おからの栄養価は?美容・健康に効果あり?豆腐との比較やレシピのおすすめも紹介!
【管理栄養士監修】おからに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、おからの栄養成分や健康・美容効果に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方も紹介します。ダイエットだけでなく妊婦におすすめの理由や子供でも食べられるおからレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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おからはどんな食材?
ダイエット食材として人気のおからは水分量によって様々なものがあります。それぞれ詳しく説明します。
①生おから
おからと呼ばれているのは生おからのことで、卯の花などを作る時に使われます。おからは大豆をすり潰して豆乳を絞った搾りかすのことで、大豆のタンパク質や食物繊維を丸ごと含んでいます。生おからは出来立てのため大豆の風味をしっかり感じることができます。
生ものなので数に限りがありますが、最近ではスーパーでも購入できることがあります。水分を多く含んでいるため2~3日中に食べ切らないと傷みやすいのがデメリットでもあります。
②乾燥おから
生おからを短時間で乾燥させたものを乾燥おからと言います。荒めのパン粉のような粒感で、乾燥させることで生おからよりも保存がしやすいのが特徴です。水分量で味付けや食感を左右される生おからと違って好みの水分を加えて固さを調節することで、生おからと同じように使うことができます。ハンバーグなどのパン粉の代わりに使用することができます。
③おからパウダー
美容や健康、ダイエットに良いと注目されたおからパウダーは、生おからを乾燥させた乾燥おからをサラサラのパウダー状にしたもので、数か月保存することができるのが特徴です。ヨーグルトや味噌汁などに振りかけるだけで食物繊維やタンパク質の補充、水分を含むことで満腹感を出す効果などがあり毎日の食事に簡単に取り入れることができます。
おからパウダーはダイエットのために食事や飲み物にかけたり、ケーキやクッキーなどお菓子作りにも使われることが多いです。
(*おからパウダーのカロリーやダイエット効果について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
おからと豆腐のカロリー・糖質の変化は?
生おから | 乾燥おから | 木綿豆腐 | |
カロリー | 111kcal | 421kcal | 72kcal |
糖質 | 2.3g | 8.7g | 1.2g |
乾燥おから水分が抜けているため同じ100gでも生おからより多く、カロリー・糖質が高くなっていますが、含まれる水分量での差なので乾燥おからは凝縮されているだけと考えてOKです。生おからと木綿豆腐ではそこまで大きな差がありませんが、カロリー・糖質以外の栄養価の差にあります。それについては下記で詳しく説明していきます。
※カロリー・糖質量などは100gあたりの値です
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
おからの栄養成分は?【豆腐と比較】
生おから | 乾燥おから | 木綿豆腐 | |
糖質 | 2.3g | 8.7g | 1.2g |
食物繊維 | 11.5g | 43.6g | 0.4g |
タンパク質 | 6.1g | 23.1g | 6.6g |
脂質 | 3.6g | 13.6g | 4.2g |
美容や健康に良いだけでなく、妊婦さんにもおすすめのおからの生おから・乾燥おから・木綿豆腐でどれくらい栄養成分に差があるのか成分別に比較しました。1日の摂取量目安なども参考にしてください。
①食物繊維
種類 | 含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 |
生おから | 11.5g | 20g | 58% |
乾燥おから | 43.6g | 20g | 218% |
木綿豆腐 | 0.4g | 20g | 2% |
大豆の搾りかすから作られるおからは大豆の食物繊維を全て含んでいるのに対して、豆乳で作る豆腐は大豆の食物繊維はほとんど取り除かれているため含有量に大きく差が出ています。
※おからには水溶性食物繊維も含まれていますが、水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維の方が多く含まれています。
便秘解消・整腸効果が見込めるため、特に妊娠中ホルモンバランスの変化や食生活が偏ることでの便秘に悩む妊婦さんにおすすめです。おからパウダーならクセもなく、つわりの妊婦さんでもヨーグルトやドリンクなどで簡単に取り入れることができるので試してみてはいかがでしょうか。(※2)
②タンパク質
種類 | 含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 |
生おから | 6.1g | 60g | 10% |
乾燥おから | 23.1g | 60g | 39% |
木綿豆腐 | 6.6g | 60g | 11% |
乾燥おからが水分量が少ない分、含有量が多くなっていますがタンパク質量は生おからも木綿豆腐も大きく差がありません。ダイエットやトレーニング中は良質なタンパク質を積極的に摂ることが理想で、おからも豆腐も大豆の植物性タンパク質なので身体に負担なく吸収されやすいのでおすすめです。(※3)
③カリウム
種類 | 含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 |
生おから | 350mg | 2200mg | 16% |
乾燥おから | 1300mg | 2200mg | 59% |
木綿豆腐 | 140mg | 2200mg | 6% |
生おからには木綿豆腐の2倍以上のカリウムが含まれています。カリウムは体内のナトリウム(塩分)を排出する効果があり、高血圧予防や、むくみ改善におすすめです。外食やコンビニ食が多くなると塩分を多く摂取しやすいため、健康のためにもカリウムが含まれているおからを摂って、体内のバランスを崩さないようにしましょう。
妊婦さんでむくみが気になる人も、マッサージなどができなくても、おからに含まれているカリウムを摂ることで改善が期待できます。(※4)
柳田ゆい
管理栄養士
カリウムの摂取量が増えると、尿中のカルシウムの排泄量が減るため、骨粗しょう症の予防も期待出来ます。
④カルシウム
種類 | 含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 |
生おから | 81mg | 650mg | 12% |
乾燥おから | 310mg | 650mg | 48% |
木綿豆腐 | 86mg | 650mg | 13% |
カルシウムと言えば牛乳を思い浮かべる人が多いですが、おからや豆腐を含めた大豆製品にもカルシウムは含まれています。カルシウム補給で食べるのには不向きですが、毎日の栄養補給として取り入れるのには、他の栄養素も豊富なのでおからはおすすめです。(※5)
柳田ゆい
管理栄養士
吸収したカルシウムを効率よく、骨や歯の材料として利用するためには、適度な運動が必要とされています。 適度な運動を取り入れるよう、心がけていきましょう。
おからの健康・美容効果は?
おからに含まれている栄養成分の健康・美容・ダイエットなどの効果を紹介します。
①食べ過ぎ防止
おからの食物繊維は多孔質という水分を摂り込みやすいスポンジ状です。そのため乾燥させたおからパウダーは、水分を含むと3~5倍に膨れます。そのため、ヨーグルトやスープにかけて食べることでいつもより満腹感を感じることができます。
つい食べ過ぎてしまうときには、おからパウダーを食事の前に食べることで食べ過ぎ防止に役立ちます。満腹感が出ることで無理なく食事量を減らすことができるため続けることでダイエット効果も得られます。栄養価が高いので体重管理中の妊婦さんのかさましレシピとして使うのもおすすめです。
②血糖値の上昇を防ぐ
空腹時に、ご飯やパンなど糖質たっぷりの炭水化物を摂ることで、一気に血糖値が上がりやすく、食べたものが脂肪として蓄えられてしまいます。しかし、食物繊維が多く含まれているおからを食前に食べることで、血糖値の上昇が緩やかになり、太りにくくなります。おからパウダーなら持ち運びもできるため、外出先で使ってみてはいかがでしょうか。
③筋肉を形成し基礎代謝を上げる
おからは、筋肉の形成に不可欠なタンパク質や、ミネラル・ビタミンも豊富に含んでいるため、基礎代謝の能力を向上し、太りにくい体質にします。特に、トレーニング後に食べることで、タンパク質が効率よく吸収されるため、効率よく筋肉を増やすことが可能です。
おからは高タンパクですが、脂質の多い肉類と比べ低カロリーなので、ダイエット中でも気にせず取り入れやすいですね。妊婦さんは胎児の成長のために、タンパク質など多くの栄養が必要なので、つわりや体重管理に影響が少ない、おからパウダーを飲み物や食事に混ぜて摂るのもおすすめです。
④美肌効果
おからには豆腐や豆乳と同じように大豆に含まれる大豆イソフラボンが豊富に含まれています。イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと同じ働きをすることで知られており、女性ホルモンのバランスを整えることができます。
大豆イソフラボンはコラーゲンに働きかけるポリフェノールで、おからには若返りのビタミンとも言われているビタミンEも含まれているため肌の老化を抑え、ハリやツヤを整える美肌効果があります。
⑤脂肪を分解し血行を改善
おからに含まれている大豆サポニンと大豆レシチンは、血流改善効果があり身体の隅々まで酸素を巡らせることができるため代謝を良くすることができます。代謝が良くなることで脂肪を分解しやすくなるため自然とダイエット効果が得られます。また、血行が良くなることでむくみ予防や冷え改善にもつながります。(※6、7)
おからの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?
おからの栄養を吸収しやすくなる食べ方を紹介します。
①油で調理する
おからに含まれているビタミンKは脂溶性ビタミンで、油と一緒に食べることで吸収率がアップするため油を使った調理がおすすめです。しかし、おからは水分をたっぷり吸収する多孔質という形状の食物繊維なので、油も吸収しやすくなっています。
ハンバーグやナゲットに加えたり、揚げ物の衣にすることでもビタミンKの吸収率はアップします。油の摂取量を抑えるために、揚げ時間を短縮や少量の油をかけてオーブンを使うなどの工夫をしましょう。
②朝食で食べる
ダイエット中や時間がないなどの理由で朝食を摂らない人も増えていますが、午前中は夜の4倍近いエネルギーを消費するためたくさんの栄養素を摂ることが理想です。朝食をしっかり食べることで昼食の血糖値の上がり方も緩やかになるため、朝食を摂ることがダイエットにもつながります。
朝食におすすめなのはヨーグルトと合わせたおからヨーグルトです。おからに含まれている栄養素はタンパク質・ミネラル・ビタミン・食物繊維など身体に良い物ばかりで、時間がなくてパンや野菜ジュースなど糖質の多いものを摂っている人も、おからヨーグルトに変えることで不足しがちな栄養素を補えます。
おからの栄養がとれるレシピ【子供でも食べられる】
栄養満点で美容や健康にも良く、食事が偏りがちな妊婦さんやおからが苦手な子供にもおすすめのおからレシピを紹介します。
①おからクッキー
おからクッキーなら、タンパク質も摂れて子供も喜ぶ栄養満点のオヤツになります。生おからでも乾燥おからでも作れます。
②おからドーナツ
ドーナツやホットケーキに混ぜればふわふわでしっとりとした焼き上がりになります。油を吸収しやすいので焼きドーナツの方がヘルシーです。
③おからのポテトサラダ風
おからを使うとじゃがいもの下処理の手間がかからず、簡単にポテトサラダ風が作れます。マヨネーズ味にすることで子供も苦手意識なく食べられます。
おからは栄養豊富な食材
おからと言えば卯の花といったイメージが強く、苦手意識がある人も多いですが乾燥おからやおからパウダーを使えばハンバーグやオヤツなど調理の幅も広がり、家族みんなで楽しめます。栄養豊富で美容や健康におすすめの食材なのでぜひ積極的に取り入れてください。