牛肉の栄養素や効能は?タンパク質が豊富な部位は?成分が摂れる調理法・レシピなど紹介!
【管理栄養士監修】牛肉に含まれている栄養素やカロリー・脂質を知っていますか?今回は、【部位別】の牛肉の栄養価・効能に加えて、栄養成分を効率的に栄養を摂取できる食べ方も紹介します。おすすめのレシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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牛肉ってどんな食材?
ステーキやすき焼き、牛丼などで使われるですが、お肉の中では高価なイメージがあります。そんな牛肉がどのような食材なのか紹介していきます。
牛肉のランクについて
牛肉のランクは歩留(ぶどまり)等級と肉質等級の2つで決まります。
歩留等級はA~Cのアルファベットで格付けされ、可食部が多ければ多いほどAに近づきます。肉質等級は1~5の数字で格付けされ、霜降り度合い、肉の色沢、締まりやキメ、脂肪の色沢と質の4つの検査項目で決まります。この4つを1~5段階で評価し、その中で最も低い等級がそのお肉の等級です。
牛肉の部位別の違い
牛肉にはサーロイン、肩ロース、ヒレ、バラ、はらみ、もも肉、ハツなど多くの部位が存在します。各部位を紹介します。
■サーロイン:背中から腰あたりのお肉で、最も柔らかい部位です。
■肩ロース:肩甲骨周りのお肉でキメが細かく、うま味成分が多くある部位です。
■ヒレ:サーロインの下あたりにあるお肉で、脂肪分が最も少ない部位です。
■バラ:あばら骨周辺のお肉で、肉質が固めの部位です。
■はらみ:横隔膜の筋肉にあるお肉で、柔らかく、脂肪分も程よい部位です。
■もも肉:その名の通り、もも周辺のお肉で赤身と脂肪のバランスが最も良い部位です。
■ハツ:心臓部の内臓肉で、食感と淡白な味が特徴的な部位です。
牛肉の栄養素と効果・効能【部位別】
カロリー | タンパク質 | 脂質 | ビタミンB12 | 鉄 | 亜鉛 | |
肩ロース | 258kcal | 17.8g | 20.8g | 4.6mg | 1.6mg | 2.8mg |
ヒレ | 130kcal | 22.5g | 4.4g | 2mg | 1.8mg | 1.6mg |
サーロイン | 185kcal | 21.6g | 11g | 2.3mg | 1.4mg | 1.9mg |
リブロース | 217kcal | 19.2g | 15.5g | 1.5mg | 1.7mg | 2.7mg |
※アメリカンビーフ100gあたりの栄養素です。
※1日の摂取量は成人男性の目安です。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。(※1)
カロリーと脂質の高さは比例していることや、部位によって栄養素の含有量に差があることがわかりますね。それでは、牛肉に含まれている具体的な栄養素と効能をみていきましょう。
(*牛肉の部位別のカロリー・糖質について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
①タンパク質
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
20.2g | 60g | 34% |
牛肉はタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質をしっかり摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がってカロリーの消費量が増えます。さらに、牛肉はL-カルニチンという栄養素が含まれており、これは体内の脂肪をエネルギーに変換してくれる栄養素です。L-カルニチンを摂取することで体脂肪の蓄積を予防することもできます。
ただし、部位によっては脂身が多い部位もあるので、ダイエットをする方は注意しましょう。特に牛バラ肉は最も脂質が多い部位になります。(※2)
渡辺愛理
管理栄養士
ダイエット中には、脂肪の少ないヒレや赤身が多い部位がおすすめです。塩胡椒をして、焼くだけなどの、ステーキでも良いですね。
②ビタミンB12・B6
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
ビタミンB12 | 2.2mg | 2.4mg | 92% |
ビタミンB6 | 0.4mg | 1.4mg | 29% |
ビタミンB6はタンパク質がエネルギーに代わる時や、筋肉生成時に働くタンパク質との相性が良い栄養素です。ビタミンB12は血の生成に役立つ栄養素のため、貧血の予防などに効果的です。また、脳からの指令を正常に神経に伝える役割も担っています。牛肉を食べれば、1日に摂取するビタミンB12の9割を摂取することが可能です。(※3)(※4)
③ナイアシン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
5.4g | 15g | 36% |
牛肉に豊富に含まれているナイアシンはビタミンB群の一つで糖質や脂質からエネルギーに変えてくれる成分です。タンパク質の代謝にも関わっており、アルコールの代謝や血液循環を良くする成分です。抗酸化作用もあるため、若返りの効能もあります。(※5)
④亜鉛・鉄分
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
亜鉛 | 4.6mg | 10mg | 46% |
鉄分 | 1.2mg | 7mg | 17% |
亜鉛、鉄分ともに日本人に不足しがちな栄養素なので、牛肉はこの2つを効率よく摂取できる栄養素です。亜鉛、鉄分には貧血予防はもちろんのこと、疲労回復の効能もあります。さらに牛肉の鉄分はヘム鉄(動物性食品に含まれる)と呼ばれており、非ヘム鉄(植物性食品に含まれる)よりも吸収率が高いので、効率的に鉄分を摂取できます。(※6)(※7)
牛肉の栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?
牛肉は低糖質、低カロリー、高タンパクな食材です。そんな栄養価の高い牛肉の栄養を逃さずに効果的に摂取する食べ方を紹介します。
①汁物の場合は汁ごと食べる
牛肉には滋養強壮や疲労回復に良い栄養素が含まれていますが、煮込むことでその栄養素が汁内に流れ出てしまいます。そのため、牛肉をスープとして使用する場合、スープまで飲み干すと栄養をまるごと摂れます。茹で汁などもキッチンペーパーなどで濾してから、スープとして活用した方が栄養をしっかりと摂れますね。
②解凍時は時間をかける
牛肉を冷凍庫保存した場合、解凍は冷蔵庫解凍でじっくりと解凍することをオススメします。電子レンジで解凍しても良いのですが、栄養素の損失が大きくなります。自然解凍が最も肉汁もほとんど出さずに、品質も維持できます。おおよそ半日放置しておき、調理する30分程度前に冷蔵庫から出して常温に戻してから調理するとなお良いでしょう。
渡辺愛理
管理栄養士
牛肉のドリップは、旨味を損なってしまうので、キッチンペーパーなどで、吸収させ拭き取ってから調理しましょう。
(*牛肉の冷凍保存方法や解凍のコツについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③ステーキはグリルでじっくり焼く
牛肉と言えばステーキですが、ステーキを焼く際はグリルで焼くと美味しく仕上がります。グリルで焼くことで短時間で焼けるので肉の旨みが逃げません。さらにグリル焼きは余計な脂質を落としてくれるメリットがあります。
牛肉の栄養がとれるレシピのおすすめ
牛肉の中には脂身が多く、脂質を多く摂取してしまうこともあります。資質を控えて牛肉の栄養をしっかりと摂れるレシピを紹介します。
①ステーキ
牛肉料理の王道のステーキです。リブロースやサーロイン、肩ロースなどの部位がおすすめです。上手に焼くコツとしては、両面を強火で30秒ほど焼いてから弱火にして上からアルミホイルをかぶせて1分ほど蒸し焼きにしましょう。お肉がふんわりと焼きあがります。
②ビーフシチュー
ビーフシチューはすね肉、すじ肉がおすすめですが、ロース、バラ肉でも良いでしょう。調理する際に事前にすりおろした玉ねぎに漬け込んでおくと短時間で柔らかくなります。
③牛肉のしぐれ煮
しぐれ煮は細切れや切り落としでも十分おいしくできます。脂身が多いものは避けて、適度に脂身が多いものを選びましょう。
牛肉は栄養豊富な食材
牛肉はお肉の中では高価な部類に入りますが、それに見合った栄養を含んでおり、非常に優秀な食材です。レシピもたくさんあるので、野菜と一緒に摂取して栄養満点な食事を楽しみましょう。