ほっけの栄養素と効能は?健康効果あり?成分が摂れる食べ方・レシピのおすすめを紹介!
【管理栄養士監修】ほっけに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、ほっけの栄養成分・効能に加え、効率的に栄養素が取れる食べ方も紹介します。ほっけの美味しさを存分に味わいつつも、ササッと手軽に仕上がるレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
ほっけはどんな食材?

居酒屋や物産展で人気のほっけですが、実際にはどんな食材なのでしょうか?ここでは、ほっけの旬の時期、カロリーや糖質量について紹介します。
ほっけの旬
ほっけの国内漁獲の殆どが北海道に集中しています。ほっけは漁獲期間がとても長く、最長でほぼ通年、短い地域でも6か月間にわたります。
・石狩、後志、檜山、宗谷ではほぼ通年
・網走では3月~翌1月の10ケ月間
・根室では5月~11月の6ケ月間
ただし、ほっけの旬は5月~7月ですので、より美味しくほっけを食べたい場合はこのシーズンのほっけを狙いましょう。
ほっけのカロリー・糖質
ここからは、ほっけのカロリー・糖質を紹介します。主流の食べ方であるほっけの開き(可食部)100g相当の数値で見ていきましょう。
カロリー | 176kcal |
---|---|
糖質 | 0.1g |
※一般的なほっけの半身は約200グラムです。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています
ほっけのカロリーは176kcalで、これはご飯約2/3膳程度(100g)168Kcalとほぼ同等の数値です。そして着目すべきは糖質で、ご飯100gの糖質が36.8gに対してほっけの糖質は0.1とほとんどゼロに近い数値です。この事から、ほっけはヘルシーな食材だと分かります。
ほっけの栄養素と効果・効能

エネルギー | 176kcal |
---|---|
水分 | 67g |
タンパク質 | 20.6g |
糖質 | 0.1g |
食物繊維 | 0g |
脂質 | 9.4g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
ほっけにはどんな栄養素が含まれているのでしょう。開きほっけ(生)の数値と共に、その効能についても紹介します。
①ナイアシン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3.5mg | 15mg | 23% |
ナイアシンは水溶性ビタミンの一種で、食事で摂取した糖質、脂肪、たんぱくなどの栄養成分を効果的にエネルギー変換してくれます。また、アルコールの分解にもナイアシンが使われます。もし、飲酒の後で二日酔いのような状態が現れたなら、一時的なナイアシン不足の影響だとも考えられます。
二日酔いにならないよう、健康的にお酒を飲みたいなら酒の肴にほっけを選びましょう。(※2)
②タンパク質・アミノ酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
20.6g | 60g | 34% |
三大栄養素の一つがタンパク質で、私たちの体の1/6を占めています。食べ物から摂取したタンパク質は体内で一度アミノ酸に分解されたあと、体内で再びタンパク質に合成されます。その数は10万種類にもおよび、これらが、筋肉、血液、髪の毛、皮膚などに生まれ変わるのです。ここで問題となるのが、食べた物とアミノ酸の種類についてです。
私たちの体に必要なアミノ酸は全部で20種類存在しますが、残念ながら1つのタンパク質食材からすべてのアミノ酸が作られるわけではありません。つまり、同じ種類のタンパク質食材ばかりだと、体内で作られるアミノ酸も同じ種類に偏ってしまい、20種類すべてを作り出すことができないのです。
これが、色んな食べ物からタンパク質を摂りましょうと言われる理由でもあります。(※3)(※4)
③DHA・EPA
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
DHA | 740mg | 1000mg | 74% |
EPA | 960mg | 1000mg | 96% |
DHAには脳の柔軟性を促し、情報伝達をスムーズにする、細胞の活性化を促す効能があります。同時に、発ガン物質やアレルギーの抑制、血中脂肪やコレステロールの減少にも効果を発揮します。
EPAには中性脂肪を減少させ、血液をサラサラにする効果があります。その結果、脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化などを防ぐといった健康効果もあります。余分な体脂肪は健康の大敵ですので、ほっけを食べて脂肪を撃退しましょう。(※5)(※6)
④カルシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
170mg | 650mg | 26% |
カルシウムの効果といえば、骨や歯を強くするのが有名です。実は、カルシウムは、細胞分裂や筋肉運動、精神の安定やにも効果を発揮するなど、心身の健康に必須の栄養成分だと言えます。カルシウムが不足すると、骨を溶かしてカルシウムを補うため、骨粗鬆症になりやすくなる危険性があります。(※7)
柳田ゆい
管理栄養士
カルシウムを効率よく骨の為に利用するには、適度な運動をすると良いですよ。
⑤ビタミンD
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
4.6μg | 5.5μg | 84% |
ビタミンDにはカルシウムとリンの吸収を助ける効能があります。同時に、血中のカルシウム濃度を正常な状態に保つことで、骨や歯の発育を促進します。また、体から脳への神経伝達をサポートする、免疫力の向上、アレルギーの改善にも効果を発揮する栄養成分です。(※8)
⑥亜鉛
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.9mg | 10mg | 9% |
亜鉛には、味覚を正常に保つ、抗酸化作用による老化の抑制、免疫力の向上、体の成長をサポートするなど、多くの効能があります。亜鉛は一般的に男性に必要な栄養成分とイメージされがちですが、健康な体を維持するためには男女問わず重要な栄養成分です。(※9)
ほっけの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?

ほっけには健康に貢献する多くの栄養成分が含まれていました。ここからは、どんな食べ方なら効果的に栄養成分を摂取できるのかについて紹介します。
ほっけの開き干しにする
ほっけ100gに含まれる栄養成分は以下の通りです。生のほっけと開き干しのほっけの比較を見てみましょう。
ナイアシン | タンパク質 | DHA | EPA | カルシウム | ビタミンD | 亜鉛 | |
生 | 2.5mg | 17.3g | 530mg | 450mg | 22g | 3μg | 1.1mg |
開き干し | 3.5mgl | 20.6g | 740mg | 960mg | 170g | 4.6μg | 0.9mg |
上記の通り、ほっけは生よりも開き干しで食べる方がより多くの栄養成分を摂取できます。ナイアシンで約1.4倍、タンパク質なら1.2倍、ビタミンDなら1.5倍、カルシウムに至っては8倍に近い数値でした。残念ながら亜鉛は8割程度まで減少しますが、それでも一日の摂取量に匹敵する分量を摂取できます。
ほっけの栄養がとれるレシピのおすすめ
ここからは、ほっけの栄養が摂れるレシピを紹介します。好みにあった食べ方に挑戦してみて下さいね。
①ほっけの素揚げ
ほっけの開きを150~160度の低温でじっくり素揚げにします。こうすることで、ほっけの骨も身も無駄なく食すことができるのです。季節の野菜もプラスすれば、彩りも栄養価もアップしますよ。
②ほっけのパスタ
ほっけの骨が残らないように注意しながらほぐし身にしておきます。後は好みのソースとからめていただきましょう。ほっけの身はクセがありませんので、クリーム、オイル、トマト、和風と、どんなソースと合わせても美味しいパスタに仕上がります。
柳田ゆい
管理栄養士
しめじなどのきのこを入れると、効率よくほっけのカルシウムを摂取することが出来ますよ。
③ほっけのまぜご飯
ほっけの開きを焼いたら、骨に注意して身をほぐしておきます。ネギ、大葉、玉ねぎなど好みの野菜を炒めたら、ほぐし身のほっけと共にご飯に混ぜ込みます。お醤油、塩、バター、中華あじなどで味を調えれば完成です。目玉焼きを添えれば更に栄養価がアップしますよ。
ほっけは栄養豊富な食材
ほっけの栄養成分と健康効果について紹介しました。ほっけの栄養成分を逃さない食べ方、ほっけを美味しくいただくレシピもご紹介しましたので、是非挑戦してみて下さいね。