さつまいもの栄養素と効能は?皮にも豊富?成分を逃さない食べ方・レシピも紹介!
【管理栄養士監修】さつまいもに含まれる栄養素を知っていますか?皮にも多く含まれています。今回は、さつまいもの栄養成分・効能に加え、栄養素を逃さない調理法・食べ方を紹介します。大人にも子供にも喜ばれる、レシピのおすすめも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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さつまいもはどんな野菜?
甘くてほっくりとした味が特徴のさつまいもはどんな野菜でしょうか。さつまいもの選び方や旬などを紹介します。
さつまいもの旬
さつまいもの旬は一般的に8月から11月とされています。真夏が旬の品種もあるので一概には言えませんが、8月が旬というのは意外な感じがしますね。これは収穫した後2ヶ月ほど貯蔵庫で寝かせておくことで、ホクホクのサツマイモになるからです。そのためサツマイモは10月から1月が美味しいとされています。
温暖な気候での栽培が向いているので、主に西日本で栽培されています。
(*さつまいもが旬の時期について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
新鮮なさつまいもの選び方
新鮮なさつまいもを購入したいなら以下の部分を確認しましょう。
・皮の色が均一
・傷や凸凹、斑点がない
・ツヤがある
ひげが硬かったり黒く変色しているものは時間が経ってしまっています。しかし、切り口が黒くなっているものは中なら蜜が滲み出て固まったものです。甘味が強いので迷わず購入しましょう。
さつまいもの栄養成分と効能
さつまいもの栄養成分と効能はどのようなものでしょうか。さつまいもの基本的なエネルギー含有量を以下の表にしました。
カロリー | 132kcal |
---|---|
水分 | 65.6g |
タンパク質 | 1.2g |
糖質 | 29.2g |
食物繊維 | 2.3g |
脂質 | 0.2g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量(100gあたり)は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
岡城美雪
管理栄養士
さつまいもは大人も子どもも美味しく食べられる栄養価の高い手軽なおやつになります。 美味しいさつまいもを見極めて楽しんでみてくださいね。
①食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
2.3g | 20g | 12% |
さつまいもに豊富に含まれている食物繊維ですが、水に溶ける水溶性と溶けない不水溶性があります。水溶性の食物繊維はコレステロール値を低下させる働きがあります。また、カリウムが豊富で、血管内のナトリウムとのバランスを整えてくれます。血圧が気になる方にはおすすめです。
不水溶性食物繊維は、腸の扇動運動を促し、便秘の解消をしてくれます。農薬や有害物質を吸着して排泄してくれるためデトックス効果も期待できます。(※2)
②ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
29mg | 100mg | 29% |
白血球の働きを助けて風邪に効くことで有名なビタミンCはさつまいもにも豊富です。風邪予防の他にも様々な効能があり、美肌や美白、UVからのバリア機能などの美容効果の他に、がん予防などにも一役買ってくれます。水溶性なので、効果を得たいなら蒸し焼きがおすすめです。(※3)
③ヤラピン
さつまいもの特性の成分の一つです。さつまいもを切った時に白い液体が出てくる時がありますが、これがヤラピンです。便を柔らかくしてくれる効能があるので、長期間便秘に悩んでいるなら食べてみるのもいいでしょう。熱を加えても壊れたり溶け出したりせず、そのまま体内に入ります。
④カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
470mg | 2500mg | 19% |
カリウムは利尿作用があります。塩分の摂りすぎでナトリウムとカリウムのバランスが崩れるとむくみの原因となるため、日頃から意識できるとダイエットにも効果的です。(※4)
⑤アントシアニン
ブルーベリーなどの紫色の食品に含まれている成分で、さつまいもの中でも実の部分が紫色のさつまいもに豊富に含まれています。視力回復や眼精疲労など、目にまつわる様々なトラブルに効果があり、パソコンやスマートフォンなどで目が疲れている時にもおすすめです。
⑥ビタミンE
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.6mg | 6.5mg | 25% |
ビタミンEは強い抗酸化作用があり、不飽和脂肪酸などが酸化するのを防ぐ働きがあります。アンチエイジングに効果的な成分ですね。赤血球の破壊も防いでくれます。脂溶性のビタミンなので油と一緒に調理すると効率よく摂取できます。(※5)
⑦βカロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
2μg | 900μg | 0% |
上記はさつまいもの含有量ですが、βカロテンは安納芋に多く含まれる栄養素です。安納芋の実の色がオレンジ色をしているのは、βカロテンによるものです。
βカロテンは、体内に入るとビタミンAに変化します。ビタミンAは粘膜や肌を健康に保つ働きがあり、免疫力を高めて体の中にウイルスが入らないようにしてくれます。(※6)
⑧レジスタントスターチ
レジスタントスターチはさつまいもに含まれるデンプンの一種です。糖質でありながら、食物繊維と同じような働きがあり、善玉菌が増えて腸内環境を整えてくれます。
サツマイモは甘いので太りそうなイメージがありますが、レジスタントスターチは難消化性の糖質であるため、小腸で吸収されずに大腸まで届きます。さつまいもの、血糖値の上昇傾向を表すGI値は、蕎麦よりも低く、低GI食品に分類されます。ただ、焼き芋にするとGI値が高くなるので、蒸し・茹ででの調理か、冷やして食べるといいでしょう。(※7)
さつまいもの栄養成分を逃さない調理法・食べ方は?
さつまいもの栄養成分をできるだけ逃さないようにするには、どのような調理法や食べ方があるでしょうか。効果的な食べ方を紹介します。
①皮ごと食べる
さつまいもを食べるなら皮ごと食べましょう。皮の周辺には以下のような成分が集まっています。
・ヤラピン
・カロテン
・食物繊維
・ナトリウム
・クロロゲン酸
つい皮を剥いて食べてしまいそうになりますが、このような成分が周辺には豊富にあり、剥いてしまうと成分が大きく減ってしまいます。特にヤラピンは皮の周辺に集まっているので、効果を得たいなら皮ごと食べましょう。クロロゲン酸は血糖値の低下など、糖尿病予防やダイエット効果、老化防止も期待できますよ。
岡城美雪
管理栄養士
さつまいもに含まれるビタミンCは加熱に強いため、火を通してしっかり栄養が摂ることができます。
(さつまいもの皮に含まれる栄養成分について詳しく知りたい人はこちらの記事を読んでみてください。)
②洗う場合は皮を剥かない
さつまいもにはビタミンC,カリウムなど水溶性の栄養成分が豊富に含まれています。そのため、さつまいもの皮を剥いて水に晒してしまうと、栄養素が水に流出してしまいます。
皮を剥かない場合でも、アク抜きで水に晒す際は10分程度にし、水につけすぎないようにしましょう。
さつまいもの栄養が取れるレシピのおすすめ
さつまいもの栄養が取れるレシピを紹介します。大人にも子供にも人気の甘いさつまいもレシピで健康に過ごしましょう。
1さつまいもご飯
さつまいもの甘味と塩気で食欲が進む子供たちに人気の混ぜご飯です。旬のさつまいもが手に入ったらぜひ作ってみましょう。ご飯と一緒に炊きあげるので栄養も丸ごと取れます。
2さつまいもきんぴら
揚げて作る大学芋よりも、油の量を抑えられるさつまいものきんぴらは手頃なおやつにもちょうどいいレシピです。蓮根やニンジンと一緒に作るとおかず感がアップしますよ。
3さつまいものレモン煮
さっぱりとしたレモンの風味が美味しいレモン煮は、甘露煮にするよりもヘルシーでダイエットにもぴったりのレシピです。作り置きも可能なので、お弁当にも使えます。
4レンジ蒸し
さつまいもは焼き芋にするより蒸し焼きにしたほうが、GI値が上がらないことからダイエットに向いています。鍋で作るのも美味しいですが、レンジで手軽に調理できますよ。お菓子作りなどにも便利な調理法です。
さつまいもは栄養豊富な野菜
甘くておやつやおかずにもぴったりのさつまいもですが、栄養豊富で様々な効果があるようです。腸内環境の改善にも役立ち、血糖値の急激な上昇がないことを考えればダイエットにも有効な野菜と言えます。また高齢者の健康などにも嬉しい効果がありますから、家族みんなに嬉しい食材ですね。