にんにくの栄養・健康効果は?生と加熱調理で効能が変わるって本当?
【管理栄養士監修】にんにくは栄養豊富な野菜だと知っていますか?独特のにおいが特徴ですが、このにおいにも効能があります。今回は、にんにくの栄養成分・効能や生・加熱の調理法別に変わる効果について紹介します。にんにくの旬や選び方のポイントも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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にんにくってどんな野菜?
中華料理や焼肉、スタミナ料理によく使われるにんにくですが、主役として食べるよりも、調味料や薬味として使われることの方が多いですね。にんにくの旬はいつ頃なのか、何を基準に選べばいいかを紹介します。
にんにくの旬・種類
中国産などの輸入が多くいつも販売されてるにんにくですが、旬は5月から8月にかけてです。種類は白いものが多いのですが、山口県などの南の方では赤っぽい色のにんにくも栽培されています。大きさも様々で、手のひらいっぱいに乗る大きなジャンボにんにくという品種もあり、こちらは臭いもマイルドです。
にんにくの選び方
薬味や調味料に使うことが多いにんにくは、できるだけ新鮮で状態の良いものを選びたいものです。新鮮なにんにくを選ぶには、どんな状態の物を選べば良いか見てみましょう。
・ずっしりと重い
・実がぎっしり詰まっていて固い
・芽が出ていない
・赤く変色していない
・臭いがきつすぎない
白いにんにくなのに赤くなっている場合、アントシアニンが表に出て赤くなっています。食べても害はありませんが、時間が経っている証拠なので、購入は避けたほうがいいでしょう。また、臭いが強すぎるものは中で虫が食べて臭いが漏れているものですので避けましょう。
にんにくの栄養素と健康効果
カロリー | 136kcal |
---|---|
水分 | 63.9g |
タンパク質 | 6.4g |
糖質 | 21.3g |
食物繊維 | 6.2g |
脂質 | 0.9g |
にんにくの中に含まれる栄養はどんなものがあるのでしょうか。にんにくと聞くと独特の臭いが特徴ですが、あの臭いにも体にとっては重要な役割があります。そのほか、炒め物にも使われるにんにくの芽に含まれる栄養についても紹介します。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
①アリシン
にんにくの成分の中でも体にとって特に重要な役割を果たすアリシンは疲労の原因の乳酸を分解して体を回復させる効果があります。
アリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンになり、ビタミンB1の吸収も良くします。ビタミンB1は豚肉に多く含まれる成分ですが中華料理などでよく見る組み合わせですよね。他にはシミやしわを防ぐアンチエイジング効果もあります。動脈硬化にも効果的です。
アリシンは加工の仕方でさまざまな成分に変化しますが、アリシン自体も成分が変化したものの一つです。アリインと呼ばれるアミノ酸がニンニクに入っており、アリインはにんにくを切ったりすり下ろすと、アリナーゼという酵素の作用によりアリシンに変化します。
アリシンは、にんにくの特徴である臭いの成分の正体でもあるため、にんにくのすり下ろしが食欲を増幅させる臭いをより解き放つのは、これが理由になっています。(※2)
②ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
12mg | 100mg | 12% |
美白や美肌にも効果があるビタミンCは、抗酸化作用があるので風邪予防や癌予防といった効果が期待できる栄養素です。主ににんにくの芽の部分に入っていて、含有量は100gあたり45mgになります。
ビタミンCの効果はシミやそばかすを防ぐ他、ニキビの炎症を抑える効果もあります。紫外線などの外からの刺激を受けてもバリア機能として働き、肌の回復を早めてくれます。(※3)
③スコルジニン
にんにくの成分にもかかわらず無臭のスコジルニンですが、体の栄養素を燃焼させる働きがあるのでダイエットに効果的です。また、アリシンと同じくビタミンB1を助ける働きがあり、更年期の倦怠感や不眠に効果があります。アンチエイジングにも効果的ですので、美容を気にする女性には嬉しい成分と言えるでしょう。
住吉彩
管理栄養士
他にもスコルジニンは新陳代謝を活発にして血行を促進してくれるので、冷え性の改善やダイエット効果も期待できます。