レンコンの栄養素・効能は?栄養が効果的に摂れる調理法やレシピを紹介!
【管理栄養士監修】レンコンは栄養豊富な根菜類の野菜だと知っていますか?今回は、レンコンに含まれる栄養成分・効能とその栄養素を効果的に取り入れる方法を紹介します。また、レンコンの旬や新鮮なレンコンの選び方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
レンコンはどんな野菜?
レンコンは一年中食べられますが、旬の時期はあるのでしょうか。美味しいレンコンはどこを見て選べばよいのか、注意点や特徴などを紹介します。
レンコンの旬
レンコンはハスの地下茎で、泥の中で育ちます。夏の間、温かい水温と土中の養分、葉の光合成で栄養を蓄え、早いもので9月から収穫が始まりますが、旬の時期は11月から2月にかけてです。
(*れんこんの旬について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
レンコンの選び方
レンコンに限らず、新鮮な野菜は栄養価が高く、逆に劣化すればするほど栄養価は落ちていくため、より鮮度の良い野菜を選ぶこともポイントです。新鮮なレンコンは以下のような特徴で見分けることができます。
・表面にツヤがありキズや色のむらがない
・持った時に重い
・切り口が茶色くない
・穴が黒くない
・自然な白さのもの
レンコンは収穫してから時間がたつと表面が乾燥し始め、茶色く変色した色むらが現れます。新鮮なレンコンは表面にハリがあり、水分が多いので持った時に重く感じます。切って売られている場合、切り口が茶色いものも切り分けてから時間がたっています。
また、レンコンの穴が黒くなっているものも新鮮ではありません。レンコンは薄いベージュ色をしていますが、不自然に白い場合は薬品で漂白している可能性があるので注意しましょう。
レンコンの栄養素と効能
カロリー | 66kcal |
---|---|
水分 | 81.5g |
タンパク質 | 1.9g |
糖質 | 13.5g |
食物繊維 | 2g |
脂質 | 0.1g |
レンコンは根菜類の中ではカロリー、糖質ともに高めの野菜ですが、他の栄養素はどんなものが含まれているのか効能とともに見てみましょう。(※1)
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています
①ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
48mg | 100mg | 48% |
レンコンに一番多く含まれるビタミンCは48㎎で、一日の必須摂取量のほぼ半分、レモン果汁と同じくらいです。ビタミンCが生成に関わるコラーゲンは皮膚や関節付近の腱や血管壁を作る重要な成分です。ビタミンCは風邪予防など抵抗力を高め、体内のさびを防ぐ抗酸化作用によって生活習慣病を予防するほか美肌効果もあります。
ビタミンCは水に溶けだす性質があり、熱や光によって効力を劣化しますが、レンコンのビタミンCはでんぷん質で覆われているため熱に強い特徴があります。(※2)
②食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
2g | 10g | 20% |
レンコンの食物繊維の2gはレタスの2倍ほどの量です。食物繊維は第6の栄養素と呼ばれ、水溶性食物繊維はそのうち0.2gで、残りは不溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は腸内環境を整え、不溶性食物繊維は消化されずに腸まで進み腸内で水分を吸収し腸内の有害物質を吸着して排出します。
便秘予防のほか血糖値の上昇を抑え血液中のコレステロール濃度を下げるなど、生活習慣病の予防や肌の健康に効果があります。(※3)
③カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
440mg | 2500mg | 18% |
レンコンのカリウムは440㎎でナスや白菜の2倍に当たります。カリウムは体内の余分な水分や老廃物を出し、体液のバランスを整えるのでむくみを解消します。必要以上のナトリウムを排出するので塩分の摂りすぎも調節し高血圧のリスクを下げます。(※4)
④タンニン
レンコンを傷つけると黒く変色しますが、これはタンニンによるものです。ポリフェノールの仲間であるタンニンは抗酸化作用が高く、炎症を抑え、止血効果や、胃潰瘍、十二指腸潰瘍にも効果的とされ、殺菌作用にも優れ、花粉症などのアレルギーにも良いようです。タンニンを効果的に摂りたい場合はレンコンの一節目の先端部分を利用してください。
一般的にタンニンは鉄分の吸収を阻害すると言われていますが、動物性の肉類に多く含まれる「ヘム鉄」の場合、「非ヘム鉄」の時と比べ、影響が少ないといった結果が出ています。そのため、鉄分を摂取する際は、「ヘム鉄」がおすすめです。(※5)
⑤カルシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
20mg | 650mg | 3% |
レンコンに含まれるカルシウムは20㎎で里芋に含まれるカルシウムの2倍です。カルシウムは骨と歯を形成する成分で、体内に最も多くあるミネラルです。ほかに神経やホルモンの働きにも関与していて、これらは血中成分として一定量を常に確保されています。
カルシウムの血中濃度が一定割合を下がると骨から供給するので、排泄分も含めて日常的に食品から摂る必要があります。不足すれば骨粗鬆症に繋がりますが、摂りすぎれば健康障害を起こすので注意が必要です。(※6)
住吉彩
管理栄養士
レンコンは調理のハードルなどがあるためか、あまり食卓に並ばなくなって来ましたが、女性には嬉しい美容や便秘解消にも役立つ野菜の一つです。これから紹介する様々な食べ方で楽しんでみてはいかがでしょうか?
レンコンの栄養を効果的に摂取する方法は?
レンコンは加熱しても効果の落ちない栄養分が多く、むくみの解消効果や便秘予防など、妊婦さん向きの食材のようです。レンコンの栄養には加熱に強いものも弱いものもあるので、効果的に摂る方法をお伝えします。
レンコンを生食する
むくみに効果を発揮するカリウムは水溶性で、茹でると水に流出する性質があるので、生のまま調理するのがおすすめです。カルシウムは加熱で変化はしませんが、お酢と組み合わせると吸収率があがるので、酢の物や酢の入ったドレッシングと一緒に食べるのも効果的でおすすめですよ。
住吉彩
管理栄養士
レンコンはお酢と組み合わせることでカルシウムの吸収率も上がりますが、アクが強いので酢水につけることで褐変を防ぐことも出来ます。上手く調理しながら栄養素も効率よく摂っていけると良いですね!
(*れんこんの生食について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
スープの具材にする
レンコンに含まれる栄養分は水溶性のものが多いので、汁物の具として使い栄養の溶けだした汁ごと食べるのもおすすめです。レンコンに不足する栄養も他の食材で補えます。身体を冷やしたくない妊婦さんには嬉しいですね。
レンコンの栄養摂取におすすめなレシピ
レンコンの栄養素を効果的に摂る調理法を紹介します。
①レンコンのヨーグルトサラダ
レンコンのほかにツナやヨーグルトを使っているので、たんぱく質、乳酸菌も摂れ、ヨーグルトの酸味がカルシウムの吸収率を良くしてくれます。タンニンと乳酸菌の組み合わせはアレルギー対策にも効果的です。
②生レンコンの梅肉和え
たこからはミネラルを、梅干しの有機酸でカルシウムの吸収アップを、ごまからはリノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸を取り入れることができます。身体の抵抗力や免疫力を上げてくれるさっぱりメニューです。
③じゃこ入りレンコン餅
レンコンの栄養のほかにオクラのβカロテンやじゃこのカルシウムが補強されます。お酢の入ったタレでカルシウムの吸収を良くしましょう。じゃこを干しエビに変えると、さらにカルシウムの量が上がり、ナトリウムを減らせますのでさらに妊婦さん向きになります。
④レンコン団子の野菜鍋
レンコン、鶏肉、ショウガ、ネギと身体を温める食材が満載のお鍋です。鶏肉は漢方でも身体を温め気を養うと言われる食材で、豆腐とともに良質のたんぱく質が摂れて、レンコンのビタミンCで身体の抵抗力を高めてくれます。妊婦さんや冷え性の方には嬉しいですね。
⑤レンコンの簡単ミネストローネ
レンコンの加熱しても壊れないビタミンCやカルシウム、鶏肉の良質なタンパク質とニンジン、トマトペーストのβカロテンやリコピンと抗酸化作用に特化したミネストローネです。レンコンはぜひ皮ごと調理してタンニンも摂ってくださいね。
レンコンは栄養豊富な野菜
レンコンはカロリーや栄養面からみても、寒い時期に身体を温め風邪を予防する意味でも、旬である冬に必要な野菜です。生食のレシピも温かいメニューもそろっているので、食生活に取り入れてみてくださいね。