大根の食べ過ぎに要注意?下痢・胃痛の原因に?1日の適量や対処法など紹介!
【管理栄養士監修】大根を食べ過ぎるとどうなるか知っていますか?今回は、大根の食べ過ぎによる〈下痢・胃痛〉 など悪影響の例を原因とともに紹介します。大根の食べ過ぎになる量の目安や、適量食べた場合の栄養価・効能も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
大根の食べ過ぎに注意?

旬が冬の大根は日本では年中当たり前に食べることのできる野菜です。消化を助けたりとその効能が身体によいものですが、食べ過ぎは良くありません。大根を食べ過ぎるとどうなるか一つずつ見ていきましょう。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています
大根を食べ過ぎるとどうなる?

大根を多く食べ過ぎるとどのような症状になるのでしょうか?体に対する影響を挙げていきます。特に大根おろし等の生食で摂取する時は注意したい点です。
① 下痢になる
大根には食物繊維が含まれています。便秘の場合は食物繊維を摂取することでお通じが改善しますが、採り過ぎると便通が良くなりすぎ、下痢になってしまう場合があります。適量を食べることで下痢を防ぎ便秘を改善できますが、元々便通が良い人は特に気をつけてくださいね。(※1)
② 消化酵素による胃痛
大根に含まれるジアスターゼという酵素は消化を促す役割があります。また、玉ねぎと同様の辛み成分であるアリル化合物は胃酸の分泌を促す作用があります。ジアスターゼとアリル化合物は適量を摂取した場合には効果的に働きますが、食べ過ぎると胃酸が出過ぎて、逆に胃を痛め胃痛の原因になる場合もあります。(※2)
③ おならが臭くなる
大根に含まれている食物繊維や酵素がおならの臭いの原因となります。食べ物が体内で消化されるときに発酵されるガスがおならの元であるため、このガスを発生させやすい大根は臭いの元となります。ごんぎつねで有名な新見南吉の話に「大根菜屁」という言葉が出てきますが、昔から言われていることなのですね。
④ 太ることはない
カロリー | 糖質 | |
大根 | 18kcal | 2.7g |
人参 | 39kcal | 6.5g |
じゃがいも | 70kcal | 6.1g |
たまねぎ | 35kcal | 7.2g |
キャベツ | 23kcal | 3.4g |
食べ過ぎると太ってしまうのではないかと気になりますが、心配無用です。表からわかるように大根は比較的低カロリーで低糖質です。人参のカロリーと糖質の約半分程度になります。そのため適正量であればダイエットの強い味方となります。
野菜の中でも大根は水分含有量が多いため、同量を摂取しても低カロリーですみます。大きめに切るなど食べ応えのあるサイズと食感にすることで、低カロリーでも満足感が出すような工夫をしましょう。(※3)
(*大根ダイエットについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
大根の食べ過ぎにならない量の目安は?

大根はどれくらいの量を食べるのが良いのでしょうか。適正量は生食と加熱した場合で異なります。どんな料理にも取り入れやすい野菜ですが、食べ過ぎにならないための目安をお伝えします。
① 大根おろしだと小盛り程度
焼き魚の添えやカツ煮などさっぱりとした風味を加える大根おろしですが、生食の場合は小盛り程度が適正量です。代謝を促進する成分のイソチオシアネートは揮発性なので食べる直前におろすのがポイントです。
おおよその大きさで示すと、大根により太さは異なりますが一般的な青首大根で6~8センチ程が一日の適正摂取量となります。これはおおよそ300g程になります。
大根の食べ過ぎによる症状の対処法・防止策は?

大根をどのように食べれば食べ過ぎによる症状を防ぐことができるか挙げていきます。適正量を守るとともに下記の調理方法も併せて注意してください。
① 加熱して食べる
大根にはジアスターゼという消化酵素が含まれていますが、これは熱に弱い特徴をもっています。多めに摂取する場合は加熱することでジアスターゼの働きを弱め、胃痛などの症状を防ぐことができます。
② 空腹状態で食べない
空腹であるということは胃が空(から)になっている状態です。空腹状態で食事をすると、胃は新しく入ってきた食物に対して消化をするため活発に動き出します。大根に含まれている酵素により更に消化活動を促進してしまうため刺激が強くなり、胃痛や下痢を引き起こしやすくなります。特に生の大根を摂取する場合は刺激が強いので注意しましょう。
③ 体を温めるスープなどと食べる
大根は冷たい状態で食べると身体を冷やしてしまうため、たくさん食べれば下痢になってしまうこともあります。身体全体の代謝を高めるためにもスープや味噌汁などの温かい料理にして食べましょう。おでんなど煮物もおすすめです。
石川桃子
管理栄養士
夏などは大根おろしに合う涼しげな料理が並びますね。冬に大根おろしを体を冷やさずに食べるにはお鍋がオススメです。スープまでいただけるように締めはおじやが良いでしょう。
大根を適量食べた場合の栄養価・効果は?

食べ過ぎた場合のデメリットだけでなく、適度に摂取した場合の効果はどのようなものでしょうか。酵素に加え、イソチオシアネートやビタミンCの栄養成分についても見ていきましょう。
① 便秘解消・整腸効果
気になるのがダイエット効果です。大根には消化酵素が含まれているため、炭水化物や脂質の消化を促進します。一方で動脈硬化やコレステロール値を下げるビタミンやミネラルと、食物繊維も豊富に含まれています。
食物繊維は腸内の有毒物質を排出し、腸内細菌のエサにもなるので、免疫細胞の7割が集まる腸の中の環境を整え、便秘の予防・解消に効果的です。お通じが良くなることで太るのを防止し、ダイエットにはぴったりの食材です。
② 代謝の向上
大根に含まれるイソチオシアネートが代謝を向上させ癌の発生を抑制すると言われています。大根以外にもブロッコリーやキャベツに含まれている成分です。イソチオシアネートは揮発性があるため、大根おろしにする場合は食べる直前にするようにしましょう。生食でも加熱しても食べることができるため、毎日の食事に手軽に取り入れたいですね。(※4)
③ 免疫力の向上
ストレスなどで体にできた余分な活性酸素は細胞を傷つけてしまいますが、その活性酸素を取り除くのが大根に含まれている抗酸化力の高いビタミンCです。ビタミンCは水に溶ける成分なので、大根おろしとして摂取する時はその汁ドリップごと、またスープなどの料理で汁ごと摂取するのが効果的です。(※5)
石川桃子
管理栄養士
抗酸化力はビタミンCだけではありません!ビタミンAやビタミンEも抗酸化力が高い栄養素です。ビタミンCは水に溶ける性質がありますが、ビタミンAやビタミンEは脂に溶けやすい特徴があるため、脂と一緒に摂取することで吸収率が上がるので覚えておきましょう。
(※大根の栄養価・効能についてもっと知りたい方はこちらの記事を参照してください。)
大根は適度な量を食べよう
食べ過ぎは身体に負担をかけ、悪影響を及ぼしてしまいます。大根もその効果を活かし栄養価を十分に摂取するため、ほどほどを守って適量食べましょう。食べ過ぎは禁物です。一方で整腸効果や免疫力の向上など十分に活かしたい機能を持ち合わせている野菜でもあります。上手に取り入れてダイエットや健康に役立てていきたいですね。