ビーツの栄養価と効能は?加熱OK?葉・茎や水煮茹で汁の活用レシピも紹介!
【管理栄養士監修】ビーツに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、〈鉄分〉などビーツの栄養成分・効能に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方・加熱での下処理方法も紹介します。葉っぱ・茎や水煮缶の茹で汁を活用するレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
ビーツはトマトやレタスの2倍以上のカリウムを含みます。カリウムは余分な塩分ナトリウムを排出する作用があるため、血圧上昇を防ぎ高血圧の予防ができるだけでなく、むくみ解消にも効果的です。そのため、ホルモンバランスや血液循環が滞りむくみやすい妊婦の人も、カリウムを摂取すると妊娠中のむくみの症状が軽減されます。(※3)
③ナイアシン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.3mg | 15mg | 2% |
ナイアシンは幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やす効果があり、セロトニンが体内で増えると精神的に安定して集中力の向上などに繋がります。また、ナイアシンには血管拡張作用があり血流を良くして体を温める効能があるので、冷え性の改善に効果的です。
また、妊娠中にナイアシンの摂取量が減ると生まれてくる子供にアトピー性湿疹が出る可能性が高くなるので、妊娠中は積極的な摂取をおすすめします。(※4)
④鉄分
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.4mg | 7mg | 6% |
鉄分は血液中の赤血球を構成するヘモグロビンの材料となる成分で、酸素を身体中に運ぶために欠かせません。鉄分が不足すると全身の組織が酸欠状態になり、疲れやだるさ、頭痛や動悸などの貧血症状が現れます。また、骨や粘膜、皮膚の生成や代謝にも関わっている成分なので、肌が荒れやシミ、シワができやすくなるなど、美容面でも影響が出ます。
また、妊娠中の鉄分不足は胎児の発育不良や、早産などに影響してくるので妊婦の人は特に欠乏させないようにしましょう。(※5)
⑤ベタシアニン
ベタシアニンはポリフェノールの一種で、特徴的なビーツの赤い色素を作り出す成分です。ベタシアニンの高い抗酸化作用は、抗酸化作用が高いことで知られるアントシアニンよりも強い効果があると言われます。抗酸化作用には体内の活性酸素を取り除く作用があり、体の老化や生活習慣の予防をする効能が期待できます。
⑥ラフィノース
ラフィノースはオリゴ糖の一種で、腸の環境を整えて善玉菌を増やして悪玉菌がの増殖を抑える整腸作用が期待できます。また、肌の奥の乾燥を防ぐ効果があるようで、アトピー性皮膚炎の改善効果も期待ができるそうです。
⑦ベタイン
ベタインは甘味成分でアミノ酸の一種です。この成分は肝機能を高めて脂肪が肝臓に付くのを防ぐ作用があり、肝脂肪や肝硬変の予防だけでなく、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の予防をする効果があります。
⑧NO(一酸化窒素)
ビーツを食べるとNO(一酸化窒素)が体内に生成されます。NOは血行を改善するのと同時に血管を柔らかくする作用があり、血管の中で血栓が発生するのを防ぐ効能があるため、動脈硬化の予防に繋がります。血行改善は疲労回復や持久力アップにも効果を発揮し、基礎代謝アップにも繋がるのでダイエットにも効果的です。
このようなNOの体内での作用が1998年にノーベル生理学・医学賞を受賞したため、スーパーフードとして注目が集まるようになりました。
ビーツは下処理の仕方は?加熱必須?
栄養素が豊富なビーツですが、加熱などの下処理は必須なのでしょうか。ビーツの茹で方の手順をポイントと併せて紹介します。
ビーツの茹で方・手順
ビーツの茹で方は以下のような手順で行います。
1. ビーツの葉を取って洗う
2. 沸騰したお湯にビーツを入れて蓋をする
3. 弱火で10分以上茹でる
4. 竹串が通るくらいに火が通ったらお湯からあげる
5. 茹で上がったビーツを水に入れて熱を冷ます
6. 冷めてからビーツの皮を削る
お湯にレモン汁やお酢など酸性の成分を加えると赤い色味がより鮮やかに発色します。茹でたビーツは密閉して保存袋に入れれば冷凍保存も可能で、数ヶ月は日持ちしますが美味しく食べられるのは1ヶ月ほどなので、できるだけ早く食べ切りましょう。