アナゴの栄養価と効能は?カロリーは?成分を逃さない食べ方・レシピも紹介!
【管理栄養士監修】アナゴに含まれる栄養素を知っていますか?アナゴはお寿司やてんぷらなどで食べる機会の多い食材ですが、今回は、アナゴの栄養成分・効能に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方も紹介します。アナゴの栄養がとれるレシピも紹介するので、参考にしてみてください。
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アナゴはどんな魚?カロリーは高い?
アナゴは寿司屋などで一年中食べられる身近な魚のひとつです。そんなアナゴのカロリーや栄養価などについて他の魚とも比較しながら紹介します。
※1日の摂取量は成人男性の目安です。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。(※1)
アナゴの旬と種類
アナゴは、ウナギ目アナゴ科に属する魚類の総称で、ウナギによく似た細長い体型の海水魚です。150以上の種類が知られていますが、日本では以下のような種類が代表的です。
・マアナゴ
・クロアナゴ
・ギンアナゴ
・ニセギンアナゴ
・ゴテンアナゴ
アナゴの旬は6~8月と言われていますが、実際には冬の10~12月を旬だとする地域も少なくないそうです。これは、アナゴに限らず、魚は一般的に一番脂が乗っている時期を旬とすることからきています。淡白な味わいが際立ちさっぱりと食べられる夏のアナゴも、豊富なエサを食べたっぷりと脂の乗った冬のアナゴも、違ったおいしさがあります。
(*アナゴの旬の時期や栄養価について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
アナゴのカロリー・糖質
100gあたり | カロリー | 糖質 |
アナゴ | 161kcal | 0g |
うなぎ | 255kcal | 0.3g |
きはだまぐろ | 106kcal | 0g |
サーモン | 139kcal | 0.2g |
さんま | 297kcal | 0.1g |
アナゴは低カロリー高たんぱくの白身魚です。アナゴはウナギに似ているものの、ウナギに比べて低カロリーで、糖質を全く含まないのでダイエットにも適しています。
一瀬 ゆかり
管理栄養士
アナゴは、冬が旬とされている長崎県(対馬)・兵庫県(明石、淡路島など)・千葉県で獲れるものは、大型ほど脂ノリが良いとされていて、カロリーや脂質が高くなると考えられます。産地や時期によって変動があることを覚えておくといいですよ。
アナゴの栄養成分と効果・効能は?
ここでは、季節によって異なった味わいが楽しめるアナゴに豊富に含まれる栄養成分や、その効果・効能について詳しく見てみましょう。
①DHA
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
550mg | - | - |
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、体内で他の脂肪酸から十分な量を合成できないため、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸です。神経機能の維持に効果的で、脳内の細胞の発育や機能維持に効果が期待できます。
また、心血管疾患リスク低減したり、血中の中性脂肪を低下させると言われています。(※2)
②EPA
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
560mg | - | - |
EPA(エイコサペンタエン酸)もDHAと同じく不飽和脂肪酸のひとつであり、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸です。EPAは魚介類や海藻などに主に多く含まれている栄養素で、アナゴにもたくさん含まれています。血液をサラサラに保ち、血栓をできにくくしたり脂質異常症を予防したりすることで、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞も予防する働きがあると言われています。(※3)
③タンパク質
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
17.3g | 60g | 29% |
人体の15~20%はタンパク質でできています。タンパク質は筋肉や臓器、肌、髪、爪、体内のホルモンや酵素、免疫物質などの材料になる、健康のために欠かせない栄養素です。アナゴを食べることで良質のタンパク質を補給することができます。(※4)
④ビタミンA
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
500μg | 850μg | 59% |
ビタミンAは、油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンで、アナゴだけでなく多くの食品に含まれています。主な働きは皮膚や粘膜を健全な状態に保つことで、視力や免疫システム、生殖機能の維持に欠かせないものでもあります。また心臓、肺、腎臓やその他の臓器が適切に機能するのを助けます。(※5)
⑤ビタミンE
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
2.3mg | 6.5mg | 35% |
脂溶性ビタミンであるビタミンEも、アナゴに豊富に含まれる栄養素です。強い抗酸化作用があり、活性酸素による血中の中性脂肪やコレステロールなどの酸化を抑え、血管を健康に保ちます。その他、赤血球の破壊や老化の防止効果も期待できるでしょう。(※6)
⑥ビタミンD
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.4μg | 5.5μg | 7% |
ビタミンDは脂溶性ビタミンに分類され、血液中のカルシウム濃度を一定に調節し、骨の健康を保つ役割を果たしています。また最近では、ガンや糖尿病、自閉症、妊娠しやすい体作り及び免疫力アップなどに対する有効性についても示唆されています。(※7)
一瀬 ゆかり
管理栄養士
脂溶性ビタミンのビタミンA・E・Dは、脂質と一緒に食べると吸収率が高まります。適度に脂質を含むアナゴは、カロリーを気にせずに、効率良くこれらの栄養素を利用することができますよ。
⑦カルシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
75mg | 800mg | 9% |
カルシウムの働きは、骨や歯を丈夫にする、イライラやストレスなどを静め神経を安定させるなど多岐にわたります。カルシウムの豊富な食材と聞くと乳製品を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、乳製品だけでなくアナゴなどの魚介類からも良質のカルシウムが摂取できます。(※8)
アナゴの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?
アナゴの豊富な栄養素を効率よく摂取できるか否かは調理法によっても左右されます。どのような調理法が適しているのかを紹介します。
お刺身か汁物に入れて食べる
アナゴに含まれる代表的な栄養素であるDHAとEPAは、調理法によっては失われてしまうことがあるので注意が必要です。加熱調理のうち焼き調理では約2割、揚げ調理では約5割が流出するとされているため、生で食べる刺身などが最もおススメの調理法です。
また、火を通すならDHAやEPAが溶け出した汁ごと食べられる味噌汁や、薄味で煮て煮汁ごと食べられる煮物などが良いでしょう。
(*穴子を刺身で食べる際の注意点について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
アナゴの栄養がとれるレシピのおすすめ
アナゴに含まれる栄養素をしっかり摂れるおすすめのレシピをご紹介します。ぜひ試してみてください。
①アナゴの刺身と炙り
こちらは、アナゴに含まれるDHAとEPAを逃がさず食べられるお刺身のレシピです。ひと手間をかけて炙りにしても美味しいので、食感の違いを楽しんでみるのもおすすめです。
↓詳しい作り方・手順はこちら↓
②松茸と穴子のお吸い物
アナゴをお吸い物にするのも、DHAとEPAが流れ出た汁ごと飲めるので良い調理法です。秋の味覚である松茸と合わせ、香りや食感の違いも楽しめるレシピです。
↓詳しい作り方・手順はこちら↓
③穴子の煮付け
アナゴは野菜やキノコ、豆腐などと煮物にしてもとても美味しい上に栄養バランスもよくなります。アナゴに含まれている栄養素が溶け込んだ煮汁ごと飲むので、あまり濃すぎる味付けにならないよう気を付けましょう。
↓詳しい作り方・手順はこちら↓
アナゴは栄養豊富な食材
ここまで紹介したように、アナゴは必須脂肪酸であるDHAやEPAのほか、タンパク質、ミネラル、ビタミンなども含んでいる栄養豊富な食材です。健康維持に役立つ効果もたくさん期待できるので、ぜひ食卓に取り入れてみてください。