ガムを飲み込むとどうなる?一生消化されない?体への影響は?
【管理栄養士監修】ガムを飲み込むとどうなるか知っていますか?体内に一生残るという噂は本当でしょうか?今回は、〈便秘・腹痛〉など、ガムを飲み込むことによる体への悪影響を紹介します。ガムをゴミ箱に捨てるべき理由も紹介するので参考にしてみてくださいね。
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ガムを飲み込むのって危険なの?
子供の頃に親からガムを飲み込んでしまうと体の中にずっと残ってしまう、またお腹が痛くなるので危険だと言われたことがある方も多いかもしれません。ガムを間違って飲み込んでしまったり、捨てる場所がなく飲んでしまったりするとどのような影響が体にあるのでしょうか。また、ガムを飲み込むべきでない理由も取り上げるのでぜひ参考にしてください。
ガムを飲み込むとどうなる?体に悪影響はある?
まずは、飲み込んでしまったガムが体に与える影響について見てみましょう。ガムを飲み込むと消化されずにずっと体の中に残ってしまうという噂は本当なのでしょうか?
ガムは飲み込んでも消化されず太ることもない
人間の胃は強いためステーキなどの固い食べ物も胃酸や酵素で消化されますが、ガムは完全に消化することはできないと言われています。これは、ガムは天然樹脂や天然ゴムをガムベースにして作られているために、水や唾液や胃酸であっても完全に分解・消化されることはないことが理由です。
一方でこの性質があるために、ガムを飲み込んでしまっても吸収されることがなく、太る原因にはなりません。しかし、ガムはガムベースに味や香りをつけて作られているため、甘味料のカロリーはガムを飲み込んでも飲み込まなくても吸収されます。それほど高いカロリーではないものの、ダイエットなどをしている方は注意が必要でしょう。
(※ガムの原料について詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
ガムは消化されないがいずれ排泄される
ガムが完全に消化されないと聞くと体内にずっと残ってしまう不安がありますが、体内の消化システムによって便として排泄されるため基本的には心配する必要はないようです。消化器官は筋肉の収縮によって絶えず動いているため、ガムが体内に貼り付いて残ってしまう可能性を低くしてくれます。
飲み込んでしまったガムが排泄されるまでの時間は、消化器官の働きに個人差があるため多少のずれはあるものの2~3日だと言われています。
ガムを大量に飲み込むと便秘・腹痛を引き起こす可能性がある
自然と排泄されるガムであっても、大量に飲み込んでしまった場合には体に便秘などの影響がでてきます。最悪の場合は腸の中の一部が詰まってしまう腸閉塞になる危険があり、腹痛・便秘・吐き気などを引き起こし、手術が必要になる可能性もあります。
実際に、腸閉塞の症状が診られた子供の中には、大人にもらっていたガムをいつも飲み込んでいたという例もあるようです。また特に子供の場合はガムを飲み込んでしまうと、子供は喉や食道が狭いため詰まらせてしまう危険もあるため注意が必要でしょう。
なお、ガムによって咀嚼回数を増やし満腹中枢を刺激して満腹感を出すというダイエットも有名ですが、大人も大量に飲み込むと便秘を引き起こしてダイエットに逆効果になってしまいます。
まさる
管理栄養士
咀嚼は満腹中枢が刺激されて、ダイエットにはおススメです。そのため、正しい使用方法を守って利用することが大事となってきます。
ガムを飲み込むべきではない理由とは?
ここからは、さほど体に悪影響がなくてもガムを飲み込むべきでないと言われている理由について紹介します。影響があるのは体だけではないようなので、参考にしてみてください。
ガムが排泄された後に排水溝を詰まらせることがある
前述した通り、ガムは時間が経てば自然に排泄物と一緒に排出されますが、便と一緒に排出されることでトイレの排水管や排水溝で問題を引き起こす可能性があります。ガムは水に溶けない性質を持つため、下水の中の他のごみとくっついて大きな塊を作り出し、最終的に排水溝を詰まらせてしまうことがあるようです。
イギリスやニューヨークでは、ファットバーグと呼ばれる水に溶けないごみが排水溝のなかで大きな塊をつくって詰まらせてしまうことが大きな問題となっています。もちろん、ガムだけがその問題の原因ではないものの、水に溶けない成分であるガムも危険であることが分かります。