牡蠣の食べ過ぎは危険?下痢・腹痛など症状も?適正量や予防策など紹介!
【管理栄養士監修】牡蠣を食べ過ぎるとどうなるか知っていますか?今回は、牡蠣の食べ過ぎによる〈痛風・嘔吐・気持ち悪い〉 など悪影響の例を症状・原因とともに紹介します。牡蠣の食べ過ぎになる量や、痛風・食中毒の予防策も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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牡蠣は栄養豊富?でも食べ過ぎに注意?
牡蠣は海のミルクと呼ばれ、様々な栄養素が豊富に含まれる食材です。秋から冬にかけて旬の牡蠣を待ちわびる方も多くいることでしょう。まずは、牡蠣に含まれる栄養素や健康効果はどのようなものがあるか、説明していきます。
牡蠣を適量食べた時の効果・効能
牡蠣には鉄分やビタミンB12、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。それらの健康効果には、以下のようなものがあります。
・貧血予防
・免疫力強化
・疲労回復
・精神安定
血中の赤血球を作り出す鉄分は、牡蠣に多く含まれることから貧血予防が期待できます。また、ビタミンB12には鉄分の補佐をする働きがあるので効果が高まります。亜鉛は、免疫機能の手助けを行い、保湿効果のあるビタミンAを体内に留める働きを持つため、免疫機能の向上や疲労回復に効果的です。
良質なカルシウムと、カルシウムの補佐をするマグネシウムは、骨の形成だけでなく、ストレス緩和・精神安定などの働きもあります。これら多くの栄養素が含まれる牡蠣の栄養をより詳しく書いた記事がありますので、参考にしてみてください。(※1、2、3、4)
牡蠣を食べ過ぎるとどうなる?
いくら健康のために必要な栄養素でも、過剰に摂取すると逆効果になる場合があります。それでは、牡蠣を食べ過ぎてしまった場合にどのような影響があるのか、具体的に説明します。
①プリン体の取り過ぎによる痛風
プリン体を摂取すると体内で分解され、不要となった尿酸は尿や便として体外に排出されます。痛風とは、プリン体の過剰摂取や排泄機能の低下により、尿酸が体内に蓄積・結晶化して炎症を起こしている状態を指します。その詳しい症状は以下の通りです。
・足の親指の付け根が真っ赤に腫れて歩けなくなる
・尿管結石
・腎臓の機能が悪化
痛風は、血液中の尿酸値が高いことで引きおこされる高尿酸血症です。関節痛から始まり、尿管結石や腎機能悪化といった合併症を引き起こすこともある怖い症状です。腎不全につながる場合もあるので、プリン体の過剰摂取には注意しましょう。(※5)
②ノロウイルスで食中毒になる
ノロウイルスとは、ウイルス性胃腸炎の原因として知られる感染力の強いウイルスのことです。牡蠣を食べ過ぎた後に気持ち悪い感覚に襲われ、以下のような症状が続く場合はノロウイルスの可能性が高いです。
・吐き気
・下痢
・嘔吐
・発熱
・頭痛
牡蠣などの二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合に、下痢・嘔吐などを発症する可能性があります。先程の症状だけでなく、最悪の場合死に至るケースもあります。ノロウイルスは熱に弱いため、牡蠣を食べる際は食中毒を防ぐために85~90℃で90秒以上加熱してから食べるのがおすすめです。(※6)
熊橋麻実
管理栄養士
牡蠣は生食用と加熱用があります。生食用は一定時間紫外線殺菌した海水で殺菌したもの、加熱用はそのまま出荷したものです。用途に合わせて購入しましょう。
③亜鉛の過剰摂取
亜鉛を過剰摂取することで以下のような症状が出てきます。
・頭痛
・嘔吐
・めまい
・倦怠感
一時的な食べ過ぎであればすぐに改善されますが、長期間に渡って継続的に摂りすぎると亜鉛の過剰摂取となり、鉄や銅の吸収が阻害されて貧血の原因となる場合があります。また、免疫力の低下や下痢、善玉コレステロールの低下などの病気の引き金になる可能性もあります。
④毎日食べるとアレルゲンになることもある
牡蠣アレルギーを持つ方は、アナフィラキシーショックを引き起こすことがあるので十分注意して下さい。しかし、元々牡蠣アレルギーがない人も、食べ過ぎにより体内の免疫機能が過敏に反応して、食物アレルギーを発症することもあります。牡蠣によるアレルギー症状は以下の通りです。
・じんましん
・湿疹
・腹痛
・吐き気
潜伏期間がある食中毒と違い、アレルギーに潜伏期間はなく、早ければ食後1~2時間で症状が出始めます。軽い症状で済む場合もありますが、重度の場合は呼吸困難や意識障害などアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。気になる場合は、すぐに病院を受診しましょう。(※7)