しいたけの食べ過ぎに注意?吐き気や下痢・腹痛の原因に?1日の適量なども解説!
【管理栄養士監修】しいたけを食べ過ぎるとどうなるか知っていますか?今回は、しいたけの食べ過ぎによる〈吐き気・腹痛・下痢〉 など悪影響の例を原因とともに紹介します。しいたけの食べ過ぎになる量や、食べ過ぎによる症状の対処法・防止策も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
②妊婦の場合
妊婦の1日分の目安は、普通サイズのしいたけで約5枚ほどとなっており、重さで言うと約125gです。妊娠中はカルシウムが重要な栄養素となっていますが、そのカルシウムの吸収を高めるにはビタミンDが欠かせません。しいたけにはビタミンDもありますが、特に乾燥しいたけに多く含まれます。
妊娠・授乳期のビタミンD濃度は、子供の小児期や思春期の成長にも影響すると言われ、妊娠中から授乳期まで意識的に取りたい栄養素です。また、母乳は白い血液とも呼ばれており、貧血になりやすいため、血液の元となる赤血球の形成を助けるビタミンDは、授乳期にもしいたけはお勧めの食材です。(※3)
③子供の場合
10歳前後の子供の1日の適量は、普通サイズのしいたけで3~4枚くらいで、重さにすると75~100gと言われています。大人と同じくらいの摂取量ですが、成長期に差し掛かる子供たちにはカルシウムと働くビタミンDが必要になります。
ビタミンDは骨や歯を形成する際に必要な栄養素で、脳の発達にも大きく関与し、イライラを鎮めるなど感情のコントロールが未熟な子供の精神的な成長を助ける栄養素です。
また、9か月前後の赤ちゃんが食べる際は十分に加熱し、1食分はふつうサイズの1/3枚程度で良いでしょう。母乳の場合なら親が摂取すれば栄養は届きますし、体験を増やすという意味合いになります。
竹本友里恵
管理栄養士
しいたけは細胞壁が破壊されてることで旨味であるグアニル酸が増す食材で、乾燥・冷凍するとさらに栄養素もアップします。冷凍しただけではほとんど栄養価は変わりませんが、解凍したときに流れ出る水分で、水溶性ビタミンなど水に溶けやすい成分は減ってしまいます。あらかじめ使いやすい大きさにカットしておけば色々な料理に使用できるので便利です。食べ過ぎを防ぐためにも、ジップロックに小分けにしたり、使用しない椎茸をあらかじめ冷凍するなど予防しましょう。
しいたけの食べ過ぎによる症状の対処法・防止策は?
適量を守っていてもその日の体調などにより不調を起こすこともあります。その際の対処法や予防策はあるのでしょうか?
①煮る・茹でるなどの調理をする
一般的にきのこ類は十分な加熱が必要な食品で、しいたけを茹でることで、食物繊維に先に吸水させれば多少食べ過ぎてしまっても、トラブルの予防になります。また、しいたけ皮膚炎と呼ばれる、激しいかゆみを伴う皮膚湿疹を伴うアレルギー症状を起こすことがありますが、原因は十分火が通っていない半生の状態で食べると起こってしまうと考えられています。(※4)
(*しいたけは生で食べられるかについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
②水分を多めにとる
しいたけの食べ過ぎによる、お腹が張って苦しい、ガスが出てつらい、便秘気味などの症状がある場合は水分を意識して摂ってください。十分な水分がないと腸壁を刺激するほど膨らめず、そのまま腸内にとどまることになってしまいます。その結果ガスが発生して、お腹が張るなどの不快症状が現れてしまうのです。
解消するには十分な水分摂取が効果的な方法です。食物繊維の多い食品を食べた際は、水溶性・不溶性にかかわらず水分摂取量が大切なポイントとなります。
しいたけを適量食べた場合の効果・効能は?
しいたけは適量であれば栄養満点の素晴らしい食材です。しいたけの効果・効能を説明していきます。
①整腸効果・便秘解消
しいたけにはさつまいもの2.4倍の食物繊維が含まれています。少量のしいたけでも食物繊維は効果的な量を摂取できるので、日々の体調管理に役立ちます。不溶性食物繊維は、腸内で代謝・発酵されビフィズス菌のエサとなります。ビフィズス菌が増加すると、消化促進作用や腸内腐敗産物の減少などの腸内環境の改善が期待できるのです。
また、しいたけに含まれている、マグネシウムには腸に水分を集めて便を柔らかくする作用があります。毎日の便通改善に取り入れてみると良いでしょう。(※5)