銀杏の食べ過ぎで中毒症状に?最悪死亡する?対処法や何個まで大丈夫なのか紹介!
【管理栄養士監修】銀杏を食べ過ぎると中毒症状がでる場合があると知っていますか?秋の味覚としてつい食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。今回は、銀杏の食べ過ぎは何個からか、致死量はあるのかや、中毒症状の例などを紹介します。銀杏を食べ過ぎた場合の対処法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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銀杏とは?
お酒のおつまみとしても人気のある、独特の苦さや香りともちもちの食感が美味しい銀杏は、どのような食材なのでしょうか。銀杏に含まれる栄養素と効能、銀杏の生態について解説をしていきます。
銀杏の生態
銀杏は栄養価の高く、糖質も多い食材です。そのため、中国ではスタミナ食や即効性のある薬用として活用されていました。私たちが一般的に食べている部分は、固い殻や皮の中に包まれている胚乳種の柔らかい部分です。古くから日本や中国、韓国で食べられていて、イチョウの実として知られています。
年間を通して食べられますが、秋の味覚として9月下旬〜10月上旬に店頭に並ぶ銀杏は独特の臭みや苦味が少なく食べられるものが多いようです。焼く、茹でる、乾燥させるなど様々な調理方法ができる万能な食材です。
また、銀杏の果肉には触るとかぶれや皮膚炎を起こすギンコール酸が含まれ、稀に頭痛や下痢発疹、胃腸障害などのアレルギー反応が出る場合があるため、銀杏の皮の処理や収穫する時にはゴム手袋などをして素手で直接触らないようにしましょう。
銀杏の栄養価と効能
銀杏の効能は以下のようなものがあります。
・むくみ改善
・動脈硬化・高血圧などの予防
・美容効果
・冷え性改善・疲労回復
銀杏は豊富なカリウムを含むため、体内や血液中の塩分ナトリウムを排出する効果でむくみ改善や、動脈効果や高血圧の予防ができます。塩分の多い食生活をしている人は特に積極的に食べることをおすすめしたい食材です。また、銀杏に含まれるタンパク質やビタミンC、ビタミンEなどは、メラニンの生成を抑える効果があるので、肌にシミができにくくなります。
ビタミンEには血液の循環を良くする効果もあるので肌の血色も良くなり、タンパク質は爪や髪が健康になるなど、高い美容効果も期待ができます。ビタミンB群やパントテン酸、ナイアシンなどの疲労を回復させる栄養素も含まれることから、銀杏はとても栄養豊富な食材と言えるでしょう(※1、2、3、4、5、6、7)
銀杏の食べ過ぎると中毒症状に?最悪死亡する?
様々な栄養が豊富に含まれる銀杏ですが、毒性のある成分も含まれることから、食べすぎると体に不調が起こることがあります。中毒症状がの例や理由などを詳しく見ていきます。
銀杏の食べ過ぎで中毒症状がでる理由
銀杏はメチルピリドキシンと呼ばれる毒性の成分が含まれていて、銀杏の食べ過ぎで体内に大量に入るとビタミンB6の働きを阻止します。これはメチルピリドキシンの分子構造がビタミンB6に酷似していて、脳が本物と勘違いをして取り込んでしまい、本来のビタミンB6の働きが阻害されることが原因です。
免疫機能の維持や神経伝達物質の合成をしているビタミンB6が体内で不足すると、神経伝達の働きに異常をきたし、脳や内臓などに悪影響を及ぼします。このメチルピリドキシンは、加熱処理をしても毒性が緩和されたり消えることはないので、どのような調理方法でも注意が必要です。
熊橋麻実
管理栄養士
ビタミンB6はたんぱく質をアミノ酸に分解し、そこから他のアミノ酸を合成したり、神経伝達物質などを合成する反応に関わっています。ビタミンB6はさまざまな食品から摂れますが、鶏のささみや牛レバー、マグロやサンマに多く含まれます。
銀杏を食べ過ぎた際の中毒症状の例
銀杏を食べ過ぎた場合に起こり得る中毒症状は以下の通りです。
・頭痛
・下痢
・腹痛
・嘔吐
・脈拍が早くなる
・呼吸困難
・痙攣
・昏倒
前述した通り、メチルピリドキシンがビタミンB6の働きを阻害しているので、ビタミンB6が欠乏した症状が体に現れます。主な症状は嘔吐と痙攣ですが、他にも様々な症状が現れます。銀杏を食べてから1~12時間が発症時間とされていて、大抵は24~90時間間に回復するようですが、稀に死亡例もあるので、食べ過ぎには十分に注意が必要です。
銀杏の食べ過ぎでないのは何個まで?致死量はある?
食べ過ぎると重篤な症状を起こすこともある銀杏ですが、何個までなら食べても大丈夫なのでしょうか。致死量と合わせて紹介していきます。