人参の食べ過ぎは危険?最悪死亡する?1日何本かや妊娠中に注意すべき理由など紹介!
【管理栄養士監修】人参を食べ過ぎるとどうなるか知っていますか?今回は、人参の食べ過ぎによる〈消化不良・柑皮症・太る〉など悪影響の例を原因とともに紹介します。人参の食べ過ぎになる量の目安や、妊娠中の方が特に注意すべき理由も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
(このページにはPRリンクが含まれています)目次
人参の食べ過ぎに注意?
人参はいろいろな料理に使いやすい食材ですが、食べ過ぎると身体に悪影響はあるのでしょうか。食卓でよく目にする人参について、効果・効能から、食べ過ぎたときの不快な症状まで紹介します。
人参を適量食べた時の効果・効能
人参は適量食べることで健康を維持する様々な効果があります。
・がん予防
・視力の維持
・免疫力のUP
・便秘解消
これらの効果にはβカロテンが関係しています。βカロテンは植物や動物が持つカロテノイド色素の一つで、体内でビタミンAに変えて使われる栄養素です。ビタミンAは活性酸素を抑え、がんの危険因子となる生活習慣病のリスクを減らし、目の神経伝達物質として視力を維持したり、皮膚や粘膜の細胞を正常に保ち免疫力を高める効果もあります。
また、便秘解消に働くのは不溶性食物繊維で、体内で水分を含むことで容積を増し、大腸を刺激して排便を促します。腸内細菌のエサにもなるので、善玉菌が増え腸内環境を改善します。(※1、2)
(*人参の栄養素や効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
人参を食べ過ぎるとどうなる?最悪死亡する?
人参は1日1本までとされています。健康を維持するために役立つ貴重な野菜ですが、食べ過ぎは健康状態に悪影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
①消化不良
人参には食物繊維が豊富です。食物繊維とはヒトの消化酵素では消化分解されない食品成分のことで、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維に分類されます。主に便秘に関わるのは不溶性食物繊維です。過剰摂取すると腸の蠕動運動の機能が低下するため便秘を悪化させます。
人参には100gあたり水溶性食物繊維が0.7g、不溶性食物繊維が2g含まれています。そのため人参を食べ過ぎると不溶性食物繊維も過剰に摂取することになり、腸の中で詰まってしまい、消化不良を起こすことに繋がるので注意が必要です。(※3)
②柑皮症
柑皮症(かんぴしょう)とは、カロテンの過剰摂取により皮膚に色素が沈着し黄色っぽく変色してしまうことです。人参にはカロテンが豊富に含まれているので、食べ過ぎると柑皮症になる可能性があります。(※4)
③ビタミンAの過剰摂取【妊娠中は要注意】
ビタミンAは胎児の発達に重要な栄養素ですが、妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると胎児の器官形成(特に耳の形態)に異常を起こしやすくなります。そのため妊娠 3 ヶ月以内、または妊娠を希望する女性は、ビタミンAの過剰摂取に対して注意喚起されています。ビタミンAは妊婦も胎児も体内で合成できないため、適切な量を食事から摂る必要があります。
ビタミンA不足は胎児の発育不足を招く一方、過剰摂取に関しては、ごく稀にビタミンA中毒症による死亡例もあり、多すぎても少なすぎても問題があります。人参に含まれるβカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので、過剰摂取の害がありません。(※5)
④太ることはない
カロリー | 糖質 | |
西洋かぼちゃ | 91kcal | 17g |
じゃがいも | 76kcal | 16g |
人参 | 39kcal | 7g |
キャベツ | 23kcal | 3g |
表からわかるように、カロリーと糖質はいもやかぼちゃよりは低いものの、人参のように根菜類は葉菜類よりもカロリーも糖質も高いので、人参は食べ過ぎても太ることはないとは言い切れません。他の淡色野菜に比べると糖質量が多いので極端に食べ過ぎると太る原因になります。
しかし人参には食物繊維がたくさん含まれているので、よく噛んで食べることで、少量でも満腹感を得やすいので、太りにくい野菜でしょう。(※6、7)