アボカドの栄養素と効能は?成分が摂れる食べ方や食べ過ぎの注意点も紹介!
【管理栄養士監修】アボカドに含まれる栄養素を知っていますか?アボカドは森のバターと呼ばれているほど栄養素が豊富な食材です。今回は、アボカドの栄養成分・効能に加え、栄養素が効率的に摂れる食べ方も紹介します。食べ方の注意点やレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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アボカドはどんな食材?
最近では料理などでよく使われるアボカドは、その栄養の豊富さから「森のバター」「食べる美容液」などと呼ばれることもあります。このアボカドの旬の時期やカロリー、新鮮なアボカドの選び方など紹介します。
アボカドの旬
アボカドは国内で流通しているものの大半は外国産で、一年中輸入されているので旬はないとも言えます。国産のアボカドであれば、10月下旬頃から翌年の1月頃までが旬になります。
(*アボカドの旬の時期について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
アボカドのカロリー・糖質
アボカドの100gあたりのカロリー、糖質は以下の通りです。
カロリー | 187kcal |
---|---|
糖質 | 0.9g |
脂質 | 19g |
アボカドは果物の一種で果物の中では糖質が少ないのですが、その分脂質が多いためカロリーが高くなっています。
新鮮なアボカドの選び方
新鮮なアボカドの見分け方は、以下の通りになります。
・色が黒に近い緑色のもの
・触ったときに硬すぎずやわらかすぎない少し弾力があるもの
また、アボカドにへたがついている場合、実とへたの間に少し隙間があると完熟していて食べごろといわれています。
(*アボカドの食べ頃で美味しい時期や、美味しい個体の見分け方について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
アボカドの栄養素と効果・効能
カロリー | 187kcal |
---|---|
水分 | 71.3g |
タンパク質 | 2.5g |
糖質 | 0.9g |
食物繊維 | 5.3g |
脂質 | 18.7g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。(※1)
上記はアボカド一個(100g)あたりの栄養素です。アボカドには、美容や健康にいいビタミンなどの栄養素が多く含まれています。ここではアボカドに含まれる代表的な栄養素を紹介します。
①食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
5.3g | 20g | 27% |
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類あり、アボカドにはその両方が含まれています。水溶性の食物繊維は、コレステロールやナトリウムの排出を促したり、血糖値の上昇を抑える作用があります。不溶性の食物繊維には、大腸を刺激することでぜん動運動を促すことで、便秘解消の効果が期待できます。(※2)
②ビタミンE
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3.3mg | 6.5mg | 51% |
ビタミンEには、細胞の酸化を防ぐ働きにより、老化防止に効果があるとされています。また、動脈硬化の原因となる過酸化脂質の生成を抑える作用があり、血管の健康を保つ効果が期待できます。(※3)
渡辺愛理
管理栄養士
ビタミンEは血流を良くしてくれるので、冷え性にお悩みの方にもオススメです。
③葉酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
84μg | 240μg | 35% |
葉酸は、妊婦さんや妊娠を望む女性が積極的に摂るべき栄養素です。葉酸の作用としては、赤血球・細胞の生成、再生を助ける働きがあります。細胞の分裂や成熟に大きくかかわるため、特に胎児に重要な栄養分といわれています。(※4)
④カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
720mg | 2500mg | 29% |
カリウムには、余分な塩分を体外に排出する作用があり、血圧を下げる効果があるといわれています。また、細胞内の水分バランスを保ち心臓や筋肉の働きを調節するなど、体内を一定状態に保つ効果が期待できます。(※5)
⑤オレイン酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
10.2g | - | - |
オレイン酸は、植物や魚の脂分に含まれる不飽和脂肪酸の一種で、血液中の悪玉コレステロールを減少させる作用があるとされています。アボカドは果物としては脂質が高く、中でもオレイン酸を含む一価不飽和脂肪酸が豊富です。アボカドは脂質が高いものの、良質な脂質を摂ることができます。
⑥リノール酸・リノレン酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 | |
リノール酸 | 1.58g | - | - |
リノレン酸 | 0.12g | - | - |
リノール酸・リノレン酸は、不飽和脂肪酸の一種で、体内では生成できないため、必須脂肪酸と呼ばれています。効能としては、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、LDLコレステロールの減少などが期待できます。
⑦グルタオチン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
30mg | - | - |
グルタチオンは、体内のほとんどの細胞に存在していて、肝臓などで作られます。グルタチオンの効能としては、老化防止、脂肪肝の予防、肝機能障害の予防、といった肝臓への効果が期待されています。
アボカドの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?加熱NG?
アボカドは多くの栄養成分を含む食材ですが、食べ方によってより効率よく栄養成分を摂取できます。
①油分と一緒に食べる
油分はアボカドに含まれているリノレン酸などの不飽和脂肪酸の吸収を促進させる作用があるため、アボカドは油分と一緒に摂取するとより効果的になります。特に、オリーブオイルなどの体に良いオイルと一緒に摂ると良いでしょう。
渡辺愛理
管理栄養士
酸化した油と一緒に取ると身体が錆つきやすくなるので注意が必要です。
②アボカドの種も食べる
アボカドの種はほとんどは食べないことが多いのですが、アボカドの栄養素の約70%が種に含まれています。アボカドの栄養素を効率よく摂取するには、種も積極的に食べましょう。
アボカドの種の調理は難しいのですが、簡単な方法として、フードプロセッサーなどで種を粉々にしてから、スムージーなどに入れて飲む方法があります。種の味はクセがあるため、他の食材と一緒に摂取すると違和感なく食べられます。また、種を乾燥させてフードプロセッサーなどで粉末状にすると、料理に振りかけたりソースなどに混ぜて食べやすくすることができます。
アボカドの食べ方の注意点は?
アボカドは栄養素が多いため積極的に食べたい食材ですが、食べ方について注意点があります。
食べ過ぎない
アボカドは栄養分が豊富ですが、脂肪分が多いという特徴があります。そのためカロリーが高く、アボカド1個でバナナ3〜4本分に相当します。アボカドは健康や美容にはいい食べ物ですが、食べすぎには注意しましょう。1日の摂取量の目安は、だいたい1/2個〜1個程度です。
子供はアレルギーの可能性もある
アボカドは子供が食べても問題はないですが、アレルギーを起こす可能性があるので注意が必要です。アボカドには、天然ゴム成分のアレルギーの「ラテックスアレルギー」を引き起こす可能性があります。そのため、もし子供にゴムのアレルギーがある場合は注意しましょう。
小さい子どもに初めてアボカドを食べさせる場合は、食べた後に少し気にかけてあげましょう。もし、おう吐、唇の腫れ、喉の痒み、じんましん、腹痛といった症状が出た場合は、病院などで相談してください。
アボカドの栄養がとれるレシピのおすすめ
アボカドの特徴と栄養素を活かしたレシピを紹介します。
①アボカド納豆
アボカドと納豆は、腸内環境を整えるのにおすすめの組み合わせです。腸内環境を整えるためには、善玉菌と善玉菌のエサを一緒に摂取すると効果的ですが、納豆には善玉菌、アボカドには善玉菌のエサとなる食物繊維が豊富なので、腸内環境を整えるには最適です。
②サーモンとアボカドのサラダ生春巻き
アボカドに含まれる葉酸は、ビタミンB12と合わさると赤血球の生成を助ける働きがあります。サーモンにはビタミンB12が多く含まれるため、最適の組み合わせになります。
③アボカドアイス
アボカドは脂質が高いためあまりデザートとしては使われないのですが、アイスクリームと合わせることでアボカドの濃厚な味を活かすことができます。
アボカドは栄養豊富な食材
アボカドはビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているため、健康面でも美容面でも積極的に摂取したい食材です。脂質が多いため食べすぎには注意が必要ですが、加熱せずに油分と一緒に種ごと摂取するとより効率よく栄養分を摂取できますので、いろいろな料理に取り入れていきましょう。