ソラレンとは?日焼けしやすいは嘘?含有量の多い野菜・果物を一覧で紹介!

【野菜ソムリエ監修】ソラレンという物質を知っていますか?日焼けしやすい原因になると言われますが、本当でしょうか?今回は、ソラレンによって日焼け・シワができる仕組みや、含有量の多い・少ない果物や野菜を紹介します。ソラレンの安全な摂取方法も紹介するので参考にしてみてくださいね。

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専門家監修 |野菜ソムリエ 福光佳奈子
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2008年野菜ソムリエ取得。食や健康に関する執筆や監修、セミナー講師、ECサイトの運営などをしている。ベトナムのドンア大学にて「...
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2008年野菜ソムリエ取得。食や健康に関する執筆や監修、セミナー講師、ECサイトの運営などをしている。ベトナムのドンア大学にて「野菜薬膳」の特別講義を実施。著書に『体にうれしい果実酒・野菜酒・薬用酒200』(秀和システム)がある。保有資格は、野菜ソムリエプロ、薬膳インストラクターほか。

目次

  1. ソラレンとは?日焼けしやすいは嘘?
  2. ソラレンは「光毒性物質」のこと
  3. ソラレンによってシミ・シワができる仕組み
  4. ソラレンの含有量が多い果物・野菜
  5. ソラレンの含有量が多い【野菜】2選
  6. ソラレンの含有量が多い【果物】3選
  7. ソラレンの含有量が少ない果物・野菜
  8. ソラレンの含有量が少ない【野菜】9選
  9. ソラレンの含有量が少ない【果物】10選
  10. ソラレンの含有量が多い食材を安全に食べるには?
  11. ①ソラレンの摂取量を控える
  12. ②外出をしない日に食べる
  13. ③ソラレンを含む食材を食べて7時間は日光を浴びない
  14. ソラレンによる日焼け・シミ対策になる栄養素とは?
  15. ①ビタミンC
  16. ②ビタミンE
  17. ③リコピン
  18. ④ポリフェノール
  19. ⑤ビタミンA
  20. ⑥鉄分
  21. ソラレンの含有量が多い食材の食べ方は気をつけよう

ソラレンとは?日焼けしやすいは嘘?

美肌づくりのためには日焼けは大敵ですが、ソラレンという物質が日焼けによる肌のダメージに影響するという話があります。この話は嘘なのでしょうか。ここでは、ソラレンの基本的な情報と肌への影響について解説します。

ソラレンは「光毒性物質」のこと

私たちが普段食べている野菜や果物の中には、紫外線の感受性を高めて肌に悪影響を引き起こす物質を含むものがあり、この物質を光毒性物質といいます。特にソラレンという光毒性物質は、紫外線の吸収率を高めて肌にシミやシワやそばかすを作ったり、色素沈着や炎症を起こすことがあります。

ソラレンによってシミ・シワができる仕組み

ソラレンをはじめとする光毒性物質は紫外線を吸収しやすく、その結果皮膚細胞内に大量の活性酸素が作られます。活性酵素は皮膚細胞にダメージを与え、これが肌にたるみやシワができる原因です。

さらに、皮膚細胞の損傷を防ぐために大量のメラニン色素が作られ、それがシミの原因となります。つまり、ソラレンが日焼けの原因になるという話は嘘ではありません。

ソラレンの含有量が多い果物・野菜

光毒性物質であるソラレンを多く含む野菜や果物にはどのようなものがあるのでしょうか。ここではソラレンの含有量が多い野菜と果物について紹介します。

ソラレンの含有量が多い【野菜】2選

文献などの資料からソラレンを含有していることが分かっている野菜は、以下の通りです。

・パセリ
・セロリ


多くのサイトで、きゅうり・人参・春菊・三つ葉・大葉・パクチー・じゃがいも・野沢菜・そば粉などの野菜がソラレンの含有量が多いとされています。しかし、実際はソラレンを含むという根拠となる資料が存在しないため詳細は不明です。

福光佳奈子

野菜ソムリエ

セロリもパセリもビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれています。ソラレンがあるからといって、食べることを控えるのは避けたいものです。食べ方や食べる時間を工夫しましょう。

ソラレンの含有量が多い【果物】3選

野菜と同様、文献などの資料からソラレンを含有していることが分かっている果物は以下の通りです。

・グレープフルーツ
・レモン
・ライム


果物についても、みかん・オレンジ・すだち・アセロラ・いちじく・キウイなどがソラレンの含有量が多い果物として多くのサイトで取り上げられています。しかし、これらもまた根拠となる資料がなく正確な含有量がわかりません。

いちじくの果実にはソラレンがほぼ含まれていませんが、いちじくの葉には多量のソラレンが含まれます。同様に、オレンジ・レモン・ライムなどの柑橘系果物の皮には多量のソラレンが含まれ、それが市販のアロマオイルの材料として使われることがあります。

いちじくの葉が肌に触れたり、アロマオイルが手についた状態で紫外線を浴びると炎症を起こす危険があるため、取り扱いには注意が必要です。

「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします|駒沢女子大学

ソラレンの含有量が少ない果物・野菜

光毒性物質であるソラレンをあまり含まない野菜や果物にはどのようなものがあるのでしょうか。ここではソラレンの含有量が少ない野菜と果物について紹介します。

ソラレンの含有量が少ない【野菜】9選

ソラレンの含有量が少ないとされている野菜は、以下の通りです。

・大根
・ごぼう
・かぶ
・かぼちゃ
・ネギ
・レタス
・キャベツ
・トマト
・きゅうり


根菜系の野菜はソラレンの含有量が少ないと考えられています。一般的に、きゅうりにはソラレンが多く含まれるとされていますが、根拠となる資料がなく摂取量などを考慮する必要はなさそうです。

ソラレンの含有量が少ない【果物】10選

ソラレンの含有量が少ないとされている果物は、以下の通りです。

・りんご
・スイカ
・バナナ
・いちご
・すだち
・アセロラ
・パインアップル
・キウイ
・オレンジ
・いちじく

このうち、オレンジやいちじくに関しては無視できる含有量です。また、キウイにソラレンが多く含まれているということが通説になっていますが、実際にはキウイにソラレンは含まれていません。

キウイに含まれるソラレンについての嘘の情報は、かつてテレビ番組でキウイがソラレンを多く含む食品として取り上げられたことがきっかけに広まったようです。それまでビタミンCを多く含み美肌作りに効果的と謳われてきたキウイが、実は肌に悪影響とされる刺激的な内容だったため、多くのサイトを介して嘘の情報が広まったと考えられます。

ソラレンの含有量が多い食材を安全に食べるには?

光毒性物質であるソラレンを含む食材を食べて紫外線を浴びると肌にダメージがあることが分かりましたが、それらの食材を安全に食べる方法はあるのでしょうか。ここでは、ソラレンの摂取量や食べる時間帯など具体的な方法を紹介します。

①ソラレンの摂取量を控える

ソラレンによる皮膚細胞へのダメージを防ぐには、ソラレンの摂取量を控えるとよいでしょう。ソラレンの含有量が多いグレープフルーツの場合、約2個の摂取で日焼けを増す可能性があるため注意が必要です。また、パセリは263g~877g以上の摂取で同様のリスクになります。

②外出をしない日に食べる

ソラレンは、紫外線を浴びることで皮膚細胞内に大量の活性酸素を作りだしてダメージを与えます。そのため、日光を浴びなければソラレンを含む食品を食べても特に問題はありません。ソラレンを多く含むグレープフルーツはビタミンCなど美肌作りに欠かせない栄養素も豊富に含むため、外出しない日や帰宅後の夜の時間帯に食べることをおすすめします。

福光佳奈子

野菜ソムリエ

グレープフルーツは、一度に大量摂取しなければ問題ないというデータがあります。具体的には、朝、グレープフルーツジュースを一度に1リットル以上飲まない限り、リスクはないということです。

③ソラレンを含む食材を食べて7時間は日光を浴びない

ソラレンは、摂取して2時間ほどかけて全身に広がり、その後7時間は効果が続くとされています。朝や昼の時間帯にソラレンを多く含む食品を食べると、日が沈む頃まで紫外線の影響を受けて肌にダメージを与える可能性があります。屋外へ出る必要がある場合は、これらの食材は夜の時間帯に摂取しましょう。

ソラレンによる日焼け・シミ対策になる栄養素とは?

ソラレンによる日焼け・シミ対策のために、どのような栄養素を摂取すればよいでしょうか。ここでは、日焼け・シミ対策になる栄養素とそれを多く含む食材を紹介します。

①ビタミンC

ビタミンCを多く含む食材は、以下の通りです。

・パプリカ
・ブロッコリー
・キウイ
・菜の花
・いちご

ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素であり、メラニンの生成を抑える働きもあるため、肌のシワ・シミ・そばかすを防いで透明感のある美しい肌を作ります。また、毛細血管を強くして傷ややけどの治りを良くする働きもあります。(※1)

②ビタミンE

ビタミンEを多く含む食材は、以下の通りです。

・アーモンド
・植物油
・魚介類
・かぼちゃ
・アボカド

ビタミンEは、高い抗酸化作用により過剰に発生した活性酸素から細胞を守って老化を防ぐ効果があるほか、紫外線から肌を守る役割もあるため美肌作りに効果的です。また、抹消血管を広げて血行をよくする役割もあるため、シワやたるみのないハリのある肌を作るのに期待ができます。(※2)

③リコピン

リコピンを多く含む食材は、以下の通りです。

・トマト
・スイカ
・柿
・ピンクグレープフルーツ
・マンゴー

リコピンもまた高い抗酸化作用を持ち、その効力はビタミンEの約100倍とも言われています。リコピンの抗酸化作用は悪玉コレステロールの酸化を抑えて血流を改善します。その結果、シワやシミを防いできれいな肌を作ることが可能です。(※3)

④ポリフェノール

ポリフェノールを多く含む食材は、以下の通りです。

・ココア
・玄米
・りんご
・ぶどう
・大豆

ココアに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用があり、紫外線によるダメージから肌を保護する役割があります。また、玄米に多く含まれるフェルラ酸もメラニンの生成を抑制する働きがあり、シミやそばかすを防いで美肌が期待できます。(※4)

⑤ビタミンA

ビタミンAを多く含む食材は、以下の通りです。

・モロヘイヤ
・パセリ
・人参
・ほうれん草
・春菊

ビタミンAにも抗酸化作用があり、皮膚や粘膜の健康を守る役割があります。緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンという栄養素を摂取すると、必要に応じて体内でビタミンAに変わって肌トラブルを予防し、肌の新陳代謝を活発にします。(※5、6)

⑥鉄分

鉄分を多く含む食材は、以下の通りです。

・大豆
・切り干し大根
・ほうれん草
・インゲン豆
・ひじき


鉄分はコラーゲンの合成に必要不可欠で、美肌作りに関わりが深い栄養素です。肉や魚などのたんぱく質とビタミンC、そして鉄が組み合わさることでコラーゲンになり、紫外線によりダメージを受けた肌を修復する働きがあります。ビタミンCと一緒に摂ると鉄分の吸収率がアップしてより効果的です。(※7)

ソラレンの含有量が多い食材の食べ方は気をつけよう

光毒性物質の一つであるソラレンを多く含む食材を摂取して紫外線を浴びると、肌にシワ・シミなどのダメージを起こすことがあります。ソラレンについては嘘の情報も多いですが、摂取する量や時間に気をつけて、トラブルから健康な肌を守りましょう。

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