牛タンの栄養素は?高タンパクでダイエット効果あり?カロリーも部位別に比較して紹介!
【管理栄養士監修】牛タンは焼肉で人気の食材です。牛タンに含まれる栄養素やカロリー・糖質を知っていますか?今回は牛タンの栄養成分・効能に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方を紹介します。ダイエット向けの食べ方も紹介しますので、参考にして見てくださいね。
目次
牛タンはどんな食材?カロリーは?
牛タンは多くの人に愛されている食材で、大人にも子供にも人気があります。でも、牛タンとはいったいどんな食材なのでしょうか?また、そのカロリーはどれくらいなのでしょうか?併せて紹介します。
牛タン(100g・1枚)のカロリー・糖質や脂質
カロリー | 糖質 | 炭水化物 | タンパク質 | 脂質 | |
牛タン(100g) | 356kcal | 0.2g | 0.1g | 15.2g | 21.7g |
牛タン(1枚:20g) | 71.2kcal | 0.04g | 0.02g | 3.04g | 4.34g |
表を見れば一目瞭然ですが、牛タンは100g当たり356kcalと一般的に見ると高カロリーな食材です。その要因としては脂質の含有量が多いからと言えますが、その一方で糖質はごくわずかで、100g当たり0.2gしか含まれていないことがわかります。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
高岡由貴
管理栄養士
ダイエット中やボディメイク中の方には欠かせない『たんぱく質』が牛タンには豊富に含まれています。ついカロリーを重視しがちですが、たんぱく質量にも着目して食材を選ぶことも大切です。
牛タンのカロリー・糖質を【ほかの部位】と比較
カロリー | 糖質 | 脂質 | |
牛タン | 356kcal | 0.2g | 21.7g |
サーロイン | 498kcal | 0.3g | 47.5g |
カルビ | 517kcal | 0.1g | 50g |
ばら | 517kcal | 0.1g | 50g |
肩 | 286kcal | 0.3g | 22.3g |
リブロース | 573kcal | 0.1g | 56.5g |
牛タンはサーロイン・ばら・リブロースと比較すると低カロリーですが、肩よりは高カロリーだと言えます。糖質においては、牛肉全般にどの部位も低いです。牛タンをはじめ、牛肉というのは糖質コントロールダイエットをしている方に最適な食材と言えます。
牛タンは脂質が高いのでコレステロール量が気になる方もいらっしゃると思いますが、コレステロール量は100gあたり87㎎です。卵のコレステロール量は100gあたり373㎎ですから比較すると少ないのがわかります。
牛タンの栄養素と効果・効能

タンパク質 | 15.2g |
---|---|
ビタミンB2 | 0.3mg |
ビタミンB6 | 0.25mg |
ビタミンB12 | 6.1µg |
ナイアシン | 3.9mg |
パントテン酸 | 1.32mg |
鉄 | 2.5mg |
亜鉛 | 2.8mg |
カロリーに着目して一見ダイエット中や美容を気にする方からは避けられてしまいがちな牛タンですが、実はダイエットや健康・美容にもうれしい栄養素がたくさん詰まっています。牛タンの栄養素に目を向けていきましょう。
①タンパク質
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
15.2g | 60g | 25% |
上述の通り、牛タンにはたんぱく質が多く含まれています。たんぱく質は筋肉を増やすのに必要な栄養素でダイエットやボディメイクをしている人には欠かせない栄養素です。
さらに、美肌が気になる人にもたんぱく質は欠かせませんが、その場合にはたんぱく質に加えてビタミンCも必要になります。ビタミンCがあることでコラーゲンの合成ができます。(※2)
②鉄・亜鉛
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
亜鉛 | 2.8mg | 10mg | 28% |
鉄 | 2.5mg | 7mg | 36% |
体は、適度な鉄を必要としており、鉄が不足するとヘモグロビンを生成することができなくなるため、結果的に鉄欠乏性貧血といった病気にかかってしまいます。特に妊婦さんなど、貧血になりやすい方は、不足しないように注意することが大切です。
次に、亜鉛がについて、こちらも不足すると味覚障害などを引き起こすため、十分に摂取する必要のある栄養素です。症状の一例としては、何を食べてもおいしく感じられず、調味料を多く使うようになります。その他にも、亜鉛が不足すると皮膚炎や脱毛なども引き起こす可能性もあるので注意が必要です。(※3)(※4)
高岡由貴
管理栄養士
鉄欠乏貧血とは鉄が足りず酸素が体内に運べないため体の中が酸欠になっている状態です。予防としては牛タンなどの動物性たんぱく質を食べることが大切です。鉄の必要量は1日あたり成人男性は7mg、成人女性(月経あり)は10.5mg、妊娠中期〜後期の女性が21.5mg、授乳期の女性が9.0mgと大きく異なります。
③ビタミンB2
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.3mg | 1.6mg | 19% |
牛タンにはビタミンB2も含まれています。ビタミンB2は細胞の再生や発育を促進してくれるので「発育のビタミン」とも呼ばれています。細胞の代謝を高め、最終的に肌・髪・爪を作ってくれますので、美容に関心のある方には是非摂取してほしい成分です。(※5)
④ビタミンB12
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
6.1µg | 2.4µg | 254% |
ビタミンB12は赤血球の合成に関与しており、ビタミンB12を摂取することでも貧血の改善も期待出来るものです。牛タンはビタミンB12が多く含まれているので、積極的に摂取しましょう。表を見ればわかりますが、100gの牛タン(牛タン5枚程度)食べれば十二分にビタミンB12を摂取することができます。(※6)
⑤タウリン
タウリンには疲労回復効果に加え、血圧安定、さらに肝臓の働きを促進させる作用があります。タウリンは、栄養ドリンクに使用されている事も多い成分で、牛タンにも含まれているので積極的に摂取しましょう。(※7)
(*牛肉の栄養素について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
牛タンの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?

牛タンは、非常に優れた食材だということがわかりました。では、どのようにしたら最大限に栄養を摂取することができるのでしょうか?
ビタミンCを含む食材と一緒に食べる
牛タンにはパントテン酸がたくさん含まれています。サーロインと比較すると2.5倍です。パントテン酸はビタミンCの働きをサポートするのでビタミンCと合わせて食べることが勧められています。レモンにはたくさんのビタミンCが含まれていますので、牛タンと食べれば効果抜群です。
牛タンのダイエット中の食べ方は?

牛タンを食べたいけどダイエットが気になる方もいるでしょう。どうしたらダイエット中でも気にすることなく牛タンを満喫できるでしょうか?
①白米を減らす・雑穀米に代替する
牛タンを食べると白米が食べたくなりますが、白米は糖質・カロリーが高いです。お茶碗に軽く1杯〈150g)程度までにして、〆の麺類は避けるとい糖質・カロリーともに抑えることができます。また、白米に雑穀米などを加えるのもおすすめです。雑穀には食物繊維・ビタミン・ミネラルが含まれていて、白米を減らして代わりに雑穀米を食べる分全体としてカロリーも糖質も抑えられます。
②食物繊維も摂取する
さらにおすすめなのが、食物繊維の豊富な食材と食べることです。食物繊維には、血糖値の上昇を抑制してくれる効果が期待でき、それによりインスリンの分泌が抑えられるので、脂肪の蓄積が抑制されることになります。食事前に摂取すると効果的であるため、サラダをご飯の最初に食べるといいでしょう。
さらに、食物繊維は腸内環境を改善するため、便秘解消も期待できるため、ダイエット効果も見込めます。(※8)
③タレに注意する
ダイエット中ならば、タレにも注意してみましょう。タレには、砂糖など糖質・カロリーが高い調味料が使用されていることが多いため、塩・レモンなどに変更することでカロリー・糖質の摂取量を抑えることができます。肉本来の旨味を味わってみてはいかがでしょうか?
牛タンは栄養豊富な食材
牛タンは非常に優れた食材で、おいしいだけでなく栄養の面でも優れています。女性が若さや美しさを保つために必要な栄養も含まれているので積極的に食べましょう。ダイエットをしている方でも食べ方を工夫すれば何の問題もありません。積極的に食べて健康的な日々を過ごしましょう。