ナスの栄養と効能は?成分を効果的に摂取する食べ方・調理法を紹介!
【管理栄養士監修】なすには栄養がないと言われることがありますが本当でしょうか?今回は、〈ナスニン〉〈カリウム〉などナスに含まれる栄養素の効能や栄養を効率的に摂取できる方法を紹介します。栄養豊富で新鮮なナスの選び方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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ナスに栄養がないと言われる理由は?
食卓に馴染み深いナスですが、栄養がないと言われることがあります。なぜそう言われるのでしょうか?また、本当に栄養が少ないのでしょうか?
ナスは9割以上が水分だから
なすの栄養が少ないと言われる理由として、ナスの9割以上が水分で構成されていることが挙げられます。きゅうりが水分が多くて栄養のない野菜として有名なことから、水分が多いナスも栄養がないと思われているんのでしょう。
確かにナスのビタミン・ミネラルは少なめ
ナスに栄養がないわけではありませんが、確かにビタミン・ミネラル類は他の野菜に比べて少なくなっています。では、どの栄養素が豊富なのでしょうか?
ナスに含まれる栄養素と効能
カロリー | 22kcal |
---|---|
水分 | 93.2g |
たんぱく質 | 1.1g |
炭水化物 | 5.1g |
食物繊維 | 2.2g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※3)
ナスに豊富に含まれている栄養素は〈ナスニン〉〈カリウム〉などがあります。それぞれどのような効能があるのでしょうか?
(*ナスのカロリーや糖質について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
①ナスニン
ナスにはナスニンという、アントシアン系の天然色素ポリフェノールが含まれています。ナスニンは、紫色の皮に多く含まれており、強力な抗酸化作用があります。そのため、活性酸素の働きを抑制し、ガン・動脈硬化や生活習慣病の予防をするほか、美肌・美容にも効能があると言われています。
また、アントシアニンを含むブルーベリー同様、眼精疲労の回復を補助する効能があるそうです。(※1)
②カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
220mg | 3000mg | 7.3% |
ナスにはカリウムが100gあたり220mg含まれています。カリウムには、細胞の浸透圧を維持・調整し水分を保つ役割があります。また、体の余分な熱を体外に放出し、体温を下げる働きもあるので夏バテ解消に一役買います。
ただ、「秋茄子は嫁に食わすな」と言い伝えにあるように、妊婦さんなど身体を冷やすべきではない人が食べ過ぎるのは控えるべきです。(※2)
kay
管理栄養士
食べるときは身体を冷やしてしまわないように生での調理を避けて、加熱して食べるようにしましょう。茹でる場合は栄養素も汁ごと食べることができる味噌汁がおすすめです!
ナスの栄養を効率的に摂取できる食べ方・調理法は?
ナスにはカリウム・ナスニンが豊富に含まれていることはわかりましたが、調理法によっては栄養素が半減してしまうことも珍しくありません。今回は栄養素を逃さず効率的に摂取できる調理法を紹介します。
①ナスの皮ごと食べる
ナスの皮にはポリフェノールの1種「ナスニン」が豊富に含まれています。そのナスニンを摂取するために、皮まで美味しくいただきましょう。
ナスの皮は硬めなので、油で揚げたり炒めたりするのがおすすめです。また、品種によっても皮の硬さが違うので、歯が悪い家族などいる場合は、皮が柔らかい品種を選ぶといいですね。
②カリウムの特性を把握して調理する
なすにはカリウムも豊富に含まれています。カリウムは水溶性であるため、カットした状態で水に晒したり茹でたりすると、水の中にカリウムが溶け込んでしまいます。そのため、夏バテ解消などカリウムの効能を活かしたい際は、サラダや蒸し焼きでの調理がおすすめです。
また、なすを生で食べてもよいでしょう。水ナスなどアク・えぐみの少ない生食向きの品種もあるので、食べてみてくださいね。
(*なすの生食について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③油と一緒に食べ合わせて脂溶性ビタミン類の吸収率をアップさせる
ナスは油との相性が良く、油の調理で非常に美味になります。その際、人参など脂溶性のビタミンEを多く含む野菜と一緒に調理することで、ビタミンEを効率良く摂取できます。
また、油を使うことによってナスニンの吸収率も向上しますが、なすは身がスポンジ状で、油を吸いやすいため、カロリー・油分を気にしている人は注意が必要です。
kay
管理栄養士
日本全国にさまざまな品種があり、各地で親しまれています。普段お店に並んでいるのは皮が薄めの「千両ナス」や「長ナス」です。油以外にも、調味料やだしも含みやすいので煮物や漬物、田楽などにも幅広く利用できます。
ナスの選び方のポイントは?
野菜は鮮度が落ちるとともに栄養素が減少してしまいます。そこで今回は、より栄養素を摂取するために新鮮な野菜の見分け方を紹介します。
①皮にツヤとハリがあり重い
ナスは9割以上が水分でできていることから、収穫後から実の水分が徐々に抜けていきます。そのため、水分が実にしっかりと残っており、しぼんでおらず、皮にハリがあり重量感のあるナスが新鮮な証拠となります。
②皮の色が濃い
ナスの皮に含まれるナスニンは日光に当たれば当たるほど濃い紫に発色し、含有量が増えます。そのため、より濃いナスが栄養豊富で新鮮なのです。
③ヘタと実の間が白い
ヘタと実の境目が白いことがありますが、これはナスが新たに成長した部分です。徐々に紫に発色していきますが、白い部分が残っているのは、収穫から時間がさほど時間が経っていない新鮮な証拠です。
④ヘタの棘が鋭い
なすのヘタには棘があり、そこでも鮮度を見分けることができます。新鮮なナスは棘が鋭く、触ると痛いと感じるレベルで尖っています。鮮度が落ちるにつれ、この棘がしなってきます。
ナスの栄養を効率的に取ろう
ナスにはナスニン・カリウムをはじめとした栄養素が豊富に含まれており、健康に大事な効能があることがわかりました。これらの栄養素を効率的に摂取するためにも、調理法や鮮度の良いナスを選ぶように心がけましょう。