れ、最後に関節部分を落とすようにして片身を剥がします。3枚におろしたら、残った腹骨を取り、柵にして血合いや中骨を落とせば刺身にできる柵になります。
天然物や養殖に限らず、新鮮なシマアジは刺身で食べるのが最も人気があります。特に釣ってきた旬のシマアジは鮮度が高く、刺身にすると格別の味わいです。シマアジの刺身は上品な味わいにほど良く口に広がる脂の旨味があり、もちもちした弾力のある食感も味わえます。鮮度の良い旬のシマアジを手に入れたら、ぜひ自分で捌いて刺身にしてみてください。