きくらげの栄養素と効能は?成分を逃さない調理法・レシピや食べ過ぎの注意点も紹介!
【管理栄養士監修】きくらげに含まれる栄養素を知っていますか?山の中で取れる、キノコの仲間とは思えない姿ですが、今回は、きくらげの栄養成分や効能効果に加え、栄養素を逃さない調理法・食べ方を紹介します。栄養が取れるレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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きくらげはどんな食材?
きくらげは中華料理に良く使われますが、旬の時期はあるのか、栄養はあるのか、気になるところです。きくらげについて調べてみました。
きくらげの旬
料理に入っているきくらげは、コリコリした食感が楽しいキノコですが、大半が乾燥物を水戻しして使われます。きくらげは乾燥物が一般的ですが、原木栽培や菌床栽培も行われているため、一年中出回ります。
最近では、生のものも見かけますが、天然物は直売所などで秋に他のキノコと並ぶことが多く、天然物の旬は9月ごろです。
きくらげのカロリー・糖質量
低カロリーに見えるきくらげは、実際どのくらいのカロリー量なのでしょう。糖質も有るのでしょうか。乾燥きくらげ100gで調べてみました。
カロリー | 171kcal |
---|---|
糖質量 | 0.9g |
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています
乾燥きくらげ100gあたりのカロリーは171kcal、この数字は一見低くは見えませんが、きくらげは水戻しすると5倍くらい重さが増えます。水で戻したきくらげではカロリーは100gあたり35gほど、糖質量も0.2gとかなり低くなり、ダイエットに効果的な食材といえますね。
新鮮なきくらげの選び方
生きくらげを選ぶ時の注意点をお伝えします。
・色が濃い
・しっとりしている
・肉厚である
・ふちが乾いていない
生きくらげは瑞々しく、表面がマットな感じでもしっとりした色の濃いものを選びましょう。肉が厚く、ふちが乾き始めていないものが新鮮です。石突に菌床や木片が付いている場合があるので、食べるときに切り落としてください。乾燥物を選ぶときは、なるべく大きなものの方が、戻したときに肉厚で歯ごたえが良いですね。
きくらげの栄養成分と効能は?
カロリー | 171kcal |
---|---|
水分 | 13.1g |
タンパク質 | 6.9g |
糖質 | 0.9g |
食物繊維 | 79.5g |
脂質 | 0.7g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は乾燥きくらげの値で、日本食品標準成分表を参照しています(※1)
ダイエット食材のきくらげですが、どんな成分が含まれるか見てみましょう。食べることで効果・効能はあるのでしょうか。
①食物繊維|便秘解消
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
79.5g | 20g | 398% |
きくらげに含まれる食物繊維は乾燥状態で79.5gと摂取量の目安の4倍にもなります。きくらげの食物繊維は、水溶性食物繊維が6.3gに対して、不溶性食物繊維が73.1gで、9割以上不溶性となっています。水溶性は血糖値の上昇を抑えたり、余分なコレステロールを体外に排出するのでダイエットに効果的です。
また、不溶性は腸内の有害物質のデトックスと水分を含むことで、便の量を増やし便秘を予防しますから、妊婦さんには必要な栄養ですね。(※2)
片村優美
管理栄養士
食物繊維は2種類あり、それぞれ働きが違います。キクラゲから多く摂れるのは、便秘解消予防に効果的な不溶性食物繊維です。お通じの改善を目的とする方におすすめです。
②ビタミンD|カルシウムの吸収促進
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
128.5μg | 5.5μg | 2336% |
きくらげのビタミンDは128.5㎍、これは一日の摂取目安の23倍になります。きくらげが天日干しされたときに増えたのでしょう。ビタミンDはカルシウムやビタミンAの吸収を助け、血液中のカルシウム量を一定に保ちます。カルシウムの豊富な食材を食べても、ビタミンDがなければうまく吸収されません。育ち盛りの子供たちに、ぜひ取ってほしい栄養素です。(※3)
③カルシウム|骨の形成
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
82mg | 650mg | 13% |
きくらげにはカルシウムも豊富で牛乳の8割に匹敵する量が含まれています。カルシウムは歯や骨の形成に欠かせませんが、血液に乗って身体の隅々で筋肉の収縮や神経の伝達・ホルモンの分泌などに使われます。血液中のカルシウムが不足すると骨を溶かして補うので、骨粗鬆症になったり、精神面でも不安定になりやすくなります。(※4)
片村優美
管理栄養士
きくらげは一度に食べる量は少ないですが、栄養素が凝縮されているので効率よく栄養素を摂取できます。一度にたくさんではなく、コツコツととり入れていきましょう。
④カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
630mg | 2500mg | 25% |
カリウムはきくらげに630㎎含まれ、摂取目安の25%になりカリウムが多いと言われるバナナの2倍弱です。カリウムは体内の余分な水分を排出し腎臓でのナトリウムの吸収をコントロールする効果があるので、妊婦さんにはむくみを予防・解消ししてくれます。ただし水溶性なので、水に浸けて茹ですぎると流出してしまいます。(※5)
⑤鉄分などミネラル類
栄養素 | 含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 |
鉄 | 10.4mg | 7mg | 148.6% |
マグネシウム | 110mg | 340mg | 32% |
リン | 110mg | 1000mg | 11% |
きくらげには、鉄分やマグネシウム・リンなども豊富に含まれ、特に鉄分は摂取目安の1.5倍もあります。鉄分は血液の中で酸素を運ぶ役割があり貧血症の人や妊婦さんには重要な栄養素です。特に、妊娠中は通常の+2.5g~+9.5g摂る必要があるそうで、たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まります。
また、マグネシウムは身体の各所で、酵素を活性化する補酵素として働き、リンは骨の構成成分となるほか、遺伝子たんぱく質の構成要素でもあり、こちらも妊婦さんには摂ってほしいですね。(※6)
片村優美
管理栄養士
ミネラル類の必要な量はわずかですが、さまざまな反応に関わっているので不足すると色々な症状が現れます。女性は特に鉄が不足しやすいので、日常的に摂取を心がけましょう。
きくらげの栄養成分が効率的に摂れる食べ方は?
きくらげの栄養分を効果的に吸収するには、どんな工夫が必要なのでしょう。
乾燥きくらげのパウダーを使う
きくらげの栄養分だけを効率的に摂りたい場合は、きくらげパウダーが良いでしょう。乾燥きくらげを粉末にしてあり、粉もの料理に混ぜ込んだり、汁物に直接入れて使うことができます。乾燥きくらげを使うことで、水で戻す際の水溶性の栄養成分が流出するのを防ぐことが可能です。
油で調理する
きくらげに含まれるビタミンDは脂溶性で油と一緒に食べると吸収率が上がります。油で炒めたり、サラダでドレッシングをかけるなど、油と一緒に摂る工夫をしてみてくださいね。
きくらげの食べ方の注意点は?
身体に良いきくらげですが、多く取れば取るだけいいといった訳でもなさそうです。
食べ過ぎない
きくらげは普段摂りづらい栄養を多く含んでいますが、前述のとおり食物繊維が非常に多く、腸にたまりやすいので、食べ過ぎれば腹痛や下痢・吐き気をする可能性もあります。また鉄分も多いですから、食べ過ぎれば吐き気や活性酸素を増やす原因にもなってしまうので、食べ過ぎないよう気を付けましょう。
(*きくらげの食べ過ぎについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
きくらげの栄養がとれるレシピのおすすめ
①きくらげとラム肉の炒め物
栄養豊富なきくらげですが、ビタミン類やたんぱく質はあまり含まれません。ラム肉は栄養のバランスが良く不飽和脂肪酸やビタミン類、必須アミノ酸を含み、ピーマンからはビタミンCをたっぷり摂ることができます。
②きくらげとトマトのサラダ
きくらげをサラダで食べてみましょう。柚子胡椒のドレッシングは大人向けの味ですが、オリーブオイルを使えば脂溶性ビタミンをしっかり吸収できますよ。
③白きくらげの薬膳スープ
白きくらげを使った薬膳スープは身体を温め、美肌とアンチエイジングに効果的です。塩味のスープでなく、黒砂糖やはちみつで甘くデザート風に作ることも有ります。
きくらげは栄養豊富な食材
きくらげは栄養が豊富で味に癖もないので、いろいろな料理に使うことができます。きくらげを入れると栄養価もぐっと上がるので、料理に加えてみましょう。