モンスターエナジーで死亡事故?中学・高校生や日本の事例も?毎日飲むのはNG?
モンスターエナジーを飲んで死亡した事故があると知っていますか?今回は、〈中学生・高校生〉など、〈日本・アメリカ〉で起きたモンスターエナジーによる死亡事故を、原因・症状とともに紹介します。モンスターエナジーの1日の適量や毎日飲む危険性も紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
モンスターエナジーで死亡事故あり?中学生・高校生の事例も?

清涼飲料水として販売されているエナジードリンクのなかでも、モンスターエナジーの人気は高いです。しかしモンスターエナジーの過剰摂取により、日本や海外で子供の死亡事故があったのも事実です。ここでは、モンスターエナジーが原因の死亡事故について説明します。
死亡事故例① 14歳(中学生の女性)【アメリカ】
2011年12月にアメリカにおいて、モンスターエナジーを飲んだ14歳の中学生が死亡する事故がありました。女性は中学生の女性は24時間で700ml入りのモンスターエナジーを2本飲み、不整脈が起こったことが原因で死亡したと報告されました。
モンスターエナジー1,400mlにはおよそ480㎎のカフェインが含まれており、350ml缶のコカ・コーラであれば14本分に匹敵する量となっています。24時間以内に1.5lの清涼飲料水を飲む人は珍しくないので、ジュース感覚で飲んだことで起こった悲劇と言えるかもしれません。
死亡事故例②20代(成人の男性)【日本】
2014年には日本で初めて、日常的にエナジードリンクを飲んでいた20代の男性がカフェイン中毒によって死亡しています。ガソリンスタンドで深夜勤務を担当していた男性は眠気を覚ますために毎日エナジードリンクを飲んおり、死亡する1年前から体調不良を訴えていたようです。解剖時にはエナジードリンクだけでなく、カフェインの錠剤も見つかっています。
一般的に血液1mlにおけるカフェインの血中濃度が70μgになると、死亡するリスクが高まるようです。解剖時の男性のカフェイン血中濃度は182μgと大幅に超えており、錠剤との併用も悪影響を及ぼした理由と予測できます。
死亡事故例③10代(高校生の男性)【アメリカ】
2017年5月にアメリカのサウスカロライナ州で、16歳の男子高校生がエナジードリンクやカフェイン錠剤の服用により死亡しています。死亡する2時間前にカフェラテやエナジードリンク、Lサイズの清涼飲料水を立て続けに飲んでおり、心臓に負担がかかったことが死亡理由と判断されました。
高校生の男性は心臓病とは無縁の生活を送っていたようですが、教室内で倒れてすぐに救急搬送されても回復できなかったそうです。解剖した検視官の言葉の通りカフェインの摂取量ではなく、短時間に大量に摂った結果として起こった不幸な事故でした。
死亡事故例④30代(成人の男性)【アメリカ】
2015年にエナジードリンクの1つであるレッドブルを大量摂取した30代の男性が、心臓発作を起こして死亡しています。男性は死亡する18時間前から710mlのレッドブルを24本飲んでおり、めまいと胸の苦しさを訴えて緊急搬送されました。しかし1時間後には死亡が確認され、心臓が裂けたことが直接の死因と結論づけられたようです。
日本では710ml入りのレッドブルは販売されていませんが、大量摂取することで死亡リスクが高まることは共通しています。モンスターエナジーを飲み続けると刺激を感じにくくなり、飲む量が増える傾向があるので注意が必要です。
モンスターエナジーで死亡する理由とは?

清涼飲料水であるモンスターエナジーを飲んで中学生や高校生だけでなく、成人も死亡していると知り驚いた人も多いでしょう。モンスターエナジーの何が原因で死亡したのかが、気になるところです。ここでは、モンスターエナジーを飲んで死亡する理由を詳しく説明します。
モンスターエナジーの短時間の飲み過ぎによる「カフェイン中毒」
モンスターエナジーの短時間の飲み過ぎによる「カフェイン中毒」になると、以下のような症状がみられます。
・心拍数の増加
・興奮症状
・吐き気
・嘔吐
・めまい
・手足の震え
・手足のしびれ
・不眠
モンスターエナジーだけでなく、カフェインが含まれるコーヒーやチョコレートを一緒に摂ることで過剰摂取につながるケースもあるのです。明治学院大学のホームページのなかでも以下のように、急性カフェイン中毒の危険性が紹介されていました。
●急性カフェイン中毒
個人差はありますが、1 ~ 2時間あたり1g以上の摂取で中毒症状を発症し、5g以上で死に至ります。短時間にコーヒーを8 ~ 10杯飲むと中毒を起こす可能性があります。
カフェインの過剰摂取により急性の中毒症状を起こすと、死亡する可能性があります。カフェインが含まれるモンスターエナジーを飲む際には、適量を守り十分に時間をあけるよう意識しないと過剰摂取につながる可能性を否定できません。またモンスターエナジーを摂取する際に風邪薬や鎮痛剤、アルコール飲料と併用すると死亡リスクが上がるので注意が必要です。
(*モンスターエナジーの飲み過ぎの副作用について詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。)
(*モンスターが体に悪い理由について詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。)
モンスターエナジーは何本まで?毎日・中学生が飲むのは危険?

中学生や高校生が疲労回復や眠気覚ましを目的に、モンスターエナジーを飲むこともあるでしょう。モンスターエナジーの適量を知っておくと、カフェインの過剰摂取を避けられそうです。ここでは中学生がモンスターエナジーを1日何本まで飲めるのかを説明します。
モンスターエナジーは1日2本まで
モンスターエナジーは1日2本までにするのがおすすめで、厚生労働省でも以下のようにカフェインの摂取量について注意喚起を促しています。
カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。
このため、食品からのカフェインの摂取に関しては、国際機関などにおいて注意喚起等がなされています。例えば、世界保健機関(WHO)は、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料はほぼ同程度のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを1日3から4杯までにすることを呼びかけています。 また、英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦がカフェインを取り過ぎることにより、出生時に低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとして、妊娠した女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。
マグカップ1杯のコーヒー100mlに含まれるカフェイン含有量は60㎎なので3杯だと180㎎、4杯だと240㎎になります。355ml1本のモンスターエナジーには142㎎のカフェインが含まれており、2本飲むと284㎎とコーヒー4杯分を超えてしまうのです。
カフェインの致死量には個人差があるものの、5,000~11,000㎎とされています。しかしカフェインの致死量に至らなくても、短時間で大量摂取すると死亡するリスクが高いと考えられます。私たちの身近にはカフェインを含んだ飲み物や食べ物が多くあるので、モンスターエナジーだけでなくトータルの摂取量を意識することが大事です。
モンスターエナジーを毎日飲むのも避けた方が良い
成長期にある中学生や高校生は特に以下のようなデメリットもあるので、モンスターエナジーを毎日飲むのも避けた方が良いでしょう。
・太る
・下痢や軟便が起こりやすい
・カフェインの過剰摂取による中毒が起こりやすい
モンスターエナジーを飲むことで糖分を過剰摂取すると太りやすくなるほか、使われている人工甘味料が原因で下痢や軟便が起こりやすくなります。またモンスターエナジーと合わせてカフェインを含んだ食べ物や飲み物を摂ることで、過剰摂取による中毒症状が起こるリスクが高まるので要注意です。
またカフェインは常用すると耐性ができてしまうので、エナジードリンクを毎日飲むこともおすすめできません。より多くのカフェインを摂取したくなり、カフェイン依存症から中毒へと発展するリスクが高いので注意が必要です。
モンスターエナジーを中学生が飲む場合はより注意が必要
モンスターエナジーを中学生が飲む場合は以下のように、より注意が必要です。
・最初は少しだけ摂取する
・一気飲みはしない
・多くても1日1本にする
基本的には小学生や中学生は、モンスターエナジーをはじめとするエナジーを飲まないことをおすすめします。知らず知らずのうちにカフェインの過剰摂取につながるリスクが高いことが理由です。15歳以上あるいは高校生になってから少しずつ試し、カフェインの中毒症状が出ないことを確かめてから飲む量を増やしましょう。
またカフェインはコーヒーやコーラ、チョコレートなどにも含まれています。モンスターエナジーの量が少なくても、ほかにカフェインが多い食べ物や飲み物を摂取しているとリスクが高いことも覚えておきましょう。
(*モンスターは1日何本まで飲むのが安全かについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。)
(*カフェインに弱い人の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。)
モンスターエナジーの飲み方には要注意!
モンスターエナジーを清涼飲料水として楽しむ人も多いですが、飲み方を間違えるとカフェイン中毒を起こして命の危険があるので注意が必要です。特に小学生や中学生の子供は、積極的にモンスターエナジーを飲まない方が無難です。成人の死亡例も報告されているので、中学生や高校生は特にモンスターエナジーを飲み過ぎないよう意識しましょう。