馬肉(馬刺し)のカロリーや栄養素を【牛・豚・鶏】と比較!健康効果や効能も紹介!
【管理栄養士監修】馬肉に含まれる栄養素やカロリー・糖質を知っていますか?馬刺しとして食べることが多いですが、ヘルシーでしょうか。今回は、馬肉を【牛肉・豚肉・鶏肉】と比較して、栄養成分・効能などを紹介します。馬刺しとして生食できる理由も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
馬肉のカロリー・糖質は?

馬肉はカロリーが低く、タンパク質が多い食材と言えます。肉と言えば高カロリーなイメージがありますが、馬肉は当てはまらないようです。タンパク質も豊富なことから、トレーニングをする時にもおすすめの食材と言えます。
馬肉のカロリー・糖質を【牛・豚・鶏】と比較
カロリー | 糖質 | タンパク質 | |
馬肉 | 110kcal | 0.3g | 20.1g |
豚肉 | 386kcal | 0.1g | 22.1g |
牛肉 | 371kcal | 0.2g | 20.7g |
鶏肉 | 200kcal | 0g | 18.8g |
牛・豚・鶏肉との、カロリー・糖質・タンパク質量の比較です。こうしてみると、馬肉はとてもカロリーが低く、ヘルシーな肉と言えます。さらに馬肉は馬刺しで食べることが多いことから、油を使うこともなく、調理法で見てもカロリーを抑えられます。
糖質は馬肉が1番多いのですが、ほとんど差はないと言ってもよいでしょう。また、タンパク質量でみても、他の肉と大きく変わることはなく、中央値になっています。
竹本友里恵
管理栄養士
馬肉でも部位によって味やカロリーが異なります。一般的に好まれる部位のロースやヒレは赤身なので、ヘルシーな馬肉の中でも更に脂身が少なく、特にロースは高級品と言われています。タテガミは馬肉にしかない希少部位で、コラーゲンが多く食感もプリプリしています。馬肉は豚や牛と比べて体温が高く細菌が繁殖しにくいので、馬刺しなど生で食すことができます。カロリーが低く加熱による栄養流出を抑えることができるので、馬肉はダイエットや美容におすすめです。
馬肉の栄養素と効果・効能

含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 | |
タンパク質 | 20g | 60g | 33% |
脂質 | 3g | 60g | 5% |
カルシウム | 11mg | 2500mg | 0.5% |
鉄分 | 4mg | 7.5mg | 53% |
グリコーゲン | 2290mg | - | - |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
馬肉に含まれる栄養とその効能はどのようなものでしょうか。栄養分の中には熱や水にさらすことで壊れたり溶け出してしまう成分もありますから、馬刺しなら栄養を逃がすことなく丸ごと摂取できます。
①タンパク質
馬肉 | 20mg |
---|---|
豚肉 | 14mg |
牛肉 | 20mg |
鶏肉 | 19mg |
タンパク質は肌や髪、臓器など、あらゆる場所で使われる成分で、美容のほか、エネルギーとしても使われます。筋肉を作る成分でもあるため、トレーニングやダイエットには欠かせない栄養です。保温の効能もあることから、不足すると体が冷えやすくなります。
また、タンパク質を摂取すると筋肉量のアップも期待できます。筋肉を付けるというとトレーニングを行っている人以外ではあまり関係が無いと思いがちですが、筋肉を付けると代謝が上がるので、ダイエットとも大きな関係がある様です。(※2)
②カルシウム
馬肉 | 11mg |
---|---|
豚肉 | 3mg |
牛肉 | 4mg |
鶏肉 | 5mg |
骨の形成に使われることとして知られているカルシウムは、骨に蓄積された後、3か月のサイクルで血液へ溶出されます。成長期の子供のほか、50代を越えると骨の形成よりも溶出される量が増えるので、骨粗しょう症になりやすくなりますから、積極的に摂りましょう。
また、カルシウムは精神安定の効果もあり、ダイエット中のイライラを抑えてくれるメリットもあります。(※3)
③鉄分
馬肉 | 4g |
---|---|
豚肉 | 0.6g |
牛肉 | 2.7mg |
鶏肉 | 2.7mg |
鉄分は血液の生成に大きくかかわります。鉄分は成分を変えて肝臓などに蓄積されていますが、赤血球が足りなくなるとそこから再び鉄分となって使われます。女性は特に貧血になりやすいので男性よりも多く摂りましょう。馬肉は赤身の肉なので、鉄分が多く含まれています。
また、鉄分はビタミンCと一緒に摂る事で吸収効率が上がるとされています。貧血気味などで鉄分をより効率的に摂りたい場合には、ビタミンCを含む食品と一緒に摂取すると良いでしょう。(※4)
④ビタミンB1・B2
ビタミンB1 | ビタミンB2 | |
馬肉 | 0.1mg | 0.2mg |
豚肉 | 0.5mg | 0.1mg |
牛肉 | 0.09mg | 0.22mg |
鶏肉 | 0.08mg | 0.22mg |
ビタミンB1は糖質からエネルギーを生産し、皮膚や粘膜の健康を保ちます。脳神経を正常に働かせる効果があるのでもビタミンB1です。
不足すると体がだるくなるなどの不調が起きますから、夏バテに最適な成分です。ビタミンB2は脂質やたんぱく質をエネルギーに変えて代謝を支える役割をします。活発に動く子供に必要なもので、不足すると成長障害などが起こります。ビタミンB1やB2を含む馬肉を食事に取り入れて、健康維持に役立てましょう。(※5、6)
⑤グリコーゲン
馬肉 | 2290mg |
---|---|
豚肉 | 432mg |
牛肉 | 674mg |
鶏肉 | 98mg |
グリコーゲンは体内に入るとぶどう糖に変換され、脳を活性化させる効果があります。集中力や記憶力にも関わりますから、仕事や勉強の時に摂取すると作業効率が上がるとされています。エネルギーが作られる際に熱も発するため、体温を上昇させるのにも一役買ってくれます。疲労回復にも効果があります。
馬肉は他の肉に比べると非常に多くのグリコーゲンが含まれていることがわかります。
⑥必須脂肪酸
その他、馬肉にはオレイン酸やレノイン酸と言った不飽和脂肪酸と呼ばれる必須脂肪酸が含まれています。人体では作れませんから、食べ物から摂取しましょう。これらの脂肪酸は善玉コレステロールを減らさずに、悪玉コレステロールだけを減らす働きがあります。
血液をサラサラにすることから、動脈硬化やメタボの予防などの、現代人の健康に大きくかかわると言われています。(※7)
馬肉(馬刺し)はなぜ生で食べても良いの?

馬肉と言うと、馬刺しを思い浮かべますが、どうして馬肉だけが生で食べられるのでしょうか。他の肉は病気や食中毒が懸念されるため、禁止されることが多いです。何が違うのでしょうか。
冷凍し殺虫・殺菌しているから
馬肉はアレルギーも低く、食中毒のリスクも低い肉です。馬肉の流通は基本的には冷凍で、マイナス20度のとても低い温度で48時間冷凍したものが馬肉として販売されます。低い温度で管理されるので、殺虫、殺菌されます。また、屠畜される段階で保健所が入り、厳しいチェックに合格したものだけが馬肉になります。
さらに、馬肉は他の動物と比べて体温が高く、雑菌が繁殖しにくいという特徴があります。
馬肉は栄養豊富な食材
馬肉は他の肉に比べて流通は少ないものの、栄養は豊富で健康的な食材です。ヘルシーで高タンパクなのでダイエット中でも安心です。チャンスがあればぜひ食べてみましょう。