雑穀米は体に悪い・危険?デメリットは?健康的な食べ方も紹介!
【管理栄養士監修】雑穀米の栄養価や健康への効果を知っていますか?体に悪い・危険と言われることもありますがどっちでしょうか?今回は、〈血糖値・美容〉などへの雑穀米の体に良い効果や、体に悪い・危険とされる理由も紹介します。雑穀米の健康に良い食べ方・炊き方についても紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
様々な健康効果がある雑穀米ですが、一方でデメリットもあります。量や食べ方など、正しく食べなければ効能よりもデメリットの方が大きくなってしまうので注意が必要です。ここからは、雑穀米が身体に悪い・危険だとされる理由を説明していきます。
①消化不良になる
雑穀米は食物繊維が豊富なため、摂りすぎると消化不良を起こしてしまうデメリットがあります。特に麦に多く含まれる不溶性食物繊維は、胃腸が弱い場合や体調が悪い場合に消化不良を起こしやすいので注意してください。
柳田ゆい
管理栄養士
消化不良にならないように、よく噛んで食べるようにしましょう! よく噛むことで唾液が分泌され、唾液に含まれる消化酵素により消化吸収されやすくなります。 そのため、胃腸への負担を和らげることができますよ。
②発芽毒が含まれる
雑穀米や玄米にはアブシジン酸とフィチン酸と呼ばれる発芽毒が含まれています。アブシジン酸は体内で老化の原因になる活性酸素の量を増やし、フィチン酸は体内のミネラルを排出してしまう悪い作用があると言われています。ただしこれらの発芽毒の量はそこまで多くはないため、1日1食ほどに食べる程度であれば問題ないでしょう。
③グルテンの摂りすぎ
雑穀米にはもち麦や押し麦が使われていますが、これらにはグルテンが含まれているため、グルテンの摂り過ぎになることもデメリットの一つです。グルテンは人によってはアレルギーを起こす可能性があり、大量に摂取すると倦怠感などの中毒症状を起こすなど、健康に悪影響を及ぼす可能性がある成分です。
なるべくグルテンを避けたい方は、麦の中でもグルテンが含まれていない大麦とライ麦が入った雑穀米を選ぶようにして下さい。
④無機ヒ素による体への影響
雑穀米は、食べると無機ヒ素による体への影響が生じる可能性があることも、危険と言われる理由の一つです。
無機ヒ素は自然界に広く存在しており、農林水産省によると玄米は精米された白米よりも5割ほど多くのヒ素を含むことが判明しているそうです。そのため、玄米に近い雑穀にも無機ヒ素が多く含まれている可能性はあると言えます。
ヒ素は、多量に摂取すると嘔吐や食欲減退などの中毒症状を起こすほか、発がん性もあると言われている物質です。ただし、食品安全委員会からは「日本で食品によるヒ素の健康影響は確認されていない」との報告もなされているため、過度に心配する必要はないでしょう。
雑穀米の健康に良い食べ方・炊き方は?
雑穀米には健康へのデメリットもあるため、正しく調理して食べ方も工夫することで、雑穀のメリットを引き出しやすくなります。ここでは正しい雑穀米の食べ方や炊き方について紹介しましょう。
①炊く前に水につける
雑穀米は、炊く前にしっかりと浸水時間をとらないと消化吸収が悪くなると言われています。最低でも夏は30分、冬場は1時間ほど浸水時間をとり、出来れば2時間ほど浸水するとより美味しい雑穀米に仕上がります。また、玄米や雑穀には発芽毒が含まれていますが、約半日ほど浸水することによって無害化させることが可能です。
ただし、雑穀米を長時間浸水しておくと雑菌が繁殖する可能性もあるので、こまめに水を変えるなど衛生管理には気をつけて下さい。
②入れる量は米1合に対して大さじ1杯
白米や玄米に雑穀を入れる際は、雑穀の量は米1合に対して大さじ1杯程度を目安にするのが基本の食べ方です。雑穀には食物繊維が豊富に含まれているため、量が多すぎると体調不良を引き起こす場合があります。雑穀を始めて食べる方や体調に不安のある方は、小さじ1杯から始めて徐々に増やしていくと取り入れやすいでしょう。
③毎日食べる
雑穀米は一度に大量に食べるのではなく、毎日少しずつ食事に取り入れて継続することでその効能が期待できます。ご飯として食べ続けることが難しい場合は、雑穀をサラダに摂り入れたりクッキーなどのお菓子に活用したりと、毎日続ける工夫をすることが大切です。