かぶの栄養成分と効能は?加熱はNG?栄養を逃さない調理法・食べ方も紹介!
【管理栄養士監修】かぶは栄養豊富な野菜だと知っていますか?今回は、妊婦さんに嬉しい〈葉酸〉など、かぶの〈根〉と〈葉〉に含まれる栄養素を効能とともに紹介していきます。加熱はNGか、など栄養を逃さない調理法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
部分 | 含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
根 | 0 | - | - |
葉 | 2800㎍ | - | - |
かぶの根にβ-カロテンは含まれませんが、葉には含まれています。葉のβ-カロテンの量はビタミンAに変換したとしても一日分の必須量に届くほどの含有量で、その量はトマトの5倍にも及びます。β-カロテンは体内でビタミンAに変わると、目の健康維持や皮膚の粘膜を健やかに保つ働きがあります。抗酸化作用が高く、免疫力を上げる効能があります。
β-カロテンは油に溶ける性質があるので、油を使った料理や肉類と組み合わせるのも良いですね。ビタミンAは不足すれば夜盲症など目のトラブルや肌の健康を損ないますが、摂りすぎれば過剰症にもなります。そのため、過剰症の心配のないβ-カロテンとして体内で蓄えておくのが良いとされます。(※4)
④カルシウム
部分 | 含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
根 | 24mg | 650mg | 4% |
葉 | 250mg | 650mg | 38% |
かぶのカルシウムは根よりも葉に多く含まれており、ビタミンKとともにそのほとんどは骨に吸着されます。そしてわずかな量のカルシウムは細胞分裂や血液の凝固、神経伝達物質やホルモンの分泌に関わり、骨の形成より優先して必要な量を確保されます。
妊娠中、カルシウムは赤ちゃんの発育に回されるため、不足すれば妊婦さんの母体の骨を溶かして供給されます。妊娠中に骨粗鬆症にならないためにも、妊娠している方はしっかりカルシウムを摂ることをお勧めします。(※5)
⑤カリウム
部分 | 含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
根 | 280mg | 2500mg | 11% |
葉 | 330mg | 650mg | 13% |
かぶに含まれるカリウムは根で280㎎、葉で330㎎と、どちらもきゅうりやキャベツよりも多い値です。カリウムは体内の余分な水分や老廃物、ナトリウムを身体の外に運び出します。デトックスとむくみの解消に役立つカリウムは妊婦さんの健康維持に役立つ成分です。加熱すると効能が弱まるので、カリウムを摂りたい時は加熱せず食べるとよいですね。(※6)
⑥葉酸
部分 | 含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
根 | 48㎍ | 240㎍ | 20% |
葉 | 110㎍ | 240㎍ | 46% |
かぶの根・葉にたくさん含まれている葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球を作ります。葉酸は胎児の成長に大きく関わるDNAやRNAの生成を促し、細胞分裂を助けます。妊婦さんがしっかり摂取しておくことで、先天異常疾患の一部のリスクが軽減できます。
葉酸はビタミンB12と一緒に働くことが多いので、ビタミンB12が不足した状態で葉酸だけ摂りすぎると健康障害を起こす危険性があります。そのため、摂取の上限量が男女とも900~1,000㎍と決められています。葉酸は光や熱に弱い水溶性の栄養素なので、調理法にも気を付けましょう。(※7)
上野知佐
管理栄養士
根と葉で栄養がこんなに違います。どちらも余すことなく楽しみましょう!
かぶの栄養を逃さない食べ方は?加熱NG?
かぶの栄養をむだなく摂る食べ方を紹介しますので参考にしてくださいね。
葉まで食べる
かぶは根の部分より葉の方が栄養の種類が多く、量も多く含まれています。妊娠中に必要な栄養が多く含まれているのも特徴的です。熱に弱い成分が多いので、栄養を無駄にしないためにも葉までなるべく生で食べるとよいでしょう。浅漬けなどでゴマをかけたりすると栄養の吸収もよくなります。
根の部分は生で食べる
かぶの根にはアミラーゼやイソチオシアネートなどの酵素が豊富に含まれますが、酵素は総じて加熱に弱い性質があります。酵素を活かすなら生で食べると良いでしょう。カリウムや葉酸など熱に弱い栄養も多いので生で食べるメリットは十分にあります。ドレッシングや肉類を加えると、脂溶性であるβカロテンの吸収率も上がります。