女酒とはどんな日本酒?産地は伏見・広島?灘の酒(男酒)との違いも紹介!
女酒とはどんな日本酒か知っていますか?灘の酒(男酒)との違いが気になりますね。今回は、女酒について〈伏見・広島〉などの産地や〈味・水〉などの特徴を、灘の酒(男酒)との違いとともに紹介します。女酒のおすすめ銘柄も紹介するので参考にしてみてくださいね。
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目次
- 女酒とはどんな日本酒?男酒もある?
- 女酒とは伏見で醸造される日本酒
- 兵庫県の「灘の酒」は別名「男酒」と呼ばれている
- 女酒の味わいは?灘の酒(男酒)との違いは?
- 女酒・男酒に使われる水の違い
- 女酒・男酒の味わいの特徴・違い
- 女酒・灘の酒(男酒)が有名な地域は?伏見以外にもある?
- ①京都・伏見(女酒)
- ②広島・西条町(女酒)
- ③愛媛・伊予(女酒)
- 兵庫・灘(男酒)
- 女酒・灘の酒(男酒)のおすすめ銘柄も紹介!
- ①純米大吟醸 延壽 1.8L|賀茂泉( 5,775円)
- ②伝匠 月桂冠 純米吟醸 1.8L|月桂冠(2,899円)
- ③伊予賀儀屋 無濾過 熟成純米生詰 1.8L|成龍酒造(2,750円)
- ④ 黒松剣菱 特撰 1.8L|剣菱酒造(2,356円)
- 女酒・男酒とはどんな日本酒か知っておこう
女酒とはどんな日本酒?男酒もある?
日本酒は日本を代表するお酒ですが、女酒と言われる銘柄があるのを知っている人は少ないです。女酒に対して男酒という言い方もありますが、それぞれどんな日本酒を指す言葉なのでしょうか。ここでは女酒の特徴や、代表する女酒を紹介します。
女酒とは伏見で醸造される日本酒
女酒とは主に伏見などで醸造されるお酒のことで、口当たりがまろやかで女性的な味わいが感じられます。味わいも繊細できめ細かく、淡麗と評されることも多いです。京都を中心に発展してきたお酒で、京料理との相性が良いと言われています。読み方は「オンナザケ」で、代表的な醸造地は伏見のほかに広島や愛媛県伊予地方があげられます。
兵庫県の「灘の酒」は別名「男酒」と呼ばれている
女酒に対して、兵庫県灘地方のお酒は男酒と呼ばれています。読み方は「オトコザケ」で、口当たりのまろやかな女酒に対してキレのある辛口の味わいを持っています。口に含んだ時の酸が強く、味わいは力強く印象的です。
女酒の味わいは?灘の酒(男酒)との違いは?
ここでは、女酒の味わいの特徴や、男酒との違いについて紹介します。それぞれの違いを知っておくと、日本酒を選ぶ時の参考になります。どうして女酒と男酒の違いが生まれるのかについても紹介するので、参考にしてください。
女酒・男酒に使われる水の違い
女酒と男酒の違いは、日本酒を作るときに使われる仕込み水の違いからきています。
・女酒
女酒の代表である伏見は、軟水の土地柄で、鉄分などのミネラルが少ないです。日本は山が多く、土壌にミネラル分が吸収されやすいため、多くの土地は軟水です。特に伏見の地層は花崗岩でできているため鉄分が非常に少なく、マグネシウムやカルシウムがほど良く含まれています。
酵母の栄養源となるミネラルが少ないので、発酵の進み方が緩やかで酸が少ない繊細な味わいに仕上がります。
・男酒
男酒の代表である灘は、海が近くミネラル分を多く含む硬水の土地柄です。マグネシウムやカルシウムなどが豊富に含まれているため、ミネラルを栄養とする酵母の働きも活発です。そのため、発酵も短時間で進み酸も多い、辛口の日本酒に仕上がります。
女酒・男酒の味わいの特徴・違い
温栄と男酒に使われる水の違いから、以下のような味わいの違いが生まれます。
・女酒
女酒は軟水で仕込むお酒で、発酵が緩やかなので酸が少なく甘みや柔らかい豊潤さが際立ちます。香りも優しく、すっきりしていても鋭さはありません。まろやかな口当たりでのど越しも丸みがあり、ふくよかで米の甘みや旨味が感じられます。
・男酒
男酒は女酒に対して、酸が強く、口に含んだ時は鋭いキレも感じられる味わいです。すっきりしていて香りも強く、軽い口当たりの酒でもしっかりした味わいが印象的です。時に荒々しいと表現されるほど力強いお酒ですが、米の上品な味わいがしっかりと残っています。
女酒・灘の酒(男酒)が有名な地域は?伏見以外にもある?
女酒を代表する土地の一つが伏見ですが、他にも女酒で有名な場所があります。ここでは、女酒が有名な地域と男酒が有名な地域について紹介します。これらの地域に立ち寄った際は、地元のお酒を試してみるのもおすすめです。
①京都・伏見(女酒)
女酒で有名な伏見は、花崗岩でできた地層が生み出す名水を使っていて、上品で繊細な京料理に合う柔らかい女酒を生み出しています。特に、伏見は古くから日本酒が有名で、醸造も盛んな土地柄です。
伏見の水は御香水とも呼ばれ、珍重されていますが、江戸時代は幕府に冷遇され、一時衰退します。しかし明治期に入り、再び注目を集め現在では日本酒造りの盛んな土地となっています。
②広島・西条町(女酒)
広島県西条町は女酒で有名な土地で、独特のまろやかで甘みのあるお酒が作られています。広島県は古くから軟水で日本酒造りには不向きな土地だと言われてきましたが、明治時代に広島出身の三浦仙三郎氏が軟水で日本酒を作る技術を開発したことで状況が変わります。
これまでは不向きとされてきた軟水の土地でも、美味しい日本酒が作れるようになり、女酒の発展に大きく貢献した土地です。今では、女酒を代表する土地として知られ、その繊細で丸みを帯びた日本酒はファンも多いです。
③愛媛・伊予(女酒)
四国山地の伏流水を使う、愛媛県伊予の日本酒も美味しい女酒を生み出す土地として知られています。口当たりが優しいお酒が作られているので、女性や日本酒になじみがない人から人気があります。瀬戸内海の食文化に合う味わいで、魚料理との相性が抜群です。愛媛県は、近年では酒米の生産にも力を入れていて、日本酒ファンからも注目されています。
兵庫・灘(男酒)
兵庫県灘地方のお酒は、江戸時代から人気を博した男酒で、中でも有名な5つの地域は灘五郷と呼ばれています。仕込みに使われる水は灘の宮水と呼ばれ、リンやカルシウム、カリウムなどのミネラルが多く含まれています。
ミネラル分が多いことで発酵が進み、独特の鋭さやキレ、酸味のある灘のお酒が作られます。宮水は江戸時代末期の天保年間に発見された水で、宮水の発見が灘の酒文化を大きく発展させたようです。
女酒・灘の酒(男酒)のおすすめ銘柄も紹介!
ここでは、女酒と男酒のおすすめの銘柄を紹介します。それぞれを代表する土地に行けなくても、ネット通販で買える日本酒を紹介するので、気になる人は試してみてください。
①純米大吟醸 延壽 1.8L|賀茂泉( 5,775円)
広島県産山田錦だけで作られ、広島県西条の水を仕込み水にした、広島を代表する日本酒のひとつです。酸味が少なく、米の甘みや旨味が引き立つ味わいで、口当たりも柔らかいので飲みやすいです。
②伝匠 月桂冠 純米吟醸 1.8L|月桂冠(2,899円)
伏見を代表する月桂冠のお酒で、伏見の水の味わいがお酒の味わいにしっかり出ています。柔らかくてふくよかな味わいですが、後味がすっきりとフルーティーなので飲みやすいです。口当たりも軽く、価格も手ごろなので初めて女酒を飲む人にもおすすめです。
③伊予賀儀屋 無濾過 熟成純米生詰 1.8L|成龍酒造(2,750円)
伊予の女酒はまろやかでもすっきりした淡麗の味わいで、和食にも合わせやすいです。無濾過の日本酒なので、米の旨味や特徴が際立ち、男酒との違いも分かりやすいです。流通量が少ない貴重なお酒なので、贈り物にも向いています。
④ 黒松剣菱 特撰 1.8L|剣菱酒造(2,356円)
剣菱は灘の男酒を代表するキレの良さが特徴のお酒で、口に含んだ時の鋭さは女酒とは全く違います。灘の宮水で仕込んだお酒で、香りは豊潤で後味の余韻に米の旨味が残る印象的で力強い味わいです。
女酒・男酒とはどんな日本酒か知っておこう
日本酒には女酒と男酒があり、それぞれ使われた水の違いによって味わいが大きく異なります。それぞれの特徴を知っていれば、日本酒を選ぶ時の参考になるので、ぜひ覚えておいてください。