乾燥わかめをそのまま食べると危険な理由は?最悪は腸閉塞になることも?
【管理栄養士監修】乾燥わかめをそのまま食べてもいいのでしょうか?今回は、乾燥わかめをそのまま食べると危険な理由やそのまま食べてしまった場合の対処法も紹介します。そのほかにも、乾燥わかめの正しい戻し方も紹介するので参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
乾燥わかめはそのまま食べてもいい?
乾燥わかめは戻さない状態ではおやつのようにつまんで食べられ、低カロリーなのでダイエットの味方にもなりそうですが、そのまま食べるダイエット法はあまり知られていません。ここでは乾燥わかめをそのまま食べられるのかを紹介します。
【結論】乾燥わかめをそのまま食べるのはダイエットでもおすすめしない
ヘルシーであるはずのわかめをそのまま食べてダイエットに活用する話を聞かないのは、乾燥わかめをそのまま食べるのは非常に危険で、体にさまざまな悪影響があるためです。戻したわかめを食べてダイエットをするには問題ありませんが、乾燥させたわかめをそのまま食べるのは絶対に避けましょう。
乾燥わかめをそのまま食べると危険な理由についてはこの後で詳しく解説します。
加藤 心
管理栄養士
わかめは食物繊維を豊富に含むため、ダイエットや生活習慣病予防に適した食材といえます。しかし、戻したわかめであっても食べすぎると下痢や栄養吸収率の低下の原因となるため摂取量には気をつけましょう。
乾燥わかめをそのまま食べると危険な理由とは?
乾燥わかめはそのまま食べると危険と言われますが、なぜでしょうか。まずは、乾燥わかめをそのまま食べると危険な理由や、食べたときの体への悪影響を紹介します。
乾燥わかめが危険な理由は「膨張率」にあり
乾燥わかめをそのまま食べるのは危険と言われるのはわかめの膨張率にあり、わかめは乾燥の状態ではほんの少しの量に見えても、水分を吸収するとおよそ10倍にも膨張します。乾燥わかめを戻さずにそのまま食べると戻してから食べるよりも多く食べてしまいがちになり、結果として胃の中で水分を吸収して大きく膨張し、体にさまざまな悪影響を及ぼします。(※1)
乾燥わかめをそのまま食べる悪影響の例
乾燥わかめをそのまま食べると以下のような悪影響が起こります。
・腸閉塞
・腹痛
・嘔吐
・窒息
・内臓破裂
乾燥したわかめを食べると、わかめが胃の中の水分を吸収して大きく膨張します。胃の中では胃酸によって食べ物が消化されますが、消化がわかめの膨張に追いつかないと嘔吐することがあり、さらに物理的に胃が膨張することで腹痛を起こすことがあるので注意が必要です。
また、人間の口や喉は胃袋よりも伸縮性がないため、口の中に乾燥わかめを詰め込んだ状態で水分を口に含むとその膨張によって窒息する可能性もあります。さらに、胃を通り過ぎたわかめは腸に進んでいきますが、食べ過ぎれば小腸や大腸ににわかめが詰まって腸閉塞となることもあるでしょう。最悪のケースでは内臓破裂によって死亡する場合もあるようです。
加藤 心
管理栄養士
さらに乾燥わかめには「ヨウ素」が豊富に含まれており、長期間大量に摂取し続けると無気力、むくみ、体重増加、疲労感、月経異常などといった症状が出る甲状腺機能低下症の原因となる場合もあります。
乾燥わかめをそのまま食べてしまった場合の対処法は?
乾燥わかめを誤ってそのまま食べた場合はどうすればよいでしょうか。特に子供はおやつと間違えて食べる可能性もあり、子供がいる家庭の場合は対処法を知っておくことが大切です。ここからは、乾燥わかめを食べた時の対処法を紹介します。
症状によっては病院へ行く
乾燥わかめを少量食べた程度では特に問題はありませんが、以下のような症状が出たら病院に行きましょう。
・吐き気
・嘔吐
・激しい腹痛
・食欲不振
・腹部膨満感
・便やガスが出ない
乾燥わかめにはパリパリとしたおやつのような良い食感があるので、大人が見ていないところで子供が多量に食べてしまう可能性もあります。子供がいる場合は、できるだけ子供の手の届かないところに置くなどの対策をするようにしましょう。
万が一乾燥わかめを食べた後にひどい吐き気や腹痛などに見舞われた場合は、早めに医療機関を受診するのがおすすめです。特に便やガスが出なくなった場合は腸閉塞に陥っている可能性があるので、早めに受診したほうが良いと言えます。
実際に、ダイエットが目的で乾燥わかめを食べて緊急手術をすることになった例もあるため、わかめを食べるときは必ず戻してからにしてください。