妊婦は生ハムNG?トキソプラズマの確率は?加熱すれば大丈夫?
妊婦(妊娠中)は生ハムを食べても大丈夫か知っていますか?食べたい時は国産なら良いのでしょうか?今回は、妊婦が生ハムを食べてもいいのかを、<下痢・トキソプラズマの感染確率・胎児への影響>などの危険性とともに紹介します。妊婦が生ハムを食べた・食べてしまった場合の対処法や、加熱すれば大丈夫なのかも紹介するので参考にしてみてくださいね。
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妊婦は生ハムを食べても大丈夫?
妊婦は、10か月間妊娠中の食事に気を配らなくてはいけません。その中でも注意した方が良いと言われている生ハムは、妊婦が食べても大丈夫なのでしょうか。ここでは、妊娠中に生ハムを食べてもよいかどうかについて解説します。
妊娠中の生ハムは食べないようにしよう
生ハムは様々な菌の感染リスクがあるため、妊娠中は食べないほうが良いとされています。国産の生ハムの場合、徹底的に品質管理と細菌検査が行われていることから、海外の生ハムよりは安全だと言われています。そのため、国内メーカーの生ハムのなかには妊婦が食べることを禁止していない場合がありますが、国産でも感染の危険が全くないわけではありません。
妊娠中に生ハムを食べたい場合も、赤ちゃんへの影響があるとされている生ハムを食べるのは控えたほうが良いでしょう。
妊婦が生ハムを食べる危険性は?どんな影響がある?
妊婦が生ハムを食べると、どのような危険があるのでしょうか。ここでは、生ハムを食べることによって妊婦や赤ちゃんにどのような影響があるのかを詳しく説明します。
①リステリア菌による食中毒
生ハムに存在するリステリア菌と呼ばれる細菌が原因で、以下のような食中毒の症状が出ることがあります。
・悪寒
・下痢
・発熱
・筋肉痛
・敗血症
・髄膜炎
リステリア菌は他の食中毒菌と同様に加熱することで死滅させることができますが、塩分濃度が高い生ハムを低温保存していても、未加熱の場合繁殖してしまいます。健康な成人であれば非常に多く摂取しない限り感染せずに軽症で済みますが、妊娠中や高齢者は感染する確率が高いため注意が必要です。
妊娠中に感染すると胎盤を通して赤ちゃんも感染し、流産や死産などの胎児への悪影響を及ぼす恐れがあります。リステリア菌への感染を防ぐためにも、生ハムを食べるのはやめた方が良いでしょう。
②トキソプラズマによる食中毒
妊婦が生ハムなどを食べてトキソプラズマに感染すると、胎児に以下のような症状が出る可能性があります。
・運動発達の遅れ
・水頭症
・視力障害
・脳内石灰化
妊娠中にトキソプラズマに感染して胎児に上記のような現れる症状のことを、先天性トキソプラズマ症と呼びます。トキソプラズマとは、様々な種類の動物や鳥類が保有している寄生虫の一種です。日本では誕生した赤ちゃんの100万人中126人ほどがトキソプラズマに感染していますが、そのなかでも赤ちゃんに症状が出る確率は約10%程度です。
妊娠初期の感染率は低い一方で胎児に症状が現れる確率は高く、妊娠後期になるにつれて感染率が上がる半面感染した場合の胎児への影響は低くなります。トキソプラズマは生ハムだけでなく、加熱が不十分なレアステーキやガーデニングなどの土、猫の糞などにも存在するので、注意が必要です。
妊婦や妊娠中に生ハムをどうしても食べたい場合は?
妊娠中にどうしても生ハムが食べたい時も、我慢しなくてはいけないのでしょうか。ここでは、妊婦でも安全に生ハムを食べられる方法や、食べる際の注意点について紹介します。
妊婦が生ハムを食べる際は加熱して中まで火を通そう
妊婦が生ハムを食べる時は、しっかりと中まで火を通してください。リステリア菌とトキソプラズマは、食材の中心部まで十分加熱すれば死滅させることができます。また、細菌が付着している可能性の低い国産の生ハムを選び、購入後にリステリア菌が繁殖しないように保冷材などを用意して持ち帰ることも重要です。
生ハムを購入した後はすぐに冷蔵庫で保管して、開封後は鮮度の良いその日のうちに食べ切りましょう。生ハムの食感は薄れてしまいますが、塩気や旨味は味わうことができるので、ピザにのせて焼いたり加熱したりしてからサラダなどに使うのがおすすめです。