昆布の栄養素と効能は?食物繊維が豊富?成分が取れる食べ方・レシピなど紹介!

【管理栄養士監修】昆布に含まれる栄養素を知っていますか?昆布はさまざまな栄養素を含む栄養満点の食材です。今回は、昆布の栄養成分・効能に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方も紹介します。食べ過ぎの注意点やレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。

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専門家監修 |管理栄養士・栄養士 永倉沙織
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管理栄養士としてサプリメント会社に年勤務。その後、サプリメント アドバイザーを取得してフリーランスとして活動を開始。美容・健康メディアの掲載記事・...
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管理栄養士としてサプリメント会社に3年勤務。その後、サプリメント アドバイザーを取得してフリーランスとして活動を開始。美容・健康メディアの掲載記事・食事アドバイス&サプリメントプログラム監修など行なっています。 現在は無理な食事制限や偏った食生活に警鐘を鳴らし、食べることでカラダの調子を整え美しく健康的なカラダ作りの方法を伝えています。膨大な美容・健康情報から正しい選択と自分に合った方法を見つけていただきたいです。

目次

  1. 昆布はどんな食材?
  2. 昆布の旬や選び方
  3. 昆布のカロリー・糖質
  4. 昆布の栄養素と効果・効能
  5. ①食物繊維(アルギン酸・フコイダン)
  6. ②ミネラル
  7. ③フコキサンチン
  8. ④グルタミン酸
  9. 昆布の栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?
  10. ①とろろ昆布で食べる
  11. ②昆布の出汁がらも食べる
  12. 昆布を食べ過ぎは体に悪い?理由は?
  13. ①下痢・便秘になる可能性
  14. ②ヨウ素の過剰摂取
  15. 1日の摂取量の目安
  16. 昆布の栄養がとれるレシピのおすすめ
  17. ①昆布のかんたん佃煮
  18. ②とろろこんぶと梅干しのスープ
  19. ③春菊と塩昆布の和え物
  20. 昆布は栄養豊富な食材

昆布はどんな食材?

昆布は出汁やおかずに多く利用されますが、食べる時にはカロリーや糖質が気になる場合もあるかもしれません。ここでは昆布の旬や選び方のほか、カロリーや糖質量について解説します。

※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)

昆布の旬や選び方

昆布の旬や、選び方はこのようになります。

・旬は7~9月
・よく乾燥している
・肉厚
・緑褐色でつやがある
・香りが良い


天然の食用昆布のほとんどは北海道で採れたもので、7~9月の夏の時期に採取され、その後時間をかけて干し上げます。昆布を選ぶ時は、香りがよく緑褐色でつやがある肉厚なものが良質です。なお、昆布の表面に白い粉が見られることがありますが、これはカビや汚れではなくマンニットという甘味成分なので心配ありません。

昆布のカロリー・糖質

カロリー 糖質
昆布 140kcal 21.7g
わかめ 134kcal 15.7g
もずく 4kcal 0g
めかぶ 11kcal 0g

乾燥している昆布は、生のもずくやめかぶと比べるとカロリーも糖質量も高く、乾燥したわかめと比較しても糖質量が多めです。

昆布の栄養素と効果・効能

カロリー140kcal
タンパク質8.3g
糖質21.7g
食物繊維36.8g
脂質1.5g

昆布にはタンパク質や糖質も含まれますが、中でも食物繊維が豊富に含まれているのが特徴で、ほかにも、有効成分が豊富に含まれています。ここでは、昆布に含まれる栄養素とその効果や効能について紹介しましょう。

①食物繊維(アルギン酸・フコイダン)

含有量(100g) 1日の摂取量の目安 1日の摂取量に占める割合
36.8g 20g 184%

昆布は食物繊維がその全成分の3割以上を占めています。昆布を茹でると独特のぬめりが出ますが、これは昆布に含まれるアルギン酸やフコイダンと呼ばれる水溶性食物繊維の影響です。アルギン酸は腸内での糖質の吸収を穏やかにして、食事による血糖値の急上昇を妨げ、余分な脂質が腸内で吸収されるのを抑制し、体内のコレステロールを減らす効果があります。

さらにアルギン酸は腸内で水分を吸収して膨らみ、かさを増やして腸内の便を柔らかくし、腸が刺激されて蠕動(ぜんどう)運動が活発になるため、便秘予防・改善にも効果的です。アルギン酸と同じ水溶性食物繊維の一種であるフコダインは、摂取することで疲労回復や滋養強壮に効果を示すほか、免疫力アップも期待できます。

ほかにも糖尿病や高血圧などの生活習慣病にも効果があると言われている成分で、さまざまな効果・効能を持つ昆布は、ダイエットや健康維持にぴったりの食材と言えます。(※2)

永倉沙織

管理栄養士

昆布のネバネバは便を柔らかくして、排泄しやすくする働きがあります。便秘解消のために野菜を食べているのに、お腹がスッキリしない、お腹が張ってしまう方にオススメです。

②ミネラル

ヨウ素 カルシウム カリウム
含有量(100g) 210000μg 430mg 5200mg 3mg
1日の摂取量の目安 150μg 800mg 2,500mg 7.5mg
1日の摂取量に占める割合 140000% 53% 208% 40%


昆布には上記の表のように、さまざまなミネラルが豊富に含まれる食材です。中でもヨウ素やカリウムは、昆布100gを摂取することで1日の摂取量を大幅に上回ります。ここからは、それぞれのミネラルの効能や作用を説明しましょう。

■ヨウ素:新陳代謝や成長を促す作用をもつ甲状腺ホルモンの合成に必要な成分
■カルシウム:骨や歯の主要な構成成分であるほか、筋肉の収縮や神経伝達・血液凝固に重要な役割を持つ成分
■カリウム:体内ナトリウム量の調節をし、筋肉の正常な収縮運動や神経伝達に必要で、血圧降下作用や脳卒中の予防・骨密度の増加効果のある成分
■鉄:体中に酸素を運ぶヘモグロビンの材料となる、赤血球合成に欠かせない成分

昆布に含まれるミネラルであるヨウ素やカルシウム・カリウム・鉄は生命維持に欠かすことができない栄養素です。このようなミネラルを豊富に含む昆布は、積極的に食事に取り入れたいですね。ただし、ヨウ素は摂取しすぎる弊害もある(詳しくは後述)ので、要注意です。(※3)

③フコキサンチン

含有量(100g) 1日の摂取量の目安 1日の摂取量に占める割合
19mg 400mg 5%

フコキサンチンは海藻からしか摂取することができないカロテノイドの一種で、かつ海藻にも微量しか含まれない希少な成分です。フコキサンチンは体内の活性酸素を除去する強い抗酸化作用を持つほか、血糖値を低下させる効果も持っています。

④グルタミン酸

含有量(100g)1100mg

昆布にはうま味のもととなるグルタミン酸が、100gあたり1100mg含まれています。このグルタミン酸には胃に働きかけて過食を防ぐとともに、グルタミン酸のうま味成分としての働きにより低い塩分濃度でも満足感を得られるため、減塩につなげることができます。

昆布の栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?

栄養満点の昆布は、栄養成分を効率よく取れる食べ方を理解しておくことで健康増進に役立てることができます。ここではおすすめの昆布の食べ方をいくつか紹介しましょう。

①とろろ昆布で食べる

昆布は調理に手間がかかるので、使うのをためらう場合もあるかもしれません。手軽に昆布の栄養を摂取したいのであればとろろ昆布を活用するのもおすすめです。とろろ昆布であれば、出来上がった味噌汁やうどんの汁へ浮かべたり、おにぎりに使用するなど簡単に食事に取り入れることができて、昆布の全ての栄養を摂取できるので非常に効率的です。

(*とろろ昆布の栄養素・効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)

とろろ昆布の栄養素と効能は?食物繊維にダイエット効果あり?食べ過ぎの注意点も解説!

②昆布の出汁がらも食べる

昆布は出汁に使用する方も多いですが、だしがらの昆布は捨ててしまう場合も多いでしょう。しかし、昆布に含まれる栄養素の中でも水溶性食物繊維であるアルギン酸は95%以上がだしがらに残ると言われています。ほかにもマグネシウムやカリウム・ヨードなどのミネラル類もだしがらに残るので、だしがらを捨ててしまうのは非常にもったいない行為です。

だしがらをそのまま食べるのは抵抗があるかもしれませんが、酢昆布や佃煮などにアレンジすることで食べやすくなります。

永倉沙織

管理栄養士

お出汁にしてもそのまま食べることも出来る万能食材です。その時のお料理に合わせて食べ方を工夫しましょう。

昆布を食べ過ぎは体に悪い?理由は?

健康に良い成分が豊富だとはいえ、昆布を食べ過ぎると体に悪いのではないかと気になる場合もあるでしょう。ここでは、昆布の食べ過ぎによる影響や1日の摂取量の目安について紹介します。

①下痢・便秘になる可能性

昆布には食物繊維が豊富に含まれているため、適度な量であれば整腸効果によって便秘改善にも役立ちますが、食べ過ぎれば腸の動きを過剰にし、下痢を引き起こす場合があるので注意が必要です。また、胃の調子が悪い時は腸の働きも低下しているので、昆布を食べ過ぎると、昆布が便の水分を吸収して便が硬くなり、結果として便秘を引き起こす可能性があるのです。

このように整腸効果をもたらすはずの昆布も、食べ過ぎれば腸の状態を悪化させるので、食べ過ぎず適量を摂取するのが安全です。

②ヨウ素の過剰摂取

昆布は各種ミネラルを豊富に含む食材ですが、食べ過ぎはヨウ素の過剰摂取につながるので注意が必要です。代謝や成長に関わる甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素は、身体の機能維持には欠かせません。しかし、ヨウ素を過剰に摂取すると甲状腺の働きが阻害され、甲状腺機能低下症に陥る場合があります。

1日の摂取量の目安

このように昆布は食べ過ぎると下痢や便秘の原因となったり、甲状腺機能低下症を引き起こしてしまう可能性があり、食べ過ぎて健康を害さないためにも1日の摂取量の目安を理解しておく必要があります。ヨウ素の過剰摂取による症状を引き起こすリスクが高まるとされる許容上限摂取量は3000μgですが、これを昆布に換算すると1.4gに相当します。

毎日昆布を食べるのであれば、1.4gは上回らないようにすると安心です。目安としては10cm
幅の昆布1.5cmほどになります。

昆布の栄養がとれるレシピのおすすめ

昆布は出汁からも栄養を摂取できますが、昆布そのものを食べた方が栄養はより豊富です。ここでは昆布の栄養が取れるおすすめのレシピをいくつか紹介します。

①昆布のかんたん佃煮

出典:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1530005897/

ご飯のおかずにもぴったりの昆布の佃煮は、少しの手間で簡単に作ることができます。小さめに切っておくことで、昆布の食べ過ぎ防止にも役立つでしょう。

↓詳しい作り方・手順はこちら↓

切って煮るだけ 昆布の佃煮 レシピ・作り方 by liqueur|楽天レシピ

②とろろこんぶと梅干しのスープ

出典:https://www.kikkoman.co.jp/homecook/search/recipe/00003106/index.html

とろろこんぶは、梅干しやネギと組み合わせることで簡単においしいスープに仕上げることができます。ランチなどの付け合わせとしてもおすすめです。

↓詳しい作り方・手順はこちら↓

とろろこんぶと梅干しのクイックスープのレシピ・つくり方 | キッコーマン | ホームクッキング

③春菊と塩昆布の和え物

出典:http://recipe.suntory.co.jp/recipe/007223

春菊などの葉野菜は、茹でて市販の塩昆布を和えるだけでおいしい一品になります。葉野菜の栄養も一緒に摂取できる栄養満点のおかずです。

↓詳しい作り方・手順はこちら↓

春菊の塩昆布あえ | サントリー レシピッタ - あなたにぴったり、お酒に合うかんたんレシピ

昆布は栄養豊富な食材

昆布は各種ミネラルや食物繊維を含む栄養豊富な食材ですが、食べ過ぎはヨウ素の過剰摂取につながるため注意が必要です。適度な量を取り入れることで、毎日の健康維持にも役立つでしょう。

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