アスパラガスの栄養素・効能は?成分を逃さない調理法や食べ過ぎの注意点など紹介!
【管理栄養士監修】アスパラガスに含まれる栄養素を知っていますか?旬はいつでしょうか。今回は、アスパラガスの栄養成分・効能に加え、栄養素を逃さない調理法・食べ方を紹介します。アスパラガスの食べ過ぎの注意点も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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アスパラガスはどんな野菜?
輸入品が多く、旬が過ぎると国産物を見なくなるアスパラガスですが、どのような野菜でしょうか。旬はいつかについて見ていきましょう。
アスパラガスの種類と旬
アスパラガスの旬は春から初夏にかけてです。寒暖差の激しい北海道や長野でよく栽培されています。旬のアスパラガスはβカロテンが豊富で含有量も増加します。
アスパラガスの種類は1種だけではなく、グリーンアスパラガスの他に、真っ白なホワイトアスパラガスがあります。これは栽培の仕方に違いがあり、芽が出る春先に盛り土をして光を当てないようにして栽培します。そのため手間がかかり、希少な野菜となります。
(*アスパラガスの旬の時期・季節について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
新鮮なアスパラガスの選び方
アスパラガスを選ぶときは以下のような部分をチェックしましょう。
・穂先が広がっていない
・茎が固くて太い
・緑が鮮やか
・切り口が乾いていない
・節が少ない
切り口が変色しているものは時間が経っています。アスパラガスは日持ちせず、萎びたり硬くなってしまいますので、購入したら早めに食べましょう。
アスパラガスの栄養成分と効能
アスパラガスにはどのような栄養成分が含まれているでしょうか。緑黄色野菜とされるアスパラガスには体に良い栄養成分が豊富に含まれていますよ。
カロリー | 22kcal |
---|---|
水分 | 93.2g |
タンパク質 | 2.6g |
糖質 | 2.04g |
食物繊維 | 1.8g |
脂質 | 0.2g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
①βカロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
31㎍ | 900㎍ | 3% |
アスパラガスに含まれるβカロテンは体内に入るとビタミンAに変換されます。ビタミンAは肌や目などの粘膜の健康を維持してくれ、空気と一緒に吸い込んだウィルスなどから体を守ってくれる働きがあります。(※2)
②アスパラギン酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
430mg | - | - |
アスパラギン酸はアスパラガスの先端から見つかったアミノ酸の一種で、疲労時にたまった乳酸をエネルギーに変換する働きがあります。テストステロンの働きに関する栄養でもあり、筋トレする場合も一役買ってくれる栄養素です。
③カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
270mg | 2500mg | 11% |
むくみ解消などの効能があるカリウムはアスパラガスにも豊富に含まれます。腎臓に働きかけて老廃物を外に出そうとする利尿作用があり、デトックス効果が期待できます。むくみを放置するとセルライトに変化し、なかなか落ちなくなってしまいますから、ダイエット中でなくてもぜひ摂取したい栄養成分です。(※3)
④ルチン
ルチン血液に関するトラブルの予防をしてくれる栄養素です。毛細血管を丈夫にする、血液の流れをスムーズにするなどの効能があり、血圧を降下させる効能もあります。そのため、脳卒中や高血圧などの高齢者がなりやすい病気の予防の効果が期待できます。
また、血管を丈夫にすることから、肩こりや冷え性などにも効果があるので、悩んでいる場合は積極的に摂りましょう。(※1)
⑤葉酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
190μg | 240μg | 79% |
妊婦に必要とされるのが葉酸です。細胞の形成などを助け、新生児の先天性障害である神経管閉鎖障害のリスクを減らす働きもあります。妊娠6週目から必要な栄養となりますので、妊活中から意識して摂ると良いでしょう。妊婦の他にも発育途中の子供にも必要な栄養素の他、動脈硬化やコレステロールの低下の手助けをする栄養素としても注目されています。(※4)
アスパラガスの栄養成分を逃さない調理法・食べ方は?
アスパラガスから効率よく栄養を摂取するにはどうしたらいいでしょうか。調理がしやすく、様々な調理法があるアスパラガスですが、以下のようにすると栄養を逃がすことなく摂取できます。
スープなど汁物で食べる
アスパラガスに含まれるカリウムは水溶性のため、茹でると水の中に溶け出します。さらに熱にも弱いので、普通に茹でるよりもスープなどにして汁ごと食べると栄養を丸ごと摂取できます。煮込みすぎると柔らかくなりすぎ、栄養も壊れてしまうので最後に少し茹でる程度にとどめましょう。
油で調理する
βカロテンの効能を得たいなら、油で調理するのがおすすめです。βカロテンは脂溶性で油に溶け込む性質を持っています。油と一緒に摂取することで体への吸収率がアップし、効率的にβカロテンを摂取できますから、炒めものなどにするといいでしょう。かさも減って食べやすくなるのもメリットですね。
アスパラガスは食べ過ぎには要注意?
体に良い栄養が豊富に含まれる旬のアスパラガスですが、食べすぎには少し注意が必要なようです。アスパラガスを食べすぎると体にどのような影響があるのでしょうか。
①尿が臭くなる
アスパラガスを食べると尿の匂いがきつくなると言われています。臭いがきつくなるのは平均40%ほどだそうですが、何故でしょうか。アスパラガスに含まれるアスパラギン酸は、体内に入ると硫黄含有物質に変換されます。それが尿と一緒に排出されるのです。茹で卵のような臭いと言われますが、この硫黄が関係していたのですね。
②こむら返りを起こす
アスパラガスに豊富に含まれるカリウムは、摂取し過ぎてもトラブルになりやすくなります。利尿作用が働きすぎると、水分が多く外に出されてしまいます。それと一緒に血中のミネラルも一緒に排出されることがあり、血液のミネラルバランスが崩れ、こむら返りが起きてしまいます。
アスパラガスには葉酸も含まれているので、妊婦ならたくさん摂取したいところですが、元々妊婦はこむら返りが起きやすいため、食べすぎには注意しましょう。
荻田 愛可
管理栄養士
ナトリウム(塩分)の排泄にカリウムが使われ、ミネラルバランスが崩れます。アスパラガスの食べ過ぎに注意すると共にナトリウムの摂取量にも注意が必要です。
③尿酸値が上がる
アスパラガスの穂先にはプリン体が含まれており、体内に入ると尿酸に分解されます。この尿酸は外に排出されますが、腎臓の排出能力を超えると体の中にたまっていきます。尿酸が一定量腎臓に溜まると結晶化するのですが、これが尿道結石です。また、結晶化した尿酸は関節にも溜まるので、これで膝に痛みを引き起こすのが痛風です。
かなりの量のアスパラガスを食べないとなることはないと言われていますが、尿酸値が高いと医師に言われているなら注意してください。
荻田 愛可
管理栄養士
アスパラガスにはプリン体が、穂先には100gあたり55mg、茎には100gあたり10mg含まれています。プリン体が気になるようであれば、茎の部分を選んで食べるのもおすすめです。
アスパラガスは栄養豊富な野菜
アスパラガスは栄養が豊富で様々な体のトラブルの改善に役立つ野菜です。食べやすく調理もしやすいうえ、お肉との相性もいいことから、年齢や性別に問わず食べやすい野菜と言えます。食べすぎに注意しながら旬のアスパラガスを楽しみましょう。