ごま油のカロリーは高い?でも健康・ダイエットに効果あり?栄養価やカロリーオフする使い方なども紹介!
【管理栄養士監修】ごま油のカロリー・糖質や脂質量を知っていますか?今回は、ごま油(100g・大さじ・小さじ)のカロリー・糖質量を〈油の種類別〉に比較しながら紹介します。ごま油のダイエット効果やダイエット向けの使い方も紹介するので、参考にしてくださいね。
目次
ごま油のカロリー・糖質や脂質量は?

ごま油は、ごまの風味豊かな食用油ですが、ごま油のカロリー・糖質量はどのくらいなのでしょう。
ごま油(100g・大さじ・小さじ)のカロリー・糖質量
カロリー | 糖質 | 脂質 | |
ごま油(100cc:100g) | 921kcal | 0g | 100g |
ごま油(大さじ:12g) | 111kcal | 0g | 12g |
ごま油(小さじ:4g) | 37kcal | 0g | 4g |
ごま油100cc当たりのカロリーは921kcalで、1日の摂取目安の1/3以上にもなります。大さじ1杯がカロリー111kcalで、りんごジュース250cc分です。小さじ1杯だとカロリー37kcalになり、いちごジャムなら大さじ1弱の量になります。ゴマから油だけを取り出しているので、当然糖質量はゼロで、脂質量は重さと同じです。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
ごま油のカロリー・糖質量を【種類別】に比較
カロリー | 脂質 | |
ごま油 | 921kcal | 100g |
サラダ油 | 921kcal | 100g |
キャノーラ油 | 884kcal | 100g |
オリーブオイル | 921kcal | 100g |
キャノーラ油以外は全てカロリー921kcalで、脂質は全て同じです。ごま油とオリーブオイルは純粋にごまやオリーブの実を絞って油をとり、サラダ油は低温でも固まらないように精製して数種類の植物油をブレンドしてあります。キャノーラ油は有害成分を取り除いたキャノーラ種という菜種の改良種からとられた油です。
ごま油の栄養素の健康・ダイエット効果とは?

ごま油はカロリー・脂質が高めであることが分かりましたが、他の油に比べヘルシーだと言われることがあります。それでは、ごま油にどんなダイエット効果があるか見てみましょう。
悪玉コレステロールを減らす
ごま油には不飽和脂肪酸が豊富に含まれ、オレイン酸は善玉コレステロールを減少させずに悪玉コレステロールを増やさない、穏やかな効果があります。同じ不飽和脂肪酸で必須脂肪酸であるリノール酸は、悪玉コレステロールを下げる作用が高いのですが、摂りすぎると善玉コレステロールまで減らしてしまう恐れがあります。
そのため、オレイン酸とリノール酸を併せて摂ることでリノール酸の摂りすぎを抑え、悪玉コレステロールを下げる効果が上昇すると言われています。また、オレイン酸は体内に取り込んだ時に酸化しにくいので、日常的に摂るのに適した油といえます。オレイン酸とリノール酸のコレステロール低下作用は、動脈硬化や心筋梗塞などの予防にも役立ちます。(※2)
鈴木真美
管理栄養士
リノール酸は、摂りすぎるとアレルギーの原因となることもあります。 また、酸化しやすく、体内で発ガンの元とされる過酸化脂質を生じやすいので摂りすぎには注意したいですね。
満腹中枢を満たす
ごま油に含まれる不飽和脂肪酸であるオレイン酸には、脳の中の視床下部の満腹中枢を刺激するという作用があります。ごま油を摂ると、小腸でオレイン酸が吸収され作り替えられて、オレオイルエタノールアミドという成分になります。それが副交感神経を刺激することで、約1時間後に満腹中枢が刺激されるという仕組みです。
また、この時作られるオレオイルエタノールアミドは、脂質代謝と脂肪細胞の脂肪の分解を肝臓で活性化し、中性脂肪や体脂肪・余分なコレステロールを減らす働きもあります。満腹中枢の刺激による食欲抑制と、オレオイルエタノールアミドの働きは、ダイエットに非常に有効ですね。(※3)
便秘を解消する
ごま油を摂ると、ごま油の脂肪分が胃腸の表面、上皮細胞と呼ばれる栄養を吸収する細胞を、一時的に覆うことで、胃腸の活動が止まります。それにより腸の蠕動運動が活発になり、排便が促されます。更に、胃や腸で吸収されない油分が、大腸内で潤滑油の役割を果たし、排泄しやすくしてくれます。
日常的に、この効果が必要な場合は、毎日ティースプーン1杯を飲むと良いそうです。
血管を保護し血行を改善する
ごま油に含まれるセサミンは、抗酸化作用が高く悪玉コレステロールの低下やアルコール代謝の促進、肝臓の保護などの効果が報告される栄養素ですが、血圧にも効果があると近年分かってきました。不飽和脂肪酸とよく似た効能のあるセサミンは高血圧だけでなく、低血圧にも効果が確認された期待の栄養素です。
また、ごま油のビタミンEは末梢血管を広げ血行を促し、微量ミネラルのセレンとの効果で体内の抗酸化システムに働きかけています。これらの栄養の抗酸化作用は、ごま油本来の働きである皮膚や細胞膜・血管などへ作用し、酸化と紫外線の害から守り、アンチエイジングを促進します。(※4)
(*ごま油の効能や危険性について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
ごま油のダイエット向けのカロリーオフな使い方は?

有効成分の多いごま油ですが、摂りすぎは身体に負担をかけます。上手にカロリーを減らす使い方を紹介します。
①テフロン加工のフライパンを使う
ダイエットをする人が、まず気を使うのは油の量です。同じ調理器具でも、鉄製のものは油を吸い込むので、使う量が多くなりがちですが、テフロン加工されたフランパンや鍋なら、油なしでも調理できるくらいなので、カロリーダウンが可能です。油を入れずに調理して、最後に風味づけ程度にごま油を垂らせば、かなり油の量を減らせますね。
②香りづけの場合は黒ごま油を使う
ごま油には焙煎ごま油、低温焙煎、太白など作り方によって種類があります。焙煎ごま油は煎ることで香りを立たせ、油を搾りやすくしたもので一番香りが強くなります。低温焙煎は炒り焙煎より低い温度で煎ってあるので、焙煎に比べると、色も香りもまろやかでかすかにナッツのような香りがする程度です。
太白は煎らずに高温加熱して絞られたもので、香りも味も非常に弱く、香りもほとんど無く、お菓子作りに使えるほどクセがありません。料理の香りづけに使うなら、炒り焙煎の色の濃いものを使うと、香りも強いので少量で満足できます。
鈴木真美
管理栄養士
ごま油は香りがとても良いので、薄味にした料理の仕上げに垂らすだけで「美味しい」という満足感が高まり、減塩にも役立ちます。
(*ごま油のダイエット向きの食べ方について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
ごま油のカロリー・脂質に気をつけよう
ごま油は栄養効果の高い油で、適切に取れば健康維持に役立つ一方、油としてのカロリーの高さや脂質量はどうしても付きまといます。摂りすぎには注意しながら、ごま油の効果を活かしましょう。